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【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その1
 2003年11月03日 月曜日 23時16分 山日和

昨年は雨の中傘を差して歩いたウグイの高。日本一雨の多い地域では
あるが、陽光降り注ぐあの森を見てみたい。
1年振りに宮川貯水池から父ヶ谷林道の奥へと車を走らせた。

【日 時】2003年11月2日(日)
【山 域】台高山脈南部 宮川父ヶ谷源流部周辺
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】林道ゲート手前8:00---9:43ウグイの高10:32---11:48父ヶ谷高
 12:59---13:06台高主脈---13:44 P1082北のコバ---15:04山ノ神ノ頭15:15
 ---15:27父ヶ谷越---16:24林道---18:00駐車地

「台高にはふたつの国見山がある。」本当はこういう出だしで始まる
はずだった。
父ヶ谷の源流、北谷と南谷の合流点を見下ろすカーブに駐車。
予定ではここから谷へ降り北谷へ入って左岸からの支流を主脈から国
見山へ伸びる支稜へ上がるつもりだった。
古いエアリアには父ヶ谷から大和谷側の地池谷へ乗っ越す破線路が書
かれている。

ガレた急斜面を南谷へ下りる。ここは昔からの林業関係者のゴミ捨て
場になっているようだ。
谷へ下り立つと下流側に堰堤があり、その向こうの空間にはハシゴを
横にしたような橋がねじれて浮かんでいた。
ねじれてなくても恐くてとても渡れる代物ではない。
堰堤を右から越えたがその下は両岸迫り、樋状の滝の向こうに本流の
大きな渕が覗いている。今日は沢支度ではない。早くも挫折である。
元の急斜面をヒーコラ登り返し、冒頭のプランと相成った。
こういう可能性もいくらかは考えていたのではあるが。

気を取り直して再出発。昨年の林道支線からの直登ルートを上がるの
も芸がない。
営林署小屋を過ぎて次の支流沿いに破線が続いている。
これを利用してウグイの高から北西に伸びる尾根に乗ることにする。

比較的しっかりした踏み跡があり、右下の谷はゴルジュとなっている。
少し谷沿いに進んだ所で左手の斜面に取付く。
放置植林とヤブのミックスですっきりしない。
それにしても今日はむし暑い。先週から季節がまた逆戻りしたようだ。
966m標高点の尾根に乗ると傾斜が緩み、北側の展望が開けた。
登るはずだった国見山が大きく見えているが、山頂部は伐採と植林の
ようだ。歩き出した頃は冴えなかった空も太陽が顔を出し、自然林に
変わった林相と相まって明るさが増してきた。

ウグイの高へ向ってゆっくりと高度を上げる。
北東へ分岐するP1153への尾根がゆったりとたわみ、自然林に覆われて
植林の緑がまったく見えずいい雰囲気だ。
この尾根は意外にもテープは皆無。しかし下生えのない疎林は歩きやす
く気持ちがいい。

見覚えのある標識が現われた。ウグイの高(またはウグイ谷の高)頂上だ。
ここも悪くはないがもう少し下りた所に休憩適地がある。
5分ほど前進して、両側の開けたコル状の台地でザックを降ろした。
西に遠く鋸歯状の山稜が望まれるのは大峰の大普賢岳だ。
その奥には弥山、八経ヶ岳が大きい。
ブナはすっかり葉を落としてしまい黄葉には遅かったが、カエデの名残
の紅葉が所々燃え残っている。
ここで昨日買い替えたばかりの携帯でメール送信を試みる。アンテナは
立っているが電波が弱いようだ。
あれこれ遊んでいるうちに50分も経ってしまった。





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88. 【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その2
 2003年11月03日 月曜日 23時26分 山日和

その1より

1233mの三角点に向って尾根を進む。
左の大杉谷越しに見えるのは仙千代ヶ峰の山稜だ。
大きく下ってP1233へ登り返す。標識には中井高とあった。
西に向きを変えた尾根の左側は大杉谷の大支流である不動谷の左岸だが
、ここは古くから植林が進んでおりあまり雰囲気はよくない。
軽いアップダウンの尾根は岩稜状の所もあり飽きる事がない。
昼飯はどこにしようか。
朝出遅れたので主脈へ出る前に片付けよう。
いや、それ以前にどこまで行くかも決めてないのだ。
ゆっくりメシを食いながら考えることにするか。

