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 当初は昨年敗退した横山岳の金居原からの尾根を目指していたが、滋賀県北部の天気は最悪の模様。そこで鈴鹿竜ヶ岳の登路の中で未踏の七ツヤマノ尾根からのバリルートへと転進した。

【日 時】2004年2月15日(日)
【山 域】鈴鹿 竜ヶ岳
【天 候】曇り時々雪
【メンバー】柳川洞吹氏、Y夫妻、とっちゃん、山日和
【コース】宇賀渓---七ツヤマノ尾根---中道---竜ヶ岳---裏道---宇賀渓

 七ツヤマノ尾根とは西尾本で紹介されている、宇賀渓の蛇谷とヨコ谷を分ける急峻な尾根である。上部で中道と合流するこのルートは中間部に岩場があるらしい。面白いか面白くないか、それは行ってのお楽しみである。

 宇賀渓の駐車場付近はほとんど雪がなく、2年前の正月にドカ雪でホタガ谷道の植林帯で鍋宴会だけして敗退したのが懐かしい。
到着直前までモチベーションを奪い去るような雨が降っていたが、いつしか小雪に変わりひと安心。

 谷道コースに入り、金山尾根の分岐を分け蛇谷の出合、五階滝で小休止。
さて、どこから取り付くか。少し進んで南東に伸びた尾根の鼻をまわりこむあたりが傾斜も緩く、登りやすそうだ。
ところがボーっとしていたのか、いつの間にか中道と長尾滝の分岐まで来てしまった。
仕方がない。右手の斜面に取り付いて、落ち葉の上にうっすらと雪の乗った最高に滑りやすいルートを四輪駆動で上がっていく。

 潅木の斜面が終わり、やっと尾根の形が現われた。
西からは轟々と強風が吹き荒れている。樹林帯だからいいものの、吹きっさらしの山頂が思いやられるような風の音だ。
 尾根に乗ってからもお世辞にも快適とは言えない潅木帯が続いた。
ザックに付けたピッケルが木に引っかかり、そのたびに後ずさりしたりかがみこんだりして余計なエネルギーを消費させられる。

 ヨコ谷側にガレ場記号のある所で展望が開けた。
空は重たい鉛色だが、意外に視界は良好。西に石榑峠の無線中継所が見える。
 
 しばらく傾斜の緩んだ尾根を進むと、左前方に小ピークがのしかかるように見え、そこへ続く尾根上には積み重なるように岩稜が立ちはだかった。
右は樹林帯の急斜面、左は谷とどちらも切れ落ちている。
ルートは正面のチムニー状しかないが、ホールドも十分あり短いので簡単にクリア。続く岩場も大したことはなく、あっさりと核心部は終わってしまったがそれなりに楽しめた。
下部の潅木帯が鬱陶しいだけに、この岩場はいいアクセントになっている。

その2へ続く




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309. Re:【鈴鹿】烈風、モノトーンの竜ヶ岳 その2
 2004年02月19日 木曜日 19時56分 山日和

その1から続き

 急登を終え傾斜が緩むと雰囲気が一変した。なだらかなコバ状の緩斜面には鈴鹿らしい二次林が広がっていた。
 よく締まって部分的に氷化した雪面に新しいパウダーが積もって、ラッセルと言うほどのこともない快適な歩行だ。
 左側に大きく空間が開けたと思ったら、そこが中道との合流点だった。
そこに立つ看板には今たどってきたルートが旧蛇谷登山道の一部だったことを示している。
 左の空間を覗くと、雪で隠されてはいるものの、ヨコ谷源頭の凄まじい崩壊地と林立する堰堤、谷を切り裂く林道が痛々しい。

 この穏やかなコバでもそこそこ風が吹いているということは、山頂まで上がれば恐らく食事どころではないだろう。
 衆議一致してランチタイムとする。

 最近はすっかり定番となったスコップを使ってのテーブル作り。
とにかく寒いがこんな時でも絶対にビールは欠かさない。
時折地吹雪が舞い、みんなうわーっという声を上げるがこんな状況でも楽しそうにしているのは、山に登らない人には理解できないだろう。
 とっちゃんがやたらブクブクと膨れているので聞くと、アウターの下にダウンを2枚重ねしていると言う。寒がりにもほどがあるというもの、さながら着膨れ姫だ。
 Yさん自慢のガスカートリッジ保温グッズは一向に効力を発揮せず、失敗作に終わってしまったようだ。
 みんな吹きつける雪で顔面花咲じじい状態になりながらも笑顔で鍋をつついている。

