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  【大峰】残雪の稲村ケ岳 投稿者:矢問(やとう)
【大峰】残雪の稲村ケ岳 (画像サイズ: 480×640 167kB)

【行き先】大峰・稲村ケ岳(1725.9m)
【期 日】2006年3月21日(火)
【メンバー】矢問 単独
【コース】 母公堂−法力峠−稲村小屋−稲村ケ岳(ピストン)

http://homepage1.nifty.com/komachans/yama4/inamura.htm

以前、工事していたゴロゴロ水の所は綺麗な駐車場もできていた(300円)。

6:30
1台も車が停まっていない母公堂前の駐車場(500円)に停めて、右手にある登山口から
スタート。登山道に雪は少ないが稲村小屋から先は油断が出来ない。12爪アイゼン、ワ
カン、ロープ、ピッケルを持って行くことにした。

この道を昔々から修行者は何人ぐらい通ったのだろう。海外の某女性人類学者は日本の文
化を「恥」の文化と言っていた。初詣でも商売繁盛や家内安全を祈り、めでたいことの祝
いはするが、「罪を告白して許しを請う」とか「懺悔する」という事はせず、「恥」とし
て覆い隠す事が多いと言っていたような事を思い出した。だから「生け贄」のように罪を
命で償うようなことは日本人には理解できないとかなんとか・・。(不確かな記憶(^^;))
でも奥駆けでの修行では「懺悔 懺悔 六根清浄」と声を出して奥駆けをされている。
この「懺悔」は西洋の「懺悔」とは別のものなのかな・・・とかいろいろ思いを巡らせな
がら一人静かな登山道を歩いた。
雪が残る登山道に先行者の足跡が出てきた。僕より早く五代松鍾乳洞の方から来たのか。
それとも昨日の足跡か。1人ではなさそうだ。2〜3人かな。

7:20
法力峠。最近では、2003年1月に佐野さん、いるかさん、MICKEY、ナイトンと観音
峰からの下山ルートでここを通ったことを思い出した。
ここから10分ほどでトタン小屋。そこからは植林帯から自然林に変わり大日山が見える。
崩れた谷間を渡る。崩れやすいところの大抵は鉄の橋がついているがついていない所も。
「うわっ・・・」大きな熊の足跡! いくつも出てきたが、左斜面上へと消えていった。
新しい水子地蔵がある。その次の鉄の橋は斜め向きにつぶれていて後ろ斜面を通る。
カチンコチンの氷面で慎重に通過するも「うわっ!」と滑ってイナバウワーポーズ。

8:35
稲村小屋。誰も周囲にいなくてひっそりとしている。通過して登りにかかる。
尾根筋になり正面に大日山が見えてきたあたりの登山道でアイゼンを装着し、ストックを
ピッケルに持ち替えた。風が冷たく帽子をかぶり防寒に雨具の上着と手袋もつけた。

9:15
大日山の左横の斜面トラバースが始まる。1人通ったような小さな足跡がある。
この大日山は、小山伏さん達と2000年に神童子谷を遡行したときに登ったことがある。
今日の目標は「稲村ケ岳」なので、大日山を登るのは1人じゃコワイし今日はパス。
気合いを入れてトラバーススタート。ピッケルのスピッツェをしっかり刺し、滑落に注意
するが実にコワイ斜面だ。下までズーッと見える斜面。こういうのは苦手(^^;)。

1人通ったような、足の三分の一程度のつっこんだ足跡は同じ所を2人ほどいった感じ。
僕もそこへ足を入れるが雪が凍っている所と緩んでいるところがあり、実に緊張する。
前方で呼び合ってる声がするが姿が見えない。トラバースをしばらく進むと右上に2人の
人影が見えた。ロープをはって1人が大日山に登ろうと取り付いているようだ。
僕がトラバースしている地点にその登攀者の氷や雪塊や小さな落石があり気が気でない。
鞍部に着いた。「おはようございます」鞍部には2人。大日山に取り付いているもう1人
の姿は見えない。「大丈夫か〜」と鞍部の2人は上に大声をかけるが声は無し。

この鞍部から先は誰の足跡もない斜面が続く。拡大してきた地形図を再度確認し「お先に」
と腹をくくって進む。ズズッと滑るのはアイゼンについたダンゴのせいだ。雪ダンゴをこ
まめにピッケルでたたき落とさないと滑落する。「落ちてたまるか」緊張が続く。

