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念願の尾根縦走・・・台高(明神平〜野江又の頭)

歩いてみたかった尾根であった。今日は田植えであるが、明日は行こうかどうしようかと、その間も悩んでいた。
今の体調ではたしてメンバーに迷惑にならずに歩けるのか?今、歩かなければいつ歩けるかもわからない。二つの思いの狭間で拮抗する気持ちを振り切って、「参加させてもらいます。」とメールを送った。
一昨年の秋は16Kのリュックに体がしなった。その時、自分の体重の3/1が限界だと聞いたが、それをオーバーしていて、その後一週間は背中じゅうが痛かったのを思い出す。
今はもう、前と同じ体の状態ではない。できる限りの軽量化を図って、テント・スリーシーズン用シュラフ・シュラフカバー、鍋、ガス、食料を含めぎりぎりの12kに抑えた。
じんじんさんと、大又で仲間を待つ。隊長・なっきーさん・こうたろうさんが車を江馬小屋谷に置いてきてくださって到着。

夏を思わせる強い陽射しを受けて歩き始めるが、暑さに今日はバテそうだ。けれど花好きなこのメンバーと一緒の山旅は、花があれば撮影タイムがあり、そのたびに体も気持ちもリフレッシュして次の一歩を踏み出せる。

明神谷沿いの登山道脇には、ハシリドコロ・ニリンソウ・ヒトリシズカ・ヤマエンゴサクなどの花が咲いている。明神滝の手前で見つけた、ワチガイソウの小さな白い花は、おしべのアクセントが効いて可憐で好きな花の一つである。ちょっとした、花との出会いが、みんなの喜びとなり、みんなの気持ちを一つにしてくれる。

「ほらほらイチリンソウが数株、蕾を膨らませているね。」「山芍薬の蕾があるよ。」花談義に花を咲かせながら、テント装備のリュックを担ぐ疲れをだましだましみんなで歩くうちに、お昼ご飯用の水場に到着。登山道脇で豊富な水が得られるのは、なんともありがたいことだ。

ひとがんばりで、明神平に登りつく。バイケイソウの緑の葉が、明神平に彩りを添えている。浅い緑の芽吹きの季節ならどんなに綺麗だろうかと想像していたが、ブナがまだ芽吹きを迎えていないのが残念である。

お昼ご飯は笹ガ峰あたりでと思っていたが、早や12時も過ぎており、前山の手前のブナの木陰で、それぞれにガスに火をつけ、ラーメンや飲み物を作る。

まだまだ、縦走は始まったばかりで先は長い。軽いザックで快調に歩いたという人の山行記には、明神〜池木屋、片道4時間と書かれてあった。テント装備で花見歩きであれば、その1.5倍はかかるだろう。もう1時となれば、池木屋には午後6時〜7時になるだろう。なんとか、明るいうちに着きたいものである。

明神岳(1432m)から笹ガ峰へは、12月のぬけるような青空な中、霧氷のブナ林を友と歩いた。初めて明神に来た友は気に入って、下山後この冬にもう一度行きたいと言った。笹が峰へ続く尾根は、ブナの謳う気分のいい尾根で、何回足をふみいれても心を包んでくれる。

また来られたことに感謝しながら、歩く足元にあけぼのすみれ菫の紅紫の花、色を変え薄紅色の菫の花が咲き続く。気分のいい笹が峰(1367m)の山頂で休憩し、千石峰(奥の迷峰)(1380.3m)へと下る途中昨夜は池木屋の奥の二股付近でテント泊をしたという親子連れ4人の方に出会った。「笹が峰はまだですか?」「もう少しですよ。」ほほえましい家族の姿だった。

「ヒメイチゲの花。」「ほんと、ちっちゃな白い花をつけている。」よほど気をつけていないと見逃してしまうが、一輪見え始めると次々に見つかる。花との出会いはいつもそんなふうだ。