 もう2時だ。まだ山頂への登りを残しているというのにゆっくりし過ぎてしまった。
 この中道は歩いたことがなかったのだが、こんなにいい二次林があるとは知らなかった。
 樹林帯を抜け、無雪期なら茫漠としたササ原も今はすべて雪の下となったさえぎる物のない山上台地に出た。
強烈な風に体があおられる。地吹雪で顔を風上に向ける事ができない。

 やっと竜ヶ岳頂上到着。この時期に山頂にいる時間ではなくなってしまった。記念撮影だけしてそそくさと下山開始。当初は金山尾根を下りるつもりだったが、安全策でホタガ谷一般道に変更する。
 視界が利かず、どこがルートなのか判然としない。掘り込まれた道の上に積もった新雪がおぼろげな一条の筋となっていることでそれとわかる。

 山腹をトラバース気味に歩いていると、目の前に大きく開けた緩い谷の源頭に突き当たった。
「これがホタガ谷やな。」鳩首会談で検討するが、ホタガ谷源頭にしては谷の落ち込みが早過ぎるように思う。
「ちょっと待ってて。源頭のコルまで行って確認してくるわ。」とひとり偵察に向かった。
 源頭に立つと、見覚えのある風景。県境三叉路のすぐそばだった。やはりこの谷は蛇谷だった。安易に下りていったらえらい目に遭うところだった。
 
 もう一度登り返して今度はほんとのホタガ谷源頭。やはり谷の広がりが違う。ホワイトアウトと言うほどでもないが、視界の利かない雪山の怖さを改めて思った。

 トレースの消えたホタガ谷道を下り宇賀渓に着く頃には夕闇も迫り、すっかりおなじみの時間になってしまっていた。

                 
                山日和





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310. Re2:【鈴鹿】烈風、モノトーンの竜ヶ岳 その2
 2004年02月19日 木曜日 22時26分 柳川洞吹

山日和さん みなさん こんばんは

雨が雪に変わって、よかったです。
七ツヤマノ尾根は、変化があって楽しめる尾根ですね。
無雪期の竜ヶ岳三重県側は、この尾根を定番にさせてもらいましょう。

>時折地吹雪が舞い、みんなうわーっという声を上げるがこんな状況でも楽しそうにしているのは、山に登らない人には理解できないだろう。
> みんな吹きつける雪で顔面花咲じじい状態になりながらも笑顔で鍋をつついている。

この日の昼食時の天候は、
今までの昼食の中でも、最悪のシチュエーションでしたが、
みんなで雪のテーブルを囲んでいるので、
アルミ鍋が飛んでいかないから、よかったです。
鍋がなかなか沸騰せず、コンロの防風グッズにはお世話になりました。
ひとりやったら、風のないところへ降りるまで、
食事はおあずけのパターンですね。

> 樹林帯を抜け、無雪期なら茫漠としたササ原も今はすべて雪の下となったさえぎる物のない山上台地に出た。
>強烈な風に体があおられる。地吹雪で顔を風上に向ける事ができない。

せっかく持っているのだから……と、目出帽をかぶりましたが、
これがまた快適でした。
顔がホコホコ暖かいんだ。頬が凍らずにすみます。

> 山腹をトラバース気味に歩いていると、目の前に大きく開けた緩い谷の源頭に突き当たった。
>「これがホタガ谷やな。」鳩首会談で検討するが、ホタガ谷源頭にしては谷の落ち込みが早過ぎるように思う。

その直前に通り抜けた樹林帯で判断して、
(これは記憶違いによる誤判断だったのですが)
これでクラに出たと思い込んでいました。
そしたら、前はホタガ谷やないか……と。
違うと言うけど、合ってるんじゃないかと思いながらしばらく進んで、
県境三叉路の標識を見たとき、さすが、頭の中がゴ〜ンと鳴りましたね。
視界のないときの雪山の恐ろしさです。
しみじみ味わいました。
「思い込み」ほどコワいものはないと。

これが、もしひとりやったら、
地形図、コンパス、歩行距離の見積もりを総合して五感動員し、
もっと頻繁に現在位置の同定を試みてはいたでしょうが。
すべてを自分ひとりの力量で処理し、その結果も自己責任……
とはなりにくい、団体行動の心理的間隙を突かれたような気がします。
くだけて言えば、
ある程度他人まかせで、ええ加減に歩いておったということ。
これ、私の反省点ですね。

ともあれ、山日和さんのおかげで、
蛇谷に下降せずに済みました。
もし降りたら、様子が違うのに気付いたでしょうが、
そのときには、稜線は遥か彼方に……
お疲れさまでした。