先々週、先週と風のない陽だまりが恋しかったが、今日は日陰が欲しい
くらいだ。だが父ヶ谷高までくると伐採で見晴らしがいいのだが木陰が
ない。まあいいか。
シートを広げ靴も靴下も脱ぎ汗でビショビショになったTシャツも脱いだ。
今日は鍋にしたのが裏目に出たようだ。
正面に大台ヶ原を見てのランチタイム。向こうはきっと凄い人出なのだろう。

少し下った所が台高主脈との合流点。「←振子辻」の文字に誘われる。
ここから南、大台辻までは未踏の地域。いずれ行ってみたいものだ。
北へ向って急降下。この稜線のブナ林は素晴らしい。
下り切って少し登り返した所で登山者に出会った。単独の若者と60才は過
ぎているだろう女性2人のパーティー。どちらも大きな荷物を担いでいる。
若者はなんと昨日高見山を出てきたらしい。恐るべき健脚。
しかしこちらは若いからいいとして、ここで高年女性2人のパーティーは
珍しい。こちらも高見峠からだと言う。
日帰り主体になってしまった我が身を振り返り、もっと頑張らねばと反省。

P1082を越えて南谷の右俣がゆったりと尾根に上がってくるコルに着いた。
落ち葉の絨毯が敷き詰められた広々としたコバは水場も近く、ここで幕営
したらさぞ気持ちいい朝を迎えられるだろうと思わせる。
このあたりに来ると木々の色付きの度合いが増してきた。ブナ以外の黄紅
葉が原生の森に彩りを添える。
稜線の左側は今度は本沢川支流三之公川の源流だ。アワホラ谷の源頭部は
思ったよりやさしい表情で緩やかに稜線へ上がってきている。
次の大きなピークは頂点まで上がらず90度左折。テープ、標識もあり間違
う心配はない。
ここでまた3人パーティーに遭遇。台高でも最深部と言えるこのあたりで
こんなに人に会うとは思わなかった。みんな元気だ。
テント場、水場の情報を教えて別れた。




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89. 【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その3
 2003年11月03日 月曜日 23時26分 山日和

その2より

5月に上がった湯谷左岸尾根の合流点は分からないまま通過。
ここから本日一番の険路となる。岩場混じりの急斜面はフィックスロー
プもあり危険はないが息が切れる。
どの辺で林道に下りようか考えながら歩いていたが、あの高年女性パー
ティーに会ってから山ノ神ノ頭まで頑張ろうと決めていた。
細かいアップダウンが多くそろそろ足に堪えてきた。もうひと頑張り。
ヤセ尾根の急登を終えて稜線が90度右折するピークが山ノ神ノ頭。
「また来たで。」という感じ。
しかしほどなくパラパラと雨が降り始めた。前回も昼飯にしようと思っ
たところで土砂降り。山ノ神はどうも機嫌が良くないらしい。
時計は3時を指している。暗くなる前に下山するリミットだ。
早々に腰を上げ、馬ノ鞍峰への稜線へ歩き出した。

林道へ下り立つルートとして考えていたのは、古くからの山越え路であ
ったという父ヶ谷越。古いエアリアには破線路がありコースガイドも載
っている。
ピークをひとつ越え下り切った所が父ヶ谷越のコル。
ここも伸びやかなコバが広がる幕営適地だ。古い道はどこにあるのか分
からないがすぐに両岸植林の斜面となり、右岸の杣道を拾っていったが
やがて消えてしまった。谷筋は伐木で埋め尽くされとても歩けない。
対岸の植林帯に這い上がりトラバース気味に下って行く。

やがて流れの先に空間が広がっている気配。滝か。
左岸の岩頭から覗き込むと10mほどの直瀑。その下にももっと大きそうな
滝があるようだ。両岸は岩壁がそそり立つ。
「やっぱりなー。」これだから台高は油断できない。
左岸の斜面を登り返して弱点を探る。隣の浅いガレ谷を下ってみたが今度
はスラブ状となりまたまた登り返す。
また洞吹さんに怒られそうな事をやっている。昨年の経験がまったく生か
されていない。学習能力ゼロである。
ふと見上げた反対側の尾根が緩く林道へ伸びていた。
「これしかないな。」ひたすら登ってなんとか尾根に乗った。
ここまでも比較的新しそうな切り株がたくさんあり、伐採の為の道が林道
へ続いているはずだと思っていたが、この尾根にも杣道らしき踏み跡があ
った。
問題は末端である。林道を歩いていると法面のほとんどが切り立ったガケ
になっている。
ごく稀に下りやすそうな斜面があるが、そこに行き当たるのは至難の業。
大抵は壁の上で行き詰まって「オーマイガーッ」と叫ぶ羽目になるのだ。
この尾根の末端は切り通し状になっており、5mほどのガケで終っていた。
ここを降りるしかない。ちょうどいい立ち木の支点があったので、ロープ
を出して無事着地。疲れた。
少し進むと先ほど断念した谷の出合。いきなりのゴルジュで絶望的な壁と
滝が懸かっていた。