奥の迷峰で尾根をそのまま進むと、奥の平谷に下ってしまう。この場所は間違え易いようだが、分岐にはテープがいくつも巻かれて注意をうながしている。

東へ向かう尾根に入らず南に大下りで鞍部についた。奥の平谷の源頭で、今晩と明日の朝の水を汲もう。
水場の表示があるが、谷の流れはちょろちょろと少なく僅かな流れを汲み上げる。

隣の尾根はすこぶる展望がよい草原となっている。「鹿に見えない?。」ツゲの木がまるで鹿の形に刈り込んだように立っていた。ここは、まさにテントを張って、ぼーっと時を過ごすのにいい場所である。今はなんとか水があるが、水場は夏には枯れてしまうのではないかと心配だ。

疲れた体に増えた水の重みを実感しながら、コクマタ山(1394m)への登り返しだ。山桜の花に励まされて一歩一歩登る。石楠花はまだ蕾だ。コクマタ岳の登りの展望のいい所から、振り返り越し方を眺める。

山頂は展望もなく一休みしたあと、みんなの疲れも見えて、適地があればテントを張ろうと下る。千里峰手前で、5張のテントを何とか張れる場所を見つけ、今日はここで泊まることになった。

山岳会なら、テントは共有装備で、それぞれに部品を分け持つところであるが、花旅のメンバーはいつも5人それぞれに一張づつのテントである。独立独歩でありながら、仲間との集いを楽しむスタイルといったところか。

野菜たっぷりうどん鍋、香草ウインナ、焼きそば、なっきーさんが苦労して持ち上げてくれた知多牛の焼き肉等、みんなが持ち寄った食材を分けあいながら楽しい語らいの夕べがある。

明日に備えて体調と足の状態を整えなければと、まだ8時過ぎではあるが一人テントに戻る。テントの向こうの友たちの語らいをうつつに聞きながら、いつしか眠りについていた。

雨はなんとか待ってくれたようで、静かな曇り空の朝が明けた。それぞれにテントの中で朝の食事をとり出発だ。千里峰には北股林道への矢印が書かれていた。以前下った尾根はここからだったのかと、とても懐かしい思いがした。

あの時はたしか奥の平峰から霧降山の間に、ジキタリスが咲いていた。霧降山は伐採の山頂で潤いはないが展望が開けている。今日は、曇り空、あの時の展望はなく残念である。

小屋池の湿地の辺りのゆったりとした広がりが好きだ。心地よいその辺りは、ブナが美しい。水の枯れた池の辺にはムシカリの花が咲き始め、そこかしこにワチガイソウの小さな花が、咲いていた。

ゆっくり写真をとった後、池木屋の山頂に登りついた。ここから県境縦走路を離れ野江股の頭への縦走となる。山頂から宮の谷へ下る登山道をほんの少し下りすぐに分かれて東尾根の踏み跡に入る。県境縦走路と比べるとやはり踏み跡は薄い。

ミツバツツジの花が鮮やかに咲いている。焼山ノ尾との分岐あたりは方向確認が必要である。ここにも目印のテープが注意をうながしてくれていた。

1223mピーク辺りの大和谷側の斜面はまるで荒廃した、寒々しい風景を見せていた。なぜここまでになったのだろうか、植林伐採のせいであろうか。人の手が荒涼とした斜面を作り出してしまったのだろうかと、屍のような倒木と切り株の残骸を横たわらせている尾根に立ち斜面を眺めては、心が痛い。

水越への下りは北へ方向を変える。やがて雨が降りだし雨具を着る。尾根を下るうちに霧が広がり視界も悪い。振りすぎてしまったと気づき軌道修正。もし一人ならドキドキものだ。

水越でお昼の水を調達する予定であったが、バイケイソウの生えた水越谷の源頭には、少しの水の溜まりがあるだけで流れはなく、どんどん下らないと、流れがでない。
支流を分けても水がなく、水は諦めパンで食事をとる。隊長とこうたろうさんはもう一つの谷の分岐まで下って水を汲んできたようだ。水場と一口に言ってもいろんな水場があるものである。

