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福井県側から能郷白山に登るつもりだったが、大野市の国道事務所に問い合わせてみると真那姫湖から
先は通行不能らしい。
そこで洞吹氏の先週岩谷林道開通のレポを頼りに広野ダムへと向かった。懸案のCa542mから江越国境
稜線へ上がり、三国岳から夜叉ヶ池を巡る周遊ルートを辿るのだ。

【日 時】2005年4月24日(土)
【山 域】江越美国境 三国岳
【天 候】晴れ
【コース】広野ダム6:46---7:43取付き7:53---10:20県境稜線10:40- --12:15三国岳13:40---14:25
     P1206---14:45夜叉ヶ丸---15:00夜叉ヶ池15:15---16:40登山口16:50---18:00広野ダム

「なぜだ」
目の前の林道入口には無情のチェーンがかかっていた。
看板には「夜叉ヶ池の登山道が危険なため5月中旬まで登山禁止。通行止め」とあった。先週一旦は
除雪開通させたものの、不用意に踏み込んだ登山者に事故を起こされてはかなわないと思ったのだ
ろう。

雪の消えた林道を淡々と歩く。何度もここを歩いているが、車が通れる状態の林道を歩かされるの
は初めてである。
ふと気が付いた。「地図を車に忘れてきた」まあいい。地図は頭に入っている。取付きがはっきり
分かっているから後は尾根を進むだけ、何とかなるだろう。

林道終点の少し手前、右岸から左岸へ渡った右手の植林帯が取付きだ。出足は緩い斜面だが、上方
の尾根に向かってすぐに四輪駆動の急傾斜となる。
尾根に乗るとイワウチワの大群落が出迎えてくれた。
花を踏まずに歩くのが難しいようなイワウチワの回廊が続いた。
中には真っ白なイワウチワもあり、
その清楚な白さがこころに沁みる。
尾根筋はややヤブっぽいが歩くのには大して支障はない。

やがてヤブっぽさが影を潜め、明瞭な踏み跡が現われた。ちょっとした切通し状の場所に出ると、
岩谷側の斜面を逆方向から、荒れてはいるものの結構太い道形が伸びて来ていた。
(下山時に登山口から見上げると林道の対岸に道のラインが斜上していた。)
ここには太いブナが一本、かつてあった道を見下ろすように佇んでいた。

それまで比較的細かった尾根が広がりを見せ始めた。尾根芯は地肌が出ているが、右手の北側斜面
には雪が残り、歩きやすい雪面を選んで進む。
あたりは一面のブナの疎林が続きいいムードである。
また巨大なブナが出迎えてくれた。滑らかな木肌ではなく、ごつごつとした筋骨隆々たる巨木である。
私はスラッとしたブナよりもこういういかつい奴の方が好きだ。
やがて尾根を完全に雪が覆うようになった。Ca900mあたりか。広々とした疎林の雪尾根を詰め上げる
と江越国境稜線である。右に上谷、左に三国が姿を現わす。
ここからは両者とも同じような距離。上谷山へのルートに使うのもいいかもしれない。

陽光が燦々と降り注ぐ雪尾根を三国岳目指して進む。
緩やかに下った最低鞍部は池でもありそうな地形があった。
ここから三国へは250mの登り返しだが、ゆるゆると上がっていくのでそれほどの標高差を感じない。
965m標高点の先に素晴らしい場所があった。稜線の左下に台地が続き、言わば二段尾根状の稜線が
しばらく続いた。ブナに包まれたこの稜線は最高の雰囲気である。

右後方を振り返ると、尾羽梨川が刻む深い谷の両岸は眩いばかりの新緑がある高さまで続き、そこから
上は白い世界が残る。そのコントラストがなんとも言えず美しい。

三国への最後の登りは、地形図通り雪田とも言うべき広大な斜面が広がる。
ここを上がれば山頂だというのを2回繰り返し、真ノ谷の源流を挟んで越美国境稜線と平行に進むようになる。
この谷は数年前に洞吹氏と遡行した谷だ。5月下旬だったが源頭部には雪渓が残り、予期せぬ雪渓歩き
を楽しめたものだった。

三国岳頂上は笹ヤブの中だった。周りは一面の雪原なのだが、山頂の一角だけがモヒカン刈りのよう
に笹が露出している。
南東側の雪原に腰を下ろす。南方間近に三角点のある左千方。(三国には三角点がないのだ)
そこから続く尾根上に土蔵、大ダワの目立たない姿がある。
立派なのはやはり横山、金糞。
ここから見る蕎麦粒はいつもの三角錐ではなく、怪異とも言える姿で迫る。
貸切りの山頂はいつまでもゆっくりしていたい気分だが、まだ先は長い。帰りもあの林道を歩くと
思うとぞっとする。