9:30
トラバースが終わった。右手に見上げるような尾根に続く斜面。ピッケルで叩くが凍って
いてカチンコチンだ。「どうして登ればいいのやら・・」とコワイ斜面の下を見てしまう。
ピッケルバンドに手を通し、ピックをガツンと凍った斜面に刺してシャフトをしっかりも
って、アイゼンの出っ歯を凍った斜面に差し込み慎重に体重を移動させ慎重に登攀する。
尾根にある剣の塔にドンピシャで出た。ここからはシャクナゲの痩せ尾根づたいに進む。

9:50
稲村ケ岳の三角点にタッチし展望台に登る。素晴らしい展望。樹氷が桜のように見える。
昼食にはあまりに早いので、展望を楽しみ写真を撮りまくった。

下山にかかり剣の塔のところまで来たら下から僕のトレース通りに先ほどの3名が登って
きている。途中ですれ違うことは不可能な斜面なので待つことにした。
「疲れた〜。この登りもきついなぁ。」3人は写真を写しに来たらしい。写真の器材が背
負子に満載だ。「大日山は登れましたか。」と聞くと「だめ、だめやったわ〜」とのこと。
3人が終わって下ろうとするとまた1人。単独行のようだ。「夏道とえらく違いますね」
と。斜面の雪が緩まないうちにあのキレットのトラバース地点を通過したいので慎重に下
った。登るよりも下りはコワイ(^^;)雪塊が斜面を滑り落ちていく。

10:30
「やっとトラバースも終わる」と思ったそのとき「カーン」とピッケルが雪の下の岩には
ねかえった弾みでバランスが崩れて思わずのけぞった。「ムムッ」と踏ん張って足が浮く
のを防いだ。「危なかった・・・」足が浮いていたら滑落していただろう・・。ホッ。

稲村小屋手前でアイゼンをはずして小屋へと下っていくと別の3〜40代の男性3人組が
休憩していた。「山頂へ行けましたか」「大日の横を通過できましたか」と聞かれ「今も
4人が山頂にいますし、もうトレースもつきましたよ。慎重に行けば可能と思います」と
話し、僕は「ここでラーメンでも作ろうかな」と思っていたがお腹も空いていないし、ゆ
っくりとした歩調でそのまま先へと進むことにした。

登ってくるときに苦労した凍った斜面の2カ所はアイゼンをつけて通過。ラクチン。
中年の男性1人が登ってきた「ワカンは要りましたか」「要らなかったですよ」。
次に軽登山靴のご夫妻連れがアイゼンを手に持って登ってきた。次に男性の単独者。
そして最後に空身のような軽そうなナップザックの女性1人が「アイゼンが要りますか」
「絶対に要ります。ありますか」「持っています」といいつつすれ違った。が、ストック
もピッケルも無い様子だ。あのトラバースや斜面の登攀と下りはあの装備ではきっと無理
であきらめるだろう。トップで着いた山頂から下ってきて、これで11人とすれ違ったが、
装備からみて全員は山頂には行けないだろう。
「雪の稲村ケ岳」は決して甘く見てはいけないと思う。

11:35
法力峠。休憩がてら座り込んで、パン2つを食べた。静かで気持ちいい。

12:20
下山完了。「温かいコーヒーでも飲んでいきなさいよ(^^)」と母公堂の左の小屋から出て
きたおじさんに声をかけられた。「なれた人はこの賽銭箱に500円入れていくんだけど、
初めてかい」と、コーヒーを用意してくださった。さらにぼんち揚げまで。
鹿が増えて困ったことや、あめのうおや兎が減ってしまったことなど、いろいろとお話し
してくださった。芦生の講習会で京大の教授や村の人から学んだ鹿や野草の変化を話すと
「ホーッなるほどなぁ。いい話しを聞かせてもらった(^^)」と喜んでくださった。
この周辺のお話しを聞かせて頂けコーヒーやお菓子まで頂き、500円の駐車料金は安い!

洞川温泉(510円)で汗を流して帰路についた。早い時間で温泉もたった5人だ(^^)
下市町の栃本あたりの斜面は梅の木が沢山あり満開状態。カメラマンが何十人もいた。
車でWBCの経過を聞いた。日本がキューバに勝っている!優勝だ!。世界一だ!