野江股の頭に向かっての登り、尾根芯を少し登りかけると、誰が書いたのかトラバース道の表示があり、テープがあった。誘われるようにたどっていくと、野江股の頭の手前で野江股谷左岸尾根からの尾根が合流する所に出た。野江股谷右岸から左岸に橋を渡り左岸尾根を巡った時通った場所である。

こうして縦走をしてみると、かつて歩いた道に出会うたび、その時々の思い出が胸に蘇り感慨深く、その時共に歩いた友たちの思いやりを思った。

やがて、大好きな野江股の頭についた。この山は、山日和さん、洞吹さんと三人で始めて歩いた山である。shigekiさん、たろぼうさんは都合で参加できなくて残念だったが、あの時は2時間ものんびりとここで過ごした。

倒れてもなお大きく枝を天に伸ばす頭のシンボルツリーにまた逢えて嬉しい。あなたには、いつも勇気をもらう。その木にふれずにはいられず、挨拶をする。「やっと来たね」。とあなたは言う。「ありがとう、あなた。」と心で答えた。

ブナの木を巡り江馬小屋谷への分岐の尾根のピークに向かって歩く。展望の岩にアケボノツツジが霧に包まれて咲いていた。やがてやわらかな気持ちが広がっていく。

霧の中に浮かぶナンの木平の老木は、今日も私を迎えてくれた。そしてその大きな懐で黙って私を包んでくれた。

2005年4月30日(土)5月1日(日) 
同行者・・・隊長、じんじんさん、こうたろうさん、なっきーさん

4月30日(晴れのち薄曇り)
大又林道終点(10:05)〜明神平(12:30)〜(12:40)前山手前昼食(13:10)〜明神岳1432m(13:25)〜笹が峰(13:53)〜千石山北峰(14:33)奥の迷峰小休止(15:03)〜水場〜コクマタ山(赤倉山)(17:00)〜千里峰手前でテント泊(18:00)

5月1日(日)曇り後雨
テント場(7:00)〜奥の平峰(7:25)〜霧降山〜(8:05)小屋池撮影休憩(8:35)〜池木屋山1360m(8:40)〜東尾根P1332(9:30)〜(11:10)水越で給水・昼食(11:55)〜野江又の頭1239m(13:12)〜ナンノ木平(13:55)〜江馬小屋谷林道終(15:30)

隊長・こうたろうさん・なっきーさん車の配送ありがとうございました。じんじんさん車に同乗させてくださってありがとうございました。自分一人では歩けない縦走を楽しくご一緒させていただき感謝します。
翌日には、リンパ液が溜まり腫れあがって病院通いとなりショックを受けましたが、それでも歩けたことがそのことを越えて嬉しかった。

2005/05/11(Wed) 23:04:04  [No.210]


tottyannこんばんは。ロング縦走コースお疲れさまでした。
このルートは通して歩いたことがなく、一部はいまだ未踏です。
水の補給には苦労したようですが、重荷を担いで歩いた甲斐があったでしょうね。
縦走の果てに出迎えてくれた野江股のブナ、感慨もひとしおだったことでしょう。
良き友と歩く良き山。よかったですね。

                   山日和

2005/05/12(Thu) 22:19:27  [No.211]


山日和さん、こんばんわ〜。

>ロング縦走コースお疲れさまでした。

 力量も体力もないのですが、仲間に助けられなんとか歩くことができました。病を得るということで、自分を支えてくれる人のあることのありがたみが身にしみます。somabitoさんにも、写真葉書のエールを送ってくださるとありがたいです。

> このルートは通して歩いたことがなく、一部はいまだ未踏です。

台高超初心者ですが、通して歩くことで以前に友と歩いた思い出をつなぎつなぎ歩くことの喜びも得ることができました。

> 水の補給には苦労したようですが、重荷を担いで歩いた甲斐があったでしょうね。

水場のありがたみは、テント泊でよくわかりました。

> 縦走の果てに出迎えてくれた野江股のブナ、感慨もひとしおだったことでしょう。

はい、野江股は大好きな山ですし、あのブナの木にはいつも励まされます。終点が野江股だったので、感慨深い縦走となりました。

> 良き友と歩く良き山。よかったですね。

山のフォールムの皆さんとの山、計画したいですね。                    

2005/05/15(Sun) 20:02:38  [No.215]


