一括表示

【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根

鈴鹿市小岐須渓谷から、ヤケギ谷左岸尾根を宮指路岳に向かい、
県境稜線からイワクラ尾根、池ヶ谷道と辿る。

【山 域】 鈴鹿 宮指路岳、入道ヶ岳周辺
【日 時】 2003/11/22(土)
【天 候】 曇りときどき晴れ、一時、時雨やあられや小雪
【メンバー】 単独
【コース】 小岐須渓谷駐車地9:05---大石橋9:20---尾根取り付き9:35
---692m標高点10:10---855m標高点10:40/45
---県境稜線縦走路11:15---二重山稜(昼食)11:45/12:40
---イワクラ尾根分岐13:25---入道ヶ岳奥宮14:50/55
---池ヶ谷避難小屋16:05/15---駐車地16:50

小岐須渓谷へクルマを乗り入れるのは、3年ぶりのことだ。
今までも小岐須渓谷からの登路を計画した時には、
小岐須山の家から先の林道が、崖崩れで通行止めになっていることが多く、
何度も計画倒れに終わっていた。

今日も、山の家を過ぎるところに、
落石現場写真付きの「屏風岩300m先落石通行止」の看板が立っているが、
屏風岩まで入れるなら、後は歩いてもたいしたことはない。
屏風岩の手前で、
路肩が広くなったところにクルマを止めて準備をしていると、
宮指路岳へ登るのであろう十数名の高年パーティが通り過ぎて行った。

屏風岩前にも、同じ写真入りの通行止看板があり、
それを横目に歩いて行くが、
落石は既に取り除かれ、クルマは大石橋先まで入れる状況だった。
ただ、落石現場には、新しい落石が少し散らばっており、
崖の上を見ると、またいつ崩れてもおかしくないような感じなので、
乗り入れないほうが無難だろう。

今日は、前回好印象だったヤケギ谷左岸尾根の再訪が、目的のひとつだ。
大石橋からは、しばらく宮指路岳への登山道を歩く。
ヤケギ谷道とカワラコバ道との分岐をカワラコバ方面へ進むと、
登山道は小尾根を乗り越して隣りの谷筋へ向かうが、
その尾根を乗り越すところが、ヤケギ谷左岸尾根の取り付きだ。

宮指路岳へのメインルートであるヤケギ谷道の登山道は、
宮指路岳の東峰を回ってから宮指路岳へ登るように道がつけられているが、
このヤケギ谷の左岸尾根は、宮指路岳東尾根と言ってもよい尾根で、
宮指路岳へ直登する尾根だ。

下ばえのない雑木の尾根は歩きやすく、ところどころ急登はあるものの、
コバと階段状になっているので、比較的楽な登りだ。
静かな尾根を、ゆっくりと無心に登っていく。
足は一歩一歩着実に伸び上がり、手は木の幹を掴み身体を引き上げる。
ゆっくりと、ゆっくりと。
全身を使い、ただひたすら登り、登る。
リズミカルに動く身体は軽い。
頭の中は何も考えてはいない。
いいや、考えているのかも知れない。
何を?
ただ登ることだけ。

この感覚が好きだ。
快感なのだろう。
クライマーズ・ハイのミニ版か。
そんなたいそうなものではないが、脳の中では、
きっと脳内麻薬物質と言われるエンドルフィンだのドーパミンだのが、
ドバー、ドバーと、大量に放出されているのだろう。

藪のない尾根は、マーキングのテープ類も全くない。
すばらしいことだ。
すっきりしていて気持ちがいい。
ここはバリエーションの中でもあまり人の入らない、
マイナーな場所だと思うので、
だれか篤志家が掃除したあとに、汚し人が入っていないのだ。
あとで上部にひとつだけ古いテープがあったので、きっと取りこぼしだろう。

ピィーッ。
鹿笛が響く。
右の谷に、白いお尻を振ってシカが駆け降りて行った。
(その2へ続く)




--------------------------------------------------------------------------------

137. 【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根(その2)
 2003年11月24日 月曜日 00時00分 柳川洞吹
(その1から続き)
692m標高点を過ぎると、尾根は露岩まじりとなり、
ここからca800mにかけて数箇所の岩場が出てくるが、
変化があって楽しく登って行ける。

