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 霊仙山の東にひっそりとたたずむソノド。柏原道から時山へ長く尾を引くその稜線はシカの群れ遊ぶ美しい二次林に覆われていた。

【日 時】2003年11月23日(日)
【山 域】鈴鹿北部 霊仙山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】薮谷橋8:54---9:51高塚10:08---11:23ソノド11:40---11:56昼食地13:06---
 13:41薮谷峠---14:00薮谷14:12---14:36薮谷滝---15:33林道終点---16:10薮谷橋

 牧田川沿いに細長く伸びた集落。ここが時山である。いかにも山あいの集落らしいたたずまいを見せるここは美濃の国。いつもは近江と伊勢からしか登らない鈴鹿の山。なにか少し違った空気を感じたのは気のせいだろうか。

 前夜ひたすら地道を走ってここまで来た。やはり大阪からは遠い。
目が覚めると8時を回っていた。これはまずい。洞吹病一歩手前だ。
あまり食欲なく、コーヒー牛乳だけ飲んで出発。
 薮谷林道の入り口には真新しい「休猟区」の看板が立てられていた。ホッとした。この時期、鈴鹿北部の山でいちばん恐いのがハンターなのだ。
「霊仙山ハイキングコース」という標識まである。さあ出発と思ったところに銃声一発。区域外の発砲なのだろうがさすがにいい気持ちはしない。

 最初は林道終点まで進み、ソノドへ直接上がる谷を詰めようと思っていたのだが、右手に送電線巡視路がありそれを辿ってみることにした。尾根末端にあるお墓の横にも赤テープが付いていたのだが、植林帯のつまらない尾根だったら嫌なので敬遠したのだが。
 木の階段を上がって行くと植林が切れ、送電鉄塔が現われた。巡視路はここでおしまい。ススキを分けてさらに上を目指す。
 懸念していた鬱陶しい植林もヤブもなく、明るい二次林が続いた。
ブナやミズナラなどの大きな木はないが、標高の低いこのあたりは名残りの黄紅葉が陽光にきらめいて美しい。

 目の前をシカが2頭横切っていった。これ以降ソノドまでの間、何度もこの光景を目にすることになった。シカ達も休猟区の情報を仕入れてこちらに集まってきたのだろうか。鹿あそびはまだ先のはずだが。

 幾里谷出合からの尾根が合流する730mの標高点が高塚だ。
ここはピークというより二次林のコバと言う方が相応しい。太尾にも似た広がりを見せる尾根筋は、原生の森ではない鈴鹿の魅力が凝縮されているようだ。
 ここからソノドまでは、一旦140mほど下りて登り返すのだがあくまで緩やかに続くその尾根は鈴鹿らしさに満ち溢れている。

 Ca830mあたりでところどころに刈った枝が束ねて積んであった。伐採という感じでもないし、これは何のためなのだろう。
 右下に大きなヌタ場が見える。わずかに水が溜まっているが、これも雨の多い時期にはいい池になるのかもしれない。小規模な舟窪になったあたり非常にいい雰囲気である。

 ソノドまであとひと息というところで、尾根上に掘割り状の道形が現われた。古くからの峠道を思わせるその道は落ち葉の集積場となっており、フカフカの絨毯の上を歩いているようだ。
 やがて以前反射板があったという青い土嚢を積んだ場所を過ぎるとソノド山頂である。離れてみるときれいな三角錐に見えた頂上部は実際には標識がなければどこが山頂か分からない。
こんなマイナーな山には不似合いなほど立派な標識があった。

その2へ続く





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140. Re:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ その2
 2003年11月24日 月曜日 20時50分 山日和

 薮谷峠方面から単独者が現われた。同好の士かと思いきや、「こっちへ行ったら霊仙山ですか?」と仰る。一体どこから登ってきたのだ。
聞けば薮谷の林道終点から上がったらしいが地図を見せてもチンプンカンプン。薮谷を詰めてここへ下りた(と地図で谷山の三角点を指差してのたまう)と訳のわからない事を言っている。霊仙山ハイキングコースの標識につられてきたのだろうが、現在位置がまったくわかっていない。おまけに同行者とはぐれたようで、大声で叫びながら下っていった。