こんばんは、田んぼに山と紫外線対策は万全ですか。
緑水、酷い雪焼けでお面つけてるみたいです。

波長の合った同好仲間との山旅は楽しかった事でしょう。
若い頃の山岳会と違い各自それぞれのスタイルで参加好いですね。
しっかりと連帯しながら余り干渉しない、一人テンは落ち着きます。

>5人それぞれに一張づつのテントである。独立独歩でありながら、仲間との集いを楽しむスタイルといったところか

明神平から迷い峯のブナ林はいつの季節も好い、
ブナの木肌、ブナの枝振りに葉を透かすみどりは心を和ましますね。

好い山旅をです。      緑水。           

2005/05/12(Thu) 23:34:01  [No.213]


緑水さん、こんばんわ〜。

>田んぼに山と紫外線対策は万全ですか。

元々、くろんぼうさんの私ですが際限なしに日焼けするので、無駄とは知りながら一生懸命日焼け止め塗っちゃっています。

> 緑水、酷い雪焼けでお面つけてるみたいです。

見てくれだけでなく、強い紫外線は健康上皮膚に悪いので、予防してくださいね。

> 波長の合った同好仲間との山旅は楽しかった事でしょう。
> 若い頃の山岳会と違い各自それぞれのスタイルで参加好いですね。
> しっかりと連帯しながら余り干渉しない、一人テンは落ち着きます。

 体力が無いので、誰かと共有のテントもありがたいのですが、熟睡できないので一人もいいです。花好き仲間なので、のんびり歩けてありがたいです。

> 明神平から迷い峯のブナ林はいつの季節も好い、
> ブナの木肌、ブナの枝振りに葉を透かすみどりは心を和ましますね。

ほんとうにいいですね〜。豊かな気分に浸れて大好きです。
          

2005/05/15(Sun) 20:11:16  [No.216]


tottyann こんばんは
なんで横文字になっとるんかな。

> 歩いてみたかった尾根であった。

そうなんです。
ワシも歩いてみたい尾根なのです。
計画は暖まっているのだ。
蓮から桧塚の東の尾根へ登って、
明神岳、池木屋山、野江又の頭とぐるっと周って江馬小屋出合へ降りる一周コース。
ちょっと林道歩きはあるけど、クルマ1台でOK。

> ここは、まさにテントを張って、ぼーっと時を過ごすのにいい場所である。

こういうのは、いいですねえ。
考えただけで、動くのがいやになります。
乾杯!で沈没。

> やがて、大好きな野江股の頭についた。

ここは、何度行ってもいいところですね。
また行ってみたくなりました。

よい山旅を!
                       洞吹(どうすい)

2005/05/17(Tue) 22:54:25  [No.219]


洞吹さん、こんばんわ〜。

> なんで横文字になっとるんかな。

新人の可愛い子やったらよかったでしょ〜。期待はずれでごめんね。
気分を変えてみました。というか、改名しようかしらん。毎回違う名前やったらややこしいやろなぁ〜。それもいいかも。

> 蓮から桧塚の東の尾根へ登って、
> 明神岳、池木屋山、野江又の頭とぐるっと周って江馬小屋出合へ降りる一周コース。
> ちょっと林道歩きはあるけど、クルマ1台でOK。

それはいいね!。こちらは、回送に1時間以上かかっちゃったからね。


> こういうのは、いいですねえ。
> 考えただけで、動くのがいやになります。
> 乾杯!で沈没。

洞吹にいちゃんならしそうやね〜。いつものように、椎名さんの本読んでごろりんかな。

この続きも行きたいんだけど、フォーラムのメンバーで計画しない?

2005/05/17(Tue) 23:37:44  [No.221]


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