たおやか。その言葉があまりにもぴったりくるのが三国とP1206の間の稜線だ。たっぷりと残雪を
まとって緩やかに続く尾根は無雪期の印象とはあまりに違う。
激ヤブを縫って付けられた登山道はあまり稜線を歩いているという実感がなかったのだが、そのヤブ
も今はすべて雪の下。三国はこの季節の山だなあと思う。

P1206もまた素晴らしい雪原がひろがるピーク。ここからは高丸の勇姿が目の前に迫る。三周ヶ岳JP
から続く尾根はひと筋の白い線で繋がっている。昨年よりもかなり白い。
昔このピークに夜叉姫岳という名を付けたガイドブックがあったが一般化しなかったようだ。
むやみに名前を付けるのはよくないが、この立派な山頂に名前がないのは残念だとも思う。
夜叉ヶ丸との鞍部への急斜面を一気に滑り降りる。鞍部から見上げる夜叉ヶ丸へは崩れ落ちた雪庇
の残骸が荒々しい。
振り返るP1206の斜面には大きく根穴の開いたブナが立ち並び、幹の直線と穴の円が形作る芸術的な
造形が美しい。

2週間後に再び立つとは思わなかった夜叉ヶ丸。見下ろす夜叉ヶ池も白い部分が減って、ドーナツ状
に池の縁が水色に変わっている。
今日は池経由としよう。三周へ続く稜線は登山道が露出している。坂内村の監視カメラのあたりで
左側斜面に入り、池までの豪快なスライドを楽しむ。

池の周りには新しいトレースがあった。やはり来る人はいるものである。池の縁は完全に水が出
ており底にはシャーベットになった氷が堆積していた。
この登山者はどこを上がってきたのか。一般道の方向をしばらく進んだが、道のある尾根にはまっ
たくトレースがない。やはり夜叉ヶ丸ダイレクト尾根か。
急傾斜のトラバースに苦労しながらダイレクト尾根のトレースに合流した。ここからはおなじみの
ルートであるが、今日が今までで一番遅い時期だ。
2週間前の快適な雪稜はヤブだらけの尾根に変わっていた。
ところどころ雪を繋いで歩けるものの、全体的にはヤブ基調。やはり時期というものがある。

最後の最後でヤブの中を右に振り過ぎてしまったが、そのおかげでとてつもなく大きなブナにめぐり
逢うことができた。今まで見た中でも最大級の素晴らしいブナの巨樹。
この樹に出逢った人はどれくらいいるのだろう。

最後は転げ落ちるような下りをすっかり雪の融けた登山道へ出た。少し上流側を覗いてみたがあまり
雪はないようだ。ただ最後の橋が落ちているらしいが。

今年の夜叉ヶ池のゴールデンウィークは例年になく静かだろう。
夜叉姫もいつもと違う静けさに驚くかもしれない。

                   山日和

2005/04/25(Mon) 00:58:32  [No.138]


山日和さん、こんばんは(^^)

> 福井県側から能郷白山に登るつもりだったが、大野市の国道事務所に問い合わせてみると真那姫湖から
> 先は通行不能らしい。
僕も問い合わせていました(^^;)

> そこで洞吹氏の先週岩谷林道開通のレポを頼りに広野ダムへと向かった。
同じく!! (^^)

> 「なぜだ」
うお〜、同じ言葉が頭の中をぐるぐる回りましたよ!!
洞吹さん、どうすんのん・・・・って(^^;)

> 看板には「夜叉ヶ池の登山道が危険なため5月中旬まで登山禁止。通行止め」とあった。
山日和さんのレポにも洞吹さんのレポにも無かった新事実に小心者としてはめまいでした(@_@); 

> 地図は頭に入っている。取付きがはっきり
> 分かっているから後は尾根を進むだけ、何とかなるだろう。
くわ〜っ、かっこよすぎる〜(^_-)

> (下山時に登山口から見上げると林道の対岸に道のラインが斜上していた。)
気がつかなかったです(^^;)

> 貸切りの山頂はいつまでもゆっくりしていたい気分だが、まだ先は長い。帰りもあの林道を歩くと
> 思うとぞっとする。
僕もそうでした(^^;) でも帰りは軽トラに乗せていただけた(^^)v
最初は「連行されるのか・・・」と不安になりましたが(^^;)