ここからがまだ長い。駐車地までいったいどれだけかかるのか。
山襞をひとつひとつ丹念に拾って走る林道は歩いても歩いてもという感じ
である。
稜線の東側を行く林道は残照に預かることもなく、5時を過ぎると闇に包ま
れ始めた。
南谷を渡る橋でヘッデンを出す。久し振りのヘッデン歩行。
ペツルのティカは光の届く距離が短くやや歩きづらい。
ライトの光が照らすわずかな範囲以外はまったく見えない。
その光の輪だけを見つめてひたすら歩いていると、神経が研ぎ澄まされて
いく自分を感じる。歩く、ただその事だけに集中している。
不思議と時間の経過は感じなかった。
いつの間にか目の前にわずかな光に浮かび上がった愛車があった。

              
               山日和





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95. Re:【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その1
 2003年11月05日 水曜日 23時41分 柳川洞吹

山日和さん こんばんは

>「台高にはふたつの国見山がある。」本当はこういう出だしで始まる
>はずだった。

およよ……ですねえ。
残念でしたね。
来年、沢から行きますか?

>ここで昨日買い替えたばかりの携帯でメール送信を試みる。

いいなあ。
ワシのは古いから、最近すぐ電池が無くなってくるんや。

ウグイの高も、父ヶ谷の高も、山ノ神ノ頭も行ってみたいと思いつつ、
なかなか行けん。
三番煎じリストのトップにのっているのになあ。

地形図眺めながらレポート拝見して、
美しいヘソまがりラインを考えてみます。

よい山旅を!
                   洞吹(どうすい)




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96. Re2:【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その1
 2003年11月06日 木曜日 00時22分 山日和

洞吹さん、どうもです。

>残念でしたね。
>来年、沢から行きますか?

いいですねぇ。大和谷側から? でもあそこはヒルの巣窟でっせ。

>いいなあ。
>ワシのは古いから、最近すぐ電池が無くなってくるんや。

ドコモポイント利用して事務手数料以外タダでした。
今さらながら前の携帯がいかに古臭かったかを痛感。
これはもう携帯パソコンやっ!!

>ウグイの高も、父ヶ谷の高も、山ノ神ノ頭も行ってみたいと思いつつ、
>なかなか行けん。
>三番煎じリストのトップにのっているのになあ。

大杉はさすがに遠いけど夜中なら2時間半弱。(結構飛ばしてまっせ^_^;)
三之公なら2時間というところ。鈴鹿と変わりまへん。

>地形図眺めながらレポート拝見して、
>美しいヘソまがりラインを考えてみます。

ライン取りにはご注意を。すぐに壁にぶち当たりますから・・・

ではまた初冬のブナ林で・・・・

             山日和




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99. Re:【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その1
 2003年11月06日 木曜日 07時28分 緑水

早速にレスします
メール貰ったとき、吉野の方からの攻め込みと思ってました。

昨年サンタロウと後追いでうぐいの高行きました
長い林道歩きは結構歩き出がある、レッドペッカーには可哀想な道
に成りますね。

秩ケ父林道から見上げた国見山、大和谷から訊ねてみようとおもてます。
林道は両谷をつなぐのでしょうね。
またの報告楽しみにしてます。

                  緑水。




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102. Re2:【台高】ウグイの高から山ノ神ノ頭 その1
 2003年11月06日 木曜日 21時36分 山日和

緑水さん、どうもでーす。やっとのご登場ですね。(^_^)

あの林道は国見山と山ノ神ノ頭の北方ピークを結ぶ支稜を越えて、
大和谷の地池谷源頭部まで伸びているようです。
大和谷発電所付近からいい登山道が付いているようですね。
イージーに往復するのは嫌なのでああいうプランを立てましたが
見事失敗してしまいました。
三之公から山ノ神経由で再チャレンジしようと思います。

ではまた落葉の自然林で・・・・

            山日和

2006/03/18(Sat) 09:18:05  [No.1978]


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