 昼飯の場所としてはちょっと閉塞感があるのと昨夜の雨で地面がジメジメしているのとでソノドの頂上は敬遠することにした。いい所があれば即座にザックを降ろす構えで北へ向う。
 前方から「おーい」という掛け声が聞こえてきた。さっきの連れやな。案の定2人組の登山者が現われた。
霊仙山を背にしながら「霊仙山はこっちですか?」 おいおい、またかよ。おそらく地図も磁石も持っていないのだろう。やはり先ほどのおっさんの連れのようで、向こうも探してましたよと教えてさしあげた。

 また現われた掘割り状の道を下り緩やかに登っていくと、あった。日当たりのいいコバが。「ここや、ここや」と腰を据える。
木の間越しに展望も利き、アンテナも立って言うことなしの食適地である。
 北を見ると伊吹の横遠くに白山が見えている。まだ真っ白とはいかず、今年は雪が遅いようだ。霊仙を眺めながらの日溜まりランチ。毎回同じパターンではあるが不思議と飽きることがない。

 薮谷峠を目指す。相変わらず続く素晴らしい二次林。
しかしP908へ上がると状況は一変した。尾根の左、薮谷側はものの見事に伐採され、霊仙の山頂台地が遮るものなく見えている。右側に残る二次林が救いだが、あまりにも殺伐とした風景。モヒカン刈りのように残された細い尾根を辿る。
眼下すぐに林道が走り、薮谷峠だったと思われる場所を切り裂いていた。
 草川氏の本によるとかつては古くからの道が通る美しい峠だったらしいが今はその面影すら感じることができない。

 薮谷へ向けてかすかに踏み跡があったのでこれを辿ってみたが、すぐに消えてしまった。
しかたなくザレた急斜面を慎重に下る。しかし伐木の堆積に阻まれやむなく左へトラバース。小さな尾根に乗った所で再び踏み跡が現われた。黄色いテープも付いている。下り始めをもう少し吟味すれば楽だったかもしれない。
 対岸を見るととんでもないガケの上をふたり歩いていた。ザックも持たず腰にカゴをぶらさげている。キノコ採りだろうか。ここから見るとえらい恐いところを歩いているように見えた。
 立ち木に掴まって転げるように薮谷の流れに降り立った。ここにもりっぱな道標が「時山 霊仙山」を示している。これは比較的新しそうだったが、どこに登山道があるというのか。

 ここからは薮谷の穏やかな流れに沿ってほとんど消えかかった踏み跡を進む。何度か流れを渡り下って行くと突然道がなくなり空間が開けた。薮谷滝だ。
15mくらいはあるだろうか、この季節にしては豊かな水量を落とす見ごたえのある滝だった。
ここは少しバックすると左山腹に巻き道があった。
 
 滝から下流は支谷が合流したわけでもないのに谷が大きくなった。
その名前とは裏腹に、まったくヤブっぽさはなくしっとりと落ち着いた佇まいのいい谷だ。

 ここで前方にまた先ほどの3人組(無事合流できたようだ。めでたしめでたし。)が登場。一体どこを下りてきたのだろう。渡渉地点で手間取っているのを横目に抜き去るとほどなく堰堤が現われ林道終点に到着した。

 ここから薮谷橋までの林道が意外に長かったが、現役の炭焼窯などもあり、すぐ横を流れる薮谷の流れ(見ようによっては芦生の中山付近に似ていないこともない)を見ながら退屈せずに駐車地まで戻ることができた。

                 山日和




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149. Re2:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ その2
 2003年11月26日 水曜日 00時38分 jin

>聞けば薮谷の林道終点から上がったらしいが地図を見せてもチンプンカンプン。薮谷を詰めてここへ下りた(と地図で谷山の三角点を指差してのたまう)と訳のわからない事を言っている。

いやあ全く恐れ入った人たちですね。
これも親切すぎる?目印、道標、氾濫するガイド本のせいですか。

> また現われた掘割り状の道を下り緩やかに登っていくと、あった。日当たりのいいコバが。「ここや、ここや」と腰を据える。

この春、洞窟騒動でソノドから続く尾根の根元辺りは何度か行きました。その時眺めた鹿アソビ付近の無惨な姿、その先に行く気がしませんでした。
でも、意外に良い所のようですね。参考にさせて貰います。

話は変わりますが、頑張り屋で詩人のとっちゃんともお知り合いのようですね。でも接点が?