2006/03/21(Tue) 21:30:08  [No.2136]


矢問さん、こんばんは。
最近はひとりづいてますね。(^^ゞ

雪の稲村は何度訪れたでしょうか。何回行ってもいい山です。
今は小屋も立派になってしまい凄いトイレまでできた山上辻ですが、私が初めて行った
33年前は山上辻に出たところにまだ山上辻小屋(かなりボロボロでしたが)がありまし
た。吉野から歩いてきて2泊目がその小屋でした。その小屋でひとり泊まって母親に作っ
てもらった牛肉の味噌漬けで晩飯を作ったことを思い出します。
そんなことは覚えているのですが、大日のトラバースがどうだったのかぜんぜん覚えてません。(^_^;)

> 「雪の稲村ケ岳」は決して甘く見てはいけないと思う。

その通りですね。夏の延長線上のイメージで安易に入って大日の斜面で愕然とするパタ
ーンが多いようですね。

                     山日和

2006/03/22(Wed) 00:16:10  [No.2139]


  Re: 【大峰】残雪の稲村ケ岳 投稿者:矢問(やとう)

山日和さん、こんばんは(^^)。

> 最近はひとりづいてますね。(^^ゞ
いやホンマ(^^;)

> 雪の稲村は何度訪れたでしょうか。何回行ってもいい山です。
山日和さんや円の亡者さん、DOPPOさんの過去の報告の記憶はしっかりありますので
「一人で行けるかなぁ」とこわごわ(^^;)

> 33年前は山上辻に出たところにまだ山上辻小屋(かなりボロボロでしたが)がありまし
> た。
そうでしたか! エアリアマップに山上辻小屋ってあるのに、どこなのかなぁと
毎回思っていました。さすがよくご存じ(^^)


> その小屋でひとり泊まって母親に作っ
> てもらった牛肉の味噌漬けで晩飯を作ったことを思い出します。
めちゃ、いい話ですね(^^)

> そんなことは覚えているのですが、大日のトラバースがどうだったのかぜんぜん覚えてません。(^_^;)
山日和さんはコワイ物無しだから、屁でも無かったのですよ、きっと(^_-)

> その通りですね。夏の延長線上のイメージで安易に入って大日の斜面で愕然とするパタ
> ーンが多いようですね。
ありゃ、僕の苦手な斜面です f^_^;ポリポリ 

2006/03/22(Wed) 23:03:36  [No.2141]


  Re: 【大峰】残雪の稲村ケ岳 投稿者:とっちゃん(こと)

矢問さん、こんばんわ〜。(*^_^*)

稲村ケ岳は二度しか行ったことがありません。一度は稲村小屋で一泊をしてのゆったり登山、もう一度は沢登りで。

冬の稲村ケ岳は経験がなく、いつか機会があれば行ってみたいなぁと思ってます。レポ参考にさせてもらいますね。

今回も、ミッキーさんはご一緒じゃなかったんですね。ミッキーさんとの山レポは、とって読んでいて楽しい気分にさせてくれて大好きです。

もう梅が満開なんですね。毎年、月ヶ瀬の梅は家族で見にいきますが、今年はまだ行ってません。例年より花は遅いようですが、庭の梅は綺麗に咲いています。

春の花はいいですね〜。

2006/03/23(Thu) 01:53:09  [No.2142]


  Re: 【大峰】残雪の稲村ケ岳 投稿者:矢問(やとう)

とっちゃん、こんばんは(^^)

> 稲村ケ岳は二度しか行ったことがありません。一度は稲村小屋で一泊をしてのゆったり登山、もう一度は沢登りで。

おおっ、2度も行ってますか(^^)。

> 冬の稲村ケ岳は経験がなく、いつか機会があれば行ってみたいなぁと思ってます。レポ参考にさせてもらいますね。
一人で行ったらアカンよ〜。斜面通過とそのあとの斜面登攀の判断がいります。

> 今回も、ミッキーさんはご一緒じゃなかったんですね。ミッキーさんとの山レポは、とって読んでいて楽しい気分にさせてくれて大好きです。
先先行ってしまうので、分岐や山頂でしかほとんどしゃべる機会はないし単独行とかわんないけどね(^^;) ありがとう(^^)

> もう梅が満開なんですね。毎年、月ヶ瀬の梅は家族で見にいきますが、今年はまだ行ってません。例年より花は遅いようですが、庭の梅は綺麗に咲いています。
もう天満の駅のそばは桜も咲いていますよ。