> 昔このピークに夜叉姫岳という名を付けたガイドブックがあったが一般化しなかったようだ。
姫がいるのはここか!! 会いたいな(。_゜☆\ ベキバキ

> 今日は池経由としよう。三周へ続く稜線は登山道が露出している。坂内村の監視カメラのあたりで
> 左側斜面に入り、池までの豪快なスライドを楽しむ。
あの斜面のなが〜い尻セードの跡は山日和山の物だったのか!!(^^)謎が解けたぞ(^^)

> 2週間前の快適な雪稜はヤブだらけの尾根に変わっていた。
> ところどころ雪を繋いで歩けるものの、全体的にはヤブ基調。やはり時期というものがある。
そうでしたか〜。時期か・・・。もっと雪が多いとうれしかったのに(;_;)

あ〜、あの足跡の主がわかってなんかウレシイ(^^)

2005/04/25(Mon) 21:18:54  [No.139]


矢問さん、どうもです。
一日違いのニアミスでしたね。三周にしようかとも思っていたのですが、以前から狙っていた
コースを周遊できて大満足でした。
あのダイレクト尾根もこの週が最後でしょうか。あれ以上ヤブが出ると篤志家向けになりますね。(^_^)
ではまた新緑のブナ林で・・・・

                 山日和

2005/04/25(Mon) 22:27:30  [No.140]


YABLOGに画像アップしました。よろしければどうぞ。

          山日和

2005/04/25(Mon) 22:58:42  [No.143]


こんばんわ〜。

>懸案のCa542mから江越国境
> 稜線へ上がり、三国岳から夜叉ヶ池を巡る周遊ルートを辿るのだ。

「福井の雪山U」に山日和さんが登場するコースですね〜。

>取付きがはっきり
> 分かっているから後は尾根を進むだけ、何とかなるだろう。

本を読んでも、なかなか現地と地図が一致しなくて。何かコツ?でもあるんでしょうか?

> 尾根筋はややヤブっぽいが歩くのには大して支障はない。

馬力がないので、ちょっとの薮にも、跳ね飛ばされて疲れます。支障が無いって言ってみたいなぁ。

> あたりは一面のブナの疎林が続きいいムードである。
> また巨大なブナが出迎えてくれた。滑らかな木肌ではなく、ごつごつとした筋骨隆々たる巨木である。

ブナ林はいいですね。ブナの木を見ていると、心がなごみます。ブナの木があるっていうの、山選びのポイントです。

> この谷は数年前に洞吹氏と遡行した谷だ。5月下旬だったが源頭部には雪渓が残り、予期せぬ雪渓歩き
> を楽しめたものだった。

その時期の沢って冷たそう〜。

>ドーナツ状
> に池の縁が水色に変わっている。

探鳥会で初めてコマドリを見たのが、夜叉が池との始めての出会いでした。とてもいい池ですね。

2005/04/26(Tue) 22:37:14  [No.149]


とっちゃん、どうもです。

> 「福井の雪山U」に山日和さんが登場するコースですね〜。

そうそう、あの時に夜叉ヶ丸の頂上で瓜生さんに出会ったのでした。

> 本を読んでも、なかなか現地と地図が一致しなくて。何かコツ?でもあるんでしょうか?

経験と野生の勘ですね。(^_^;)

> 馬力がないので、ちょっとの薮にも、跳ね飛ばされて疲れます。支障が無いって言ってみたいなぁ。

筋トレしなはれ。

> ブナ林はいいですね。ブナの木を見ていると、心がなごみます。ブナの木があるっていうの、山選びのポイントです。

そうやねー。ブナがあるとないで山の印象が全然違いますね。

> その時期の沢って冷たそう〜。

冷たかったよー。でも頭からシャワーかぶったけどね(^_^)

ではまた新緑の渓流で・・・・

               山日和

2005/04/26(Tue) 23:52:10  [No.158]


山日和さん こんばんは
去年、人が多くて変更してしまったコース、行きましたね。

> 「なぜだ」

そらあ、日頃の行いのせいに決まってまんがな。(^^)v

> 林道終点の少し手前、右岸から左岸へ渡った右手の植林帯が取付きだ。出足は緩い斜面だが、上方
> の尾根に向かってすぐに四輪駆動の急傾斜となる。

私も、取り付きはここやなあと思いながら通っていました。

> やがてヤブっぽさが影を潜め、明瞭な踏み跡が現われた。ちょっとした切通し状の場所に出ると、
> 岩谷側の斜面を逆方向から、荒れてはいるものの結構太い道形が伸びて来ていた。
> (下山時に登山口から見上げると林道の対岸に道のラインが斜上していた。)