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156. Re3:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ その2
 2003年11月26日 水曜日 12時47分 山日和

Jinさん、ご無沙汰です。

>いやあ全く恐れ入った人たちですね。
>これも親切すぎる?目印、道標、氾濫するガイド本のせいですか。

そうですね。こちらも参考にさせてもらってはいますが、あくまで自力で
登山を完結できる経験と能力がなければこういう山に来るのはどうかと
思います。そういう意味では西内氏の新しいガイドはあまりに親切すぎて
かえって危険を招くのでは、という気もします。

>でも、意外に良い所のようですね。参考にさせて貰います。

鹿あそびの手前まではとても雰囲気のいい二次林でした。あの伐採がこれ以上
進まない事を祈ります。

>話は変わりますが、頑張り屋で詩人のとっちゃんともお知り合いのようですね。でも接点が?

ひょんなことからたろぼうさんに紹介されまして・・・
今週末も台高に行く予定です。

ではまた落ち葉の絨毯のコバで・・・・

               山日和




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144. Re:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ
 2003年11月25日 火曜日 01時19分 柳川洞吹

山日和さん こんばんは

いいところだったようですね。
ソノド、シカ遊びなどは、懸案の宿題になっていて、
まだ訪問を果たせていないのです。

以前、白谷の林道から霊仙山の岩ノ峰に上がったとき、
時間が余ったので、
素晴らしいと聞いていたソノドを、訪れようとしたことがありました。
霊仙最高峰から経塚山、谷山とまわって行くと、
その先で、尾根筋が無惨にも完全伐採になっていて、
おやおやと思いながら辿り付いた藪谷峠とおぼしき場所で、
思いもかけない林道にぶちあたり、
クルマで来ていた人達が、弁当を食べていたのです。
疲れてきたのと、気持ちが萎えてしまったのとで、
ここで引き返して、谷山で、
霊仙山を眺めながら、お昼にしたことがありました。

ここから先が、核心部だったようですね。
この調子では、
ソノドあたりももう破壊されているのかと思っていましたが、
まだ、美しい二次林が残っているのですね。
これは、二番煎じで味わう必要がありそうです。
長い間、宿題になったままだしね。
でも、やはり藪谷橋のほうから行かないとダメですね。
霊仙山越えて行くのは、ちょっと長すぎました。
しかし、今度は、藪谷橋へ行くまでが遠いこと。

> 前夜ひたすら地道を走ってここまで来た。やはり大阪からは遠い。
>目が覚めると8時を回っていた。これはまずい。洞吹病一歩手前だ。

なあに、洞吹病など一度かかってしまえば、なんてことないですよ。
ゆっくり眠れて、気持ちよく朝を迎える。
素晴らしことじゃないの。

それにしても、ソノドあたりで「霊仙山はこっちか?」とは、
すごい人達がいるものですね。
この大胆さは、見習うべきものがありや?

ところで、話は変わりますが、
「南近畿」のコメント数が、「西関東」を抜きましたね。
なにがめでたいのかわからんが、とにかくおめでとう。
西関東の皆さん、ともにFYAMAを盛り立てていきましょう。

というところで、まだまだ鈴鹿通いは続きます……ですね。

よい山旅を!
                 洞吹(どうすい)




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147. Re2:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ
 2003年11月25日 火曜日 23時34分 山日和

洞吹さん、どうもです。

>ソノドあたりももう破壊されているのかと思っていましたが、
>まだ、美しい二次林が残っているのですね。

ほんとにいい尾根でした。あんなに長く二次林を味わえるところは
少ないのでは、と思いました。

>しかし、今度は、藪谷橋へ行くまでが遠いこと。

ホントホント、遠いですわ〜。鳩ヶ湯まで行けまっせ〜。(^_^)

>なあに、洞吹病など一度かかってしまえば、なんてことないですよ。
>ゆっくり眠れて、気持ちよく朝を迎える。

重症にならん内に治療せねば。手遅れになったらエライこっちゃ。(^_^;)

>この大胆さは、見習うべきものがありや?