釈迦ヶ岳の北方にある岩ヶ峰の尾根や段木の尾根も、
なかなか変化に富んで面白く、大好きなのだが、
ただ残念なのは、登っている最中に八風射撃場の銃声がうるさいことだ。
気分良く登っているところに、
絶え間なく「バーン、バキューン」などと聞こえてくるので、
甚だしく興を削がれるのが難点だ。
その点、ここは静かなので、好ましい。

今まで晴れていた空が曇ってきたと思うと、
霧雨のような時雨が通り過ぎる。
岩場が終わると、855m標高点の露岩のピークに着いた。
北から東にかけての視界が開け、
正面に連綿と続くイワクラ尾根の先に盛り上がる入道ヶ岳、
その先に伊勢平野から伊勢湾、知多半島にかけての素晴らしい展望が広がる。
主稜線から吹いてくる風が強い。

白い砂ザレの鞍部を過ぎると、
木々を縫いながら、庭園のような平坦な台地上を進むようになる。
右側からコンヤ谷支流の源頭部がゆるゆると上がってきて、
5mほど下を、わずかではあるが水が流れている。
前回来た時は、ザーザーと音がするくらいの水流があり、
もう標高は900mで稜線も間近なのだが、
ここにこれほどの水流があるとは……と驚いたものだ。

その先、尾根は緩く右に曲がって登り始める左側に、
これまたヤケギ谷の源頭のひとつが登ってくる。
前回はここも充分な水流に驚いたが、今日は落ち葉が積もっていた。
すぐ緩い斜面が広がる樹林帯となる。
もう宮指路岳頂上台地の一角だ。
樹林を縫って進むこの尾根は、落ち着いた雰囲気の珠玉の一品だ。

風に乗って話し声が聞こえる。
朝の高年パーティが頂上にいるのだろう。
左手の高い方へ行けば、宮指路岳の三角点に出られるが、
本日は宮指路岳には用はない。
進路を右手に振って、県境稜線の縦走路に出た。
左へ行けば3分で頂上だが、右に取って北進する。

県境稜線は、冷凍庫から出てきたような冷たい風が、
まるでジェット気流のようにゴウゴウとうなって吹き付けていた。
裸になった木々の梢が、激しく揺れて、時折り小雪さえ舞う。
寒い。
今まで薄いラガーシャツ一枚で充分だったが、
それでは凍えてしまうので、
薄いフリースとジャケットを着て、百均のフリース手袋も登場だ。

小岐須峠を過ぎ、水沢峠へと続く縦走路を歩く。
人気(ひとけ)の少ないこの区間の縦走路は、大好きなところだ。
大きい丸い岩が谷の源頭にコロンと座っている仏谷峠を過ぎると、
これまた大好きな場所に着く。
ここはしばらく二重山稜になっていて、
完全に深いフナクボになっているものが、ふたつ連続している場所だ。

ここで昼食。いつものようにうどん鍋を開店するが、
フナクボの上の稜線を吹き荒れる強風がすさまじい音を立てている。
食事もたけなわになった頃、
ぐっと気温が下がりだし、にわかに暗くなったかと思うと、
パラパラパラと音を立てて、あられが降り出した。
すぐ止むのかと思えば、さにあらず、
どんどん降ってくるし、顔に当たると痛い。
「うわぁ、ワシが、ワシが悪かったぁ。謝る。
 謝るから堪忍してくれぇぇぇぇぇぇ……。やっ、止んだ。」
次の瞬間、日が差したかと思うと、再び時雨模様と目まぐるしく変わるので、
これでは昼寝や読書どころではない。
食後のコーヒーも省略したので、昼食休憩時間は1時間を切ってしまった。
珍記録だ。

食後は、久し振りのイワクラ尾根を辿り、
これまた用の無い入道ヶ岳の頂上を左手に眺めつつ、
奥ノ院から池ヶ谷道を降りる。
池ヶ谷の道を通るのは初めてで、
今日のもう一つの目的は、
この道の途中にある、ログハウス風の避難小屋を訪ねることだ。
コーヒーはそこで飲もう。

小屋は、建て替えて間もないようで、
外観はこじんまりしていて良かったが、
内部は木材の腐敗防止用のタールの臭いらしき石油臭が充満していた。
窓を開けたら少しましになったが、
コーヒーを淹れる気は失せてしまった。
ここで泊まるのはちょっと臭いが鼻につく。
木製の床部も風雨で汚れていて余りきれいではなかったし、
ちょっと残念。

日没と競走しながら下山。
暑くて、ラガーシャツ一枚でクルマに着くと、
外気温計は5度を指していた。

                    洞吹(どうすい)




