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【鈴鹿】川のほとりで2003

川のほとりでの一夜。
心は雪の森に遊び、星の空を翔ける。

【山 域】 鈴鹿 愛知川上流域
【日 時】 2003/12/28(日)〜29(月)
【天 候】 12/28 曇りのち晴れ、12/29 晴れのち曇りのち雨
【メンバー】 単独
【コース】 12/28 朝明渓谷11:00---昼食12:20/40---根ノ平峠13:20/35
---川のほとり14:45
12/29 川のほとり13:35---根ノ平峠14:20/35
---朝明渓谷15:30

一瞬、小雪が舞うと、雲が流れて暖かい陽射しが戻った。
大きいザックを背負うと、身体がピリッと引き締まる。
そう、腰に乗るザックの重さが心地よい。
ゆっくりと歩き出す。
朝明渓谷の見慣れた景色だが、雪の風景はいい。

伊勢谷へは、真っ白な道が続いていた。
ここからは誰も歩いていない。
このあたり、雪はくるぶしまでと先週より少ないが、
それでも進むにつれて、膝下のラッセルになった。
雪の上をケモノ達の足跡が遊ぶ。

ただひたすらに雪を漕ぎ、自分の足跡を刻んで行く。
なあに、なんてことないさ。
疲れたら休めばいいのだから。

先週の休憩地点、堰堤の河原で昼食。
今日はおにぎりだから、昼食時間は20分で終わり。
まだまだ先があるからね。

根ノ平峠から先は、積雪量がグッと増える。
千種街道、タケ谷分岐までの雪笹地獄は、
去年は降りたての雪の重みで笹がからまりあっていて、
難渋したが、
今回は、先週と今週に降った雪で、
笹がほとんど押さえられていたので楽勝だった。

タケ谷道、重い雪の膝上ラッセルが続く。
下り坂なので体力はそう使わないが、
時間はやはり夏道の二倍以上かかる。

「川のほとり」に着いた。
雪を踏み固め、テントを張ると、お待ちかねのビールタイムだ。
周りは白い大地と裸の森。
雪の原を裂いて、「川」がシャラシャラと流れていく。

ビールを飲みながら文庫本を開いた。
椎名誠のエッセイ。
日の光はだんだんと力を失い、闇にこの森を明け渡す。
テントに入り、入口を開け放つ。
流れの音。風はない。
星の空、あれがオリオン……しかわからん。
ランタンの明かり。

本を読みながら、少しウトウトしたようだ。
ふと思う。
今、ここから歩いて2時間以内には、
自分一人しかいないのだろうな。

いつもここに来る。
「なぜ?」と聞かれたとしても、答えはわからない。
ただ、一人でいるこの時間が、
私には掛け替えのない安らぎなのだ。

「逃避ではないのか?」と問われたら、
「そのとおりだ」と答える。
全てのものから、束の間、逃げるために、
ここにいるのだ……きっと。

何も考えない。
何もしない。

目覚し時計の鳴らない朝。
テントの内側には霜が着いている。
テントの中に置いたコッヘルに氷が張っていた。
外は青空。
起き掛けにビールを一杯。
特別何をすることもない。
腹が減ったらメシを食い、眠たかったら眠ればいい。
そんな怠惰な一日。

暖かい陽射しを受けて暖まってきたテントで、
ウツラウツラしながら本を読む。
これは、私にとって最高のゼイタクなのだ。

もう24時間以上誰にも会わない。
おだやかな陽射し。
ほとんど無風。ときおり微風。
文庫本一冊読了。

ああ、もう行かなくては。
その瞬間、
川のほとりで掬い上げた時間は、
両の手を合わせた私の指の隙間から、
こぼれ落ちていった。

                 洞吹(どうすい)




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193. Re:【鈴鹿】川のほとりで2003
 2003年12月31日 水曜日 17時41分 山日和

 洞吹さん、こんばんは。
今年もいよいよ終わり、恒例の「川のほとり」で幕を閉じることが
できましたね。
 「何もしない」「何も考えない」とても大切な時間ですね。
最近はひとりで登る回数が減ってしまって、そんな時間がとんと少
なくなりました。ひとりで歩いている時は、何も考えていないよう
でいて、その実いろいろとしょうもない雑念が頭を通り過ぎて行き
ます。
 自分は何者なのか、どこへ行くのか。自己の内面の奥深く、思い
は思惟の海を泳ぎまわる。結論の出るはずもない答えを探している
自分の姿を見つけて立ち止まる。そんな貴重な時間をもっと大切に
しなければ、自分の存在意義さえ見失ってしまいそうな気がします。

 来年はもっといい山登りをしたいですね。よろしくです。
(天気の神様にもよろしくですね。^^;)

              
             山日和






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194. Re2:【鈴鹿】川のほとりで2003
 2004年01月01日 木曜日 01時11分 柳川洞吹

山日和さん あけましておめでとう

「川のほとりで」も、4回目になりました。
焚き火ができたのは、初回だけで、
以後は雪の中ばかりです。

テントの中で、目覚めたら10時というのもありますが、
「何もしない」山行なので、どうでもいいのです。
何かをしなければならない、時間に追われる、
そんなストレスを全く排除した山の日、
大切にしていきたいと思っています。

天気の神様、今年は週末晴れにしてや。
山日和さん、初詣は、
お賽銭入れて、ちゃんと拝まなあきまへんで。

よい山旅を!
             洞吹(どうすい)




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195. Re: 【鈴鹿】川のほとりで2003
 2004年01月01日 木曜日 20時19分 緑水

柳川洞吹さん、お天道様が復活の自転ですね。
時の流れは悠久でその一時の流れに身を置くと人で有ることを忘れます。
独り自然に包まれると霊気を感じることでしょう。

根ノ平リバーランド緑水の遊び場、今年は久しぶりの雪の原に成りました。
わざわざに泊まりにいくことは有りませんが、洞吹さんの信条に共鳴しますです。
最近は気迫が弱ったのか、川の畔より温泉のほとりが良くなって来てます。
またチョロチョロと出掛けますです。

                緑水。


-- CMN v0.35β --




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202. Re2:【鈴鹿】川のほとりで2003
 2004年01月06日 火曜日 02時43分 柳川洞吹

緑水さん こんばんは

送ったつもりのレスも、パソコンの中で冬眠しておりました。
亀レス失礼。

何もしない山行、ズボラの私にはピッタリきており、
毎年の年末行事になってしまいました。

自然の中に身を置き、ゆっくり、ボケーとしているのは、
気持ちいいですね。

さっぱりしたところで、新しい年を迎える。
今年もよろしく。

よい山旅を!
                洞吹(どうすい)

2006/03/19(Sun) 13:37:24  [No.2033]


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