いろんな人がいるものです。でも晴れてるからいいようなものの、ガスって
たら遭難予備軍かも・・・

>なにがめでたいのかわからんが、とにかくおめでとう。

いやぁ、めでたいめでたい。(^o^)丿

ではまた冬枯れの桃源郷で・・・・

             山日和




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150. Re: 【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ
 2003年11月26日 水曜日 09時02分 緑水

山日和さん、こんにちは。
今日は小春日和の良いお天気ですね。

> 霊仙山の東にひっそりとたたずむソノド。柏原道から時山へ長く尾を引くその稜線はシカの群れ遊ぶ美しい二次林に覆われていた。

こんな時の鈴鹿の二次林、日溜まり散歩に最高だ。
もう長いこと谷山、ソノド尾根訪れていませんです。
上幾里谷が競り上がる、国境へのあの素晴らしかった原生林はもう有りませんね。
ママコ穴辺りから藪谷峠への小径へは樹林は少し残って居るものの、
峠辺りは哀れしか無いのかです。巨大なブナの珍木に出逢えましたか。

浸食は藪谷の源頭まで達したと言うことならば、やがては白谷林道につながるのでしょうかね。五僧峠から谷山への尾根もタダのバカ尾根と成り、あの辺りは凄く良かっただけに寂しい限りです。

>ここにもりっぱな道標が「時山 霊仙山」を示している。これは比較的新しそうだったが、どこに登山道があるというのか。

以前は時山の子供達が遠足で霊仙山へに使った道、ワサビ畑もあり道標もしっかりしていたです。
時が過ぎて藪谷滝の道が危険となり遭難者も出たほどです。
今また復活したようですね。

高塚当たりは未だの地また訪れますです。

                     緑水。


> ここからソノドまでは、一旦140mほど下りて登り返すのだがあくまで緩やかに続くその尾根は鈴鹿らしさに満ち溢れている。

> Ca830mあたりでところどころに刈った枝が束ねて積んであった。伐採という感じでもないし、これは何のためなのだろう。
> 右下に大きなヌタ場が見える。わずかに水が溜まっているが、これも雨の多い時期にはいい池になるのかもしれない。小規模な舟窪になったあたり非常にいい雰囲気である。

> ソノドまであとひと息というところで、尾根上に掘割り状の道形が現われた。古くからの峠道を思わせるその道は落ち葉の集積場となっており、フカフカの絨毯の上を歩いているようだ。
> やがて以前反射板があったという青い土嚢を積んだ場所を過ぎるとソノド山頂である。離れてみるときれいな三角錐に見えた頂上部は実際には標識がなければどこが山頂か分からない。
>こんなマイナーな山には不似合いなほど立派な標識があった。

>その2へ続く

-- CMN v0.35β --




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155. Re2:【鈴鹿】静寂の二次林 ソノドから薮谷へ
 2003年11月26日 水曜日 12時41分 山日和

緑水さん、どうもです。

>上幾里谷が競り上がる、国境へのあの素晴らしかった原生林はもう有りませんね。

昔は良かったのでしょうね。
>浸食は藪谷の源頭まで達したと言うことならば、やがては白谷林道につながるのでしょうかね。五僧峠から谷山への尾根もタダのバカ尾根と成り、あの辺りは凄く良かっただけに寂しい限りです。

遠望ではつながっているように見えましたが、どうでしょうか。

>以前は時山の子供達が遠足で霊仙山へに使った道、ワサビ畑もあり道標もしっかりしていたです。
>時が過ぎて藪谷滝の道が危険となり遭難者も出たほどです。
>今また復活したようですね。

そんな感じでした。立派な道標がたくさんありました。
でも道は未整備のまま。特に薮谷滝より上は完全なバリハイです。

>高塚当たりは未だの地また訪れますです。

ぜひ行ってみてください。いい所ですよ。

ではまた陽だまりのコバで・・・・

                山日和

2006/03/18(Sat) 18:03:30  [No.2001]


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