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【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その1)
 2003年11月05日 水曜日 23時10分 柳川洞吹

【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に

【山 域】 鈴鹿中部 イブネ・銚子
【日 時】 2003/11/1(土)
【天 候】 晴のち曇り
【メンバー】 単独
【コース】 岩ヶ谷林道入口8:10---北谷道分岐9:35---アゲンギョ10:45/50
---佐目峠11:10---イブネ11:30---昼食11:50/13:20
---銚子13:50---イブネ北端14:20/30---佐目峠劇場15:00/10
---アゲンギョ15:30/40---千種街道16:20---岩ヶ谷林道入口17:30

木々の間から朝日が漏れる千草越(千種越)の道を、ゆっくりと辿る。
この季節にしては暖かい朝だ。
いつものことながら、この道を山へと向かうとき、
さまざまな想いが頭の中に浮かんでは消えていく。
この道は山への序章。
この道は「もの思い」の道。

桜地蔵も過ぎ、塩津の丸木橋を渡ると、
黄金色のトンネルの中に蓮如上人遺跡があった。
老いた幹を踊るようによじらせて立つイヌシデの古木の先で、
杉峠への道をはずれて北谷へと向かう。
フジキリ谷の流れを渡り、ゆっくりと北谷左岸の台地に上がると、
そこに広がる黄金色の樹林が、ゆったりと私を包んでくれた。
真ん中に木が生えた路傍の炭焼窯跡を眺めながら、
しばらく座り込む。
木々を透かして差すおだやかな日射しに、心が解き放たれるようだ。
ゆっくりと一息つくと、再びザックを肩にして北谷を遡る。

思えば、北谷に入ったのは久し振りのこと。
岩ヶ谷の林道を歩いたのも今年の正月以来だし、
この北谷ともなると、前回はいつ頃だったのだろう。
そんなことを考えながら、
もはや消えかかった道形を追って、黄金色の絨毯を踏みしめる。

いつの間にか奥の二股も過ぎ、滝を高巻いて、
岩クズが散らばる擂り鉢のような谷間に出た。
最奥の炭焼窯跡の石積みを見ながら、浮き石を避けて登っていくと、
谷はやがて狭まり、幾筋もの小谷に分かれだす。
最後のナメ滝をかわすと、間もなく水流が途切れ、
ひと登りで、明るく黄金色に輝くアゲンギョの台地に乗った。

まるで黄金色の屋根をかぶせたように、
ブナやミズナラの黄葉の森が広がるこの静かな台地は、
さながら黄金郷のようだ。
幾度も、幾度も、振り返り、振り返りながら、ゆるゆると登る斜面を歩む。
もう少しこの雰囲気を味わっていたくて、
少し左寄りに遠回りしてから稜線に出た。

佐目峠劇場と呼ばれる草原に立つと、
まさに劇場の幕は上がり、
御在所山と鎌ヶ岳がのびやかに対峙する舞台は、見飽きることはない。
そして佐目峠。
厳冬の一夜を思い出しながら、長閑な空気の中をイブネへ登る。

茫漠とした……そんな形容がふさわしいイブネの広い平頂に上がると、
踏み跡のそばの木に「イブネ1160m」の標識が取り付けられていた。
いつの間に、こんな手前まで「イブネ」が出張してきたのだ。

踏み跡をはずれ、短くなった笹を踏んで、
以前からのイブネ標識の横を通り、奥熊ノ戸谷の源頭部へ入る。
蛇行した小谷を横切り、目の前の小尾根に上がると、
イブネ、クラシ、銚子の三つのピークの中央に位置する、小さな丘に出た。
イブネ劇場オーケストラボックス。

缶ビールがプシュウと音を立て、うどん鍋の湯気が流れて、
ささやかな昼宴のソロ演奏会が始まる。
それにしても暑い日で、半袖でもいいくらいだ。
ビールを冷蔵してきてよかった。
生ぬるいとうまくないからね。
去年の今頃は雪が積もって、秋冬同時やったのに、今年は夏秋同時やな。
(その2に続く)




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94. 【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その2)
 2003年11月05日 水曜日 23時15分 柳川洞吹

(その1からの続き)
風に乗って人声が流れてきたので、顔をあげると、
イブネ北端付近から、
笹の斜面を一直線にこちらに向かってくる一団が目に入った。
「普通やないで……」とつぶやく。
間には小谷が一本ある。
何かの意図がなければ、普通はあんなルート取りはしないものだ。
一団が一旦谷間に姿を消し、再びこの丘の上に現れた。
おや、先頭に見覚えのある顔。
あれれ、緑水さんやないの。
久し振りの嬉しい出会いだ。
今日は某会の山行で、
地図に定規で武平峠から直線を引いて、そのとおり歩いて来たとのこと。
道理で普通じゃないはずだ。