よい山旅を!
                洞吹(どうすい)




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313. Re3:【鈴鹿】烈風、モノトーンの竜ヶ岳 その2
 2004年02月20日 金曜日 00時09分 山日和

洞吹さん、こんばんは。

>無雪期の竜ヶ岳三重県側は、この尾根を定番にさせてもらいましょう。

金山尾根もよろしいでっせー。

>ひとりやったら、風のないところへ降りるまで、
>食事はおあずけのパターンですね。

悪条件でも食事を楽しめるのがパーティーのいいとこですね。
ひとりだったら冗談も言えないし、笑うわけにもいかないし。
(地吹雪のなかひとりニタニタしてたら気持ち悪いですね^^;)

>せっかく持っているのだから……と、目出帽をかぶりましたが、
>これがまた快適でした。
>顔がホコホコ暖かいんだ。頬が凍らずにすみます。

持ってるのに持って行かない・・・ガックリ。

>「思い込み」ほどコワいものはないと。

その通りですねー。今まで数多く経験してますが、懲りませんね。

>ある程度他人まかせで、ええ加減に歩いておったということ。
>これ、私の反省点ですね。

人数がいるとつい陥りがちなワナですね。洞吹さんとふたりの時は
私も結構まかせっきりであまり地図を見ませんが・・・

>そのときには、稜線は遥か彼方に……

時間が時間でしたし、登り返すのにかなりの精神的エネルギーが必要
だったでしょうね。よかったよかった。(^_^)

ではまた越美の雪稜で・・・・

               山日和




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315. Re: 【鈴鹿】烈風、モノトーンの竜ヶ岳 その1
 2004年02月20日 金曜日 10時14分 緑水

山日和さん、皆さんこんにちは。
今日はその日とは大違いの良い天気ですね。
皆さんとワーワ楽しかったでしょう、身体引っ付けてこんな時に女性が居るのは嬉しいですね。
この前のサンデーとの宇賀歩きで七ッ山の取り付きを探しました。
報告ですとなかなかに良さそうな所ですね。

>左側に大きく空間が開けたと思ったら、そこが中道との合流点だった。
そこに立つ看板には今たどってきたルートが旧蛇谷登山道の一部だったことを示している。

金山尾根から蛇谷を渉り、この尾根に取り付くきつい登りだ。同じきつさなら七ッ山が好いですね、このルートもやがてメジャーになる事でしょう。

>最近はすっかり定番となったスコップを使ってのテーブル作り。

好いですね、人が猿と違うところは道具を使う所に有る。道具は人を助けますね、次はソリをお持ち下さいませ。

>「ちょっと待ってて。源頭のコルまで行って確認してくるわ。」とひとり偵察に向かった。やはりこの谷は蛇谷だった。安易に下りていったらえらい目に遭うところだった。

昔十代の頃、同じように蛇谷に降りた、あの時リーダーは蛇谷と知ってたはずだ。若かった男女数名はキャッキャッ騒ぎながら後に続いた。
それもつかの間、雪は割れて胸まで沈む右に左に逃げて、金山尾根に辿り付いたときは満天の星空だった。
それから三岐の駅まで歩き家に帰ったのは最終電車で、お袋が泣いて怒ったのを思い出しました。
あの時歩いた何人かの人はもう居ない、白い天地のない時にボ〜ッて立ってるカモよ。
 
>なじみの時間になってしまっていた。

終わり時間はお早めにです。     

                 緑水。








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318. Re2:【鈴鹿】烈風、モノトーンの竜ヶ岳 その1
 2004年02月21日 土曜日 12時22分 山日和

緑水さん、どうもです。

>この前のサンデーとの宇賀歩きで七ッ山の取り付きを探しました。
>報告ですとなかなかに良さそうな所ですね。

下部は潅木がちょっと鬱陶しいですが、まあまあ面白いと思います。

>好いですね、人が猿と違うところは道具を使う所に有る。道具は人を助けますね、次はソリをお持ち下さいませ。

スコップを使い出すとなしではやっていけませんね。
お滑りグッズはいつも持参していますが、緑水さんのような箱ソリはちょっと・・・
>それもつかの間、雪は割れて胸まで沈む右に左に逃げて、金山尾根に辿り付いたときは満天の星空だった。

以前お聞きしましたね。想像するだけでも寒い情景です。

>終わり時間はお早めにです。     

初めはそのつもりなんですが・・・

ではまた春の気配の雪原で・・・・

              山日和

2006/03/19(Sun) 19:21:23  [No.2074]


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