ほほう、これは気がつきませんでした。

> ここからは両者とも同じような距離。上谷山へのルートに使うのもいいかもしれない。

なるほど。それも面白いですね。

> 965m標高点の先に素晴らしい場所があった。稜線の左下に台地が続き、言わば二段尾根状の稜線が
> しばらく続いた。ブナに包まれたこの稜線は最高の雰囲気である。

次回の楽しみにしておこう。

> 三国岳頂上は笹ヤブの中だった。周りは一面の雪原なのだが、山頂の一角だけがモヒカン刈りのよう
> に笹が露出している。

1週間で、笹ヤブが出てきましたね。

> たおやか。その言葉があまりにもぴったりくるのが三国とP1206の間の稜線だ。たっぷりと残雪を
> まとって緩やかに続く尾根は無雪期の印象とはあまりに違う。

そう、「たおやか」という言葉がぴったりの場所です。

> むやみに名前を付けるのはよくないが、この立派な山頂に名前がないのは残念だとも思う。

単に「1206m峰」というのも、辺境の趣があって好きですよ。

> 夜叉ヶ丸との鞍部への急斜面を一気に滑り降りる。鞍部から見上げる夜叉ヶ丸へは崩れ落ちた雪庇の残骸が荒々しい。

1週間前は崩れる直前でしたね。

> 最後の最後でヤブの中を右に振り過ぎてしまったが、そのおかげでとてつもなく大きなブナにめぐり
> 逢うことができた。今まで見た中でも最大級の素晴らしいブナの巨樹。
> この樹に出逢った人はどれくらいいるのだろう。

私は左へ振り気味で、崖っぷちを歩いていたので、出会えなかった。
これも次回の楽しみにしておこう。

度重なる林道歩行、お疲れさまでした。

よい山旅を!
                       洞吹(どうすい)

2005/04/26(Tue) 23:08:53  [No.153]


洞吹さん、どうもです。

> 山日和さん こんばんは
> 去年、人が多くて変更してしまったコース、行きましたね。

そうですね。でも雪の多い時は取り付きまでで消耗してしまいそうで苦しいでしょうね。

> > 「なぜだ」
>
> そらあ、日頃の行いのせいに決まってまんがな。(^^)v

うーん。(@_@;)

> > (下山時に登山口から見上げると林道の対岸に道のラインが斜上していた。)
>
> ほほう、これは気がつきませんでした。

昔の仕事道でしょうか。どこまで続いていたのか興味深々ですね。

> > ここからは両者とも同じような距離。上谷山へのルートに使うのもいいかもしれない。
>
> なるほど。それも面白いですね。

ここから上谷へ上がって手倉山への周遊はいいコースになると思いますね。

> 次回の楽しみにしておこう。

> 単に「1206m峰」というのも、辺境の趣があって好きですよ。

そうですね。日高に1839峰(いっぱーさんきゅうほう)というのもありますしね。

> 度重なる林道歩行、お疲れさまでした。

ほんま疲れますわ。

ではまた通行止めの林道で・・・・

                 山日和

2005/04/27(Wed) 00:03:27  [No.160]


こんばんは

> 稜線へ上がり、三国岳から夜叉ヶ池を巡る周遊ルートを辿るのだ。

雪回廊走っていますねえ、このルートは行くだろうなあ思ってました。
以前に三国からみた下がって上がる雪回廊ならば満足だろうなあって。

> 岩谷側の斜面を逆方向から、荒れてはいるものの結構太い道形が伸びて来ていた。

昔は山稼衆の稼ぎ場、この程度の標高には木造道が有った事でしょうね。
上谷山へにも使い込まれた古道が有ります。

> 今年の夜叉ヶ池のゴールデンウィークは例年になく静かだろう。
> 夜叉姫もいつもと違う静けさに驚くかもしれない。

GWは道が開くでしょうね。そう思う
夜叉が池の湖水はピカ一ですもの、みんなに開放しなくてはです。

             緑水。

2005/04/29(Fri) 20:21:54  [No.169]


緑水さん、どうもです。
ここは以前から狙っていたルートでした。
予想通りのいい尾根で大満足です。
もっと早い時期なら更に満足でしょうね。
どうせ車で奥まで入れないのなら雪の多い方が面白いでしょう。

> GWは道が開くでしょうね。そう思う
> 夜叉が池の湖水はピカ一ですもの、みんなに開放しなくてはです。

今年は雪の状態が悪いので難しいでしょう。
林道入口の看板にも5月中旬まで登山禁止と書いてました。

ではまたヤシオ咲く尾根で・・・・

                  山日和

2005/04/30(Sat) 00:55:07  [No.172]


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