天気が悪いこの前の日曜に、2冊の本を読みました。
1.「山は真剣勝負」山田哲哉著 東京新聞出版局 1400円 を読みました。
   山行で前夜泊の時に、かつて佐野さんや山日和さん、こまくささん桜井さんにい
   ろいろ教えていただいた事が満載の本でした。
   2003年から2004年に「岳人」に載っていた文の加筆ものですが、再度読
   んでもためになりました。
2.「ドキュメント 道迷い遭難」羽根田治著 山と渓谷社 1600円 も読みまし
   た。
   ハイキングからアルプスの道迷いと生還者のドキュメント記事で当事者の心の動
   きと迷いのきっかけが実に興味深く、自分にもこんな葛藤の場面は幾度かあった
   なぁ、人ごとではない、紙一重だなぁと一気に読みました。

天気の悪い日はこんな本を読んで気を引き締めるのもいいものです(^^)
その後に、この稲村ケ岳へ行ったのですが、車のラジオでも遭難のニュース。
慎重に行動しました(^^)

2006/03/23(Thu) 19:17:07  [No.2148]


矢問さん、横からこんばんは。(^_^)

> 天気が悪いこの前の日曜に、2冊の本を読みました。
> 1.「山は真剣勝負」山田哲哉著 東京新聞出版局 1400円 を読みました。
> 2.「ドキュメント 道迷い遭難」羽根田治著 山と渓谷社 1600円 も読みま
>した。

私も最近買った2冊です。\(^o^)/

                   山日和

2006/03/23(Thu) 20:42:33  [No.2149]


  Re:読書 投稿者:矢問(やとう)

山日和さん、こんばんは(^^)。

> 私も最近買った2冊です。\(^o^)/
山日和も買ったの〜(^^) 山日和さんは一杯知ってるのにえらいなぁm(..)m
またいろいろ教えてくださいね。

しかし、「ドキュメント 道迷い遭難」でも、熊って良く出くわすんだなぁ(^^;)・・と。
犬の目とは違って、すごく目が光るように書いてあって、よけいにコワイ・・・

明日からの通勤時は「山の遭難 生きた、還った セルフレスキューの秘訣」
東京新聞出版局 1600円 を読みます(^^)

2006/03/23(Thu) 23:18:05  [No.2152]


  Re: 【大峰】残雪の稲村ケ岳 投稿者:とっちゃん(こと)

矢問さん、こんばんわ〜。(*^_^*)

> 一人で行ったらアカンよ〜。斜面通過とそのあとの斜面登攀の判断がいります。

そうやね〜。トラバースは経験と判断・技術がいるね。恐怖心は少ないんだけど、それがかえって危ないなぁ〜と自分で自覚してます。
誰か同行者がみつかったら、来年にでも行ってみます。

> 天気が悪いこの前の日曜に、2冊の本を読みました。

> 1.「山は真剣勝負」山田哲哉著 東京新聞出版局 1400円 を読みました。
>    山行で前夜泊の時に、かつて佐野さんや山日和さん、こまくささん桜井さんにい
>    ろいろ教えていただいた事が満載の本でした。
>    2003年から2004年に「岳人」に載っていた文の加筆ものですが、再度読
>    んでもためになりました。
> 2.「ドキュメント 道迷い遭難」羽根田治著 山と渓谷社 1600円 も読みまし
>    た。
>    ハイキングからアルプスの道迷いと生還者のドキュメント記事で当事者の心の動
>    きと迷いのきっかけが実に興味深く、自分にもこんな葛藤の場面は幾度かあった
>    なぁ、人ごとではない、紙一重だなぁと一気に読みました。
>
> 天気の悪い日はこんな本を読んで気を引き締めるのもいいものです(^^)

そうやね。山に行きたい気持ちが勝っちゃうけど、雨はある意味心が落ち着くし、普段よめない本をゆっくり読むのもいいね。

> その後に、この稲村ケ岳へ行ったのですが、車のラジオでも遭難のニュース。
> 慎重に行動しました(^^)

そうですね。最近遭難のニュースが多いね。他人事じゃないし雪山に入る以上注意しなきゃいけないね。
もっと勉強します。また、色々教えてくださいね。

2006/03/26(Sun) 19:09:33  [No.2155]


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