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【奥越】煌めきの縫ヶ原山 (画像サイズ: 1000×750 110kB)

【日 時】2006年3月25日(土)
【山 域】奥越 荒島岳南方 縫ヶ原山周辺
【天 候】快晴
【メンバー】柳川洞吹氏、とっちゃん、山日和
【コース】真名川ダム7:00---9:51持篭谷山10:00---10:27 P1209M---11:47縫ヶ原山
     13:45---14:42下降点---15:59下部林道16:10---16:50真名川ダム



 3度目の縫ヶ原山である。前2回は天気が悪いというわけではなかったが、パノラマ全
開の青空の下でランチタイムとはいかなかった。
前夜の満天の星空が約束してくれたように、今日は間違いなく100%、ドピーカンの予報
だ。大野方面の谷間越しに荒島岳と経ヶ岳が頭を覗かせている。

 真名川ダムの上の道はきれいに除雪されていた。どこまでと思ったら、ダムを渡って