丘の上は、
にわかに千客万来の賑やかなフルオーケストラ混声合唱団大演奏会となった。
やれ、うれしや、椎茸煮、厚揚げの煮物、サケトバ、ぶどう、粟おこしなど、
たっぷりお相伴にあずかる。
皆さん、ごちそうさまでした。

昼の宴も終わり、緑水さん一行が雨乞方面へ出発したあと、
身支度を整えて銚子へと向かう。
熊ノ戸谷の源頭部に入り、
あっちウロウロ、こっちウロウロと写真を撮ってから銚子に上がった。
もうすぐ2時だが、
気分は既に「暗くなってから降りたらええがな」モードになっている。

銚子の三叉路にあった永源寺町遭対協の「←杉峠(迷)」の遭難誘発標識は、
もう見当たらなかった。
あたりまえや。
のんびり歩きで銚子、イブネを後にすると、
再び佐目峠劇場に腰をおろし、ゆっくりとその雰囲気に浸る。

アゲンギョに戻ると、帰りは北谷の左岸尾根を降りることにした。
アゲンギョの台地から左岸尾根が張り出す根方で、
再び樹林の雰囲気に浸る。
ああ、なんていいところなんだろう。
だんだん陽の傾いてきた黄金色の樹林に、
鹿笛が何度も何度も物悲しく響き、心に沁みわたる。

左岸尾根に入った。
分岐を繰り返す細い急な尾根を、立木を掴みながら下って行くと、
掴んだ立木から黄金の木の葉の雨が、ハラハラと降り注ぐ。
突然、フゥーと鼻息が聞こえたので、身構えた瞬間、
イノシシ一家の四頭がドドッと走り去った。

最後の尾根分岐、
「こっち行ったら、どこらへんに出るんかな」と左を取ってみると、
急坂を滑るようにして、
雨乞岳西尾根の末端にある鉱山跡のすぐ上手、木橋のたもとに降り着いた。

日の暮れた千種街道を、ランプも出さずに黙々と歩く。
いい日だった。

                    洞吹(どうすい)







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101. Re:【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その2)
 2003年11月06日 木曜日 13時30分 緑水

静寂と孤独を愛する洞吹さん、えないな所での遭遇でした。
お昼しているなあ、お邪魔かなと一瞬おもいましたが勝手に足が動いていく、
こお言うのって、何かの力が引き合わせるのだろうなあ。

それにしてもイクチョの変わり方は凄いですね
どの様な力が働いているのでしょうか、
解明できたらノーベル賞ものかな。

冬が来ませんね、これ又泣く人がいることでしょう、
気候も人も狂ったのかなあ。

            緑水。




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106. Re2:【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その2)
 2003年11月09日 日曜日 22時36分 柳川洞吹

緑水さん こんばんは

パワフルな山行、皆さん元気いっぱいでしたね。
私は最近、遅起きで、ちんたら歩きの長昼メシ、
山に歩きに来てるというよりは、
山に沈没しに来ているみたいです。

イブネの笹も、
全く無いも同然みたいになってしまいましたね。
これが本来の姿なのか、再び笹が蘇るのか、
興味あるところです。

なかなか寒くなりませんね。
早く、キーンと冷えわたる朝が来て欲しい。

よい山旅を!
                洞吹(どうすい)





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103. Re:【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その2)
 2003年11月06日 木曜日 21時37分 山日和

洞吹さん、こんばんは。
そちらも結構「暗くなっても」だったんですね。(^_^;)
岩ヶ谷林道は通い慣れた道、闇夜でもヘッデンは不要でしょう。

イブネはずいぶん賑やかでしたね。知らない団体ならうるさいだけ
でしょうが、緑水さんが居ればこれもまた良し。久々の邂逅でしたね。

たまには南の方にも足を伸ばして下さい。

             山日和




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107. Re2:【鈴鹿】ちょっとイブネへお散歩に(その2)
 2003年11月09日 日曜日 22時36分 柳川洞吹

山日和さん こんばんは

>岩ヶ谷林道は通い慣れた道、闇夜でもヘッデンは不要でしょう。

へえ、要りませんでした。

>イブネはずいぶん賑やかでしたね。知らない団体ならうるさいだけ

知らない人ばかりだったら、
昼メシさっさと切り上げていたでしょうね。
緑水さんがいるだけで、全員お友達という感じでした。

>たまには南の方にも足を伸ばして下さい。

近々、台高にも行くつもりです。
でも、あまり通っていない山域なので、
初心者向けのバリエーションルートにします。

しかし、鈴鹿は(観念的に)奥が深い山域ですね。
大好きです。

よい山旅を!
              洞吹(どうすい)

2006/03/18(Sat) 09:21:09  [No.1979]


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