--------------------------------------------------------------------------------

138. Re: 【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根(その2)
 2003年11月24日 月曜日 08時11分 緑水
柳川洞吹さん、こんにちは。ようこそ我が市のお山にです、涼しくなって脳は活性を取り戻しつつ有りますね。

>木々を縫いながら、庭園のような平坦な台地上を進むようになる。
>ここにこれほどの水流があるとは……と驚いたものだ。

此処は私んちから2時間ほどの地点、隠れた憩いの場なのです。
水線が稜線近くまで有り、春はドウダン、ヤシオ、ツツジ等々花は見事な所で、日当たりの良い隠れ屋敷、いつぞやはバリオフ会でたむろった場です。

>大きい丸い岩が谷の源頭にコロンと座っている仏谷峠を過ぎると、
>これまた大好きな場所に着く。
>ここはしばらく二重山稜になっていて、
>完全に深いフナクボになっているものが、ふたつ連続している場所だ。

此処も好いですね、シャラノキのコバ夏ツバキが沢山有ります。
生花はなかなか見ることができませんが、タイミング良ければ落花が地を飾りますね。
大岩一ノ谷右岸尾根を辿ると此処に来ますね。

>「うわぁ、ワシが、ワシが悪かったぁ。謝る。
> 謝るから堪忍してくれぇぇぇぇぇぇ……。やっ、止んだ。」

アッ、ザンゲしてるのだ、お父さんとして男として・・・・ですか。
これからの山行はテントが必需品ですね、ハイ。

またのお越しをお待ちしてます。

         緑水。

-- CMN v0.35β --




--------------------------------------------------------------------------------

145. Re2:【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根(その2)
 2003年11月25日 火曜日 01時19分 柳川洞吹
緑水さん こんばんは

>柳川洞吹さん、こんにちは。ようこそ我が市のお山にです、涼しくなって脳は活性を取り戻しつつ有りますね。

えへへっ、こっそりお邪魔してしまいました。
大石橋からは、久し振りです。

>此処は私んちから2時間ほどの地点、隠れた憩いの場なのです。
>水線が稜線近くまで有り、春はドウダン、ヤシオ、ツツジ等々花は見事な所で、日当たりの良い隠れ屋敷、いつぞやはバリオフ会でたむろった場です。

そうでした。以前、東海オフで使われたんですね。
ほんとに、いい尾根です。
春が素晴らしいのですね。
是非また、花の季節に訪れてみたいものです。

>アッ、ザンゲしてるのだ、お父さんとして男として・・・・ですか。

とにかく謝るだけで、アラレ攻撃から逃れられるなら、
安いものです。
ワルサしたらいかんよ!

よい山旅を!
                  洞吹(どうすい)




--------------------------------------------------------------------------------

141. Re:【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根(その2)
 2003年11月24日 月曜日 20時55分 山日和

洞吹さん、こんばんは。
この辺はノーマークでしたがなかなかいい所のようですね。
宮指路も入道も用無しというところが洞吹さんらしいですね。
(人の事は言えませんが^_^;)
昨日は2ヵ月ぶりに鈴鹿へ行きました。久し振りに帰ってくると
新鮮で、また違ったよさが発見できますね。

            山日和




--------------------------------------------------------------------------------

146. Re2:【鈴鹿】ヤケギ谷左岸尾根(その2)
 2003年11月25日 火曜日 01時20分 柳川洞吹

山日和さん こんばんは

>この辺はノーマークでしたがなかなかいい所のようですね。

バリエーションにしても、
雨乞〜銚子ヶ口〜御池岳などの中央山域と比べると、
このあたりは、余り顧みられない地域のような感じがしますが、
これが、なかなかどうして、
バリエーションの中でも人擦れのしていない、いいところですよ。
宮指路岳では、東海展望へ直登するヤケギ谷右岸尾根も、
面白いですね。

>宮指路も入道も用無しというところが洞吹さんらしいですね。
>(人の事は言えませんが^_^;)

まいど。(^^)d

>昨日は2ヵ月ぶりに鈴鹿へ行きました。久し振りに帰ってくると
>新鮮で、また違ったよさが発見できますね。

同感です。
鈴鹿は、ほんとに魅力的な山々ですね。
このシーズンは、鈴鹿にのめり込み、通い詰めてしまいます。

よい山旅を!
                 洞吹(どうすい)

2006/03/18(Sat) 18:00:25  [No.2000]


掲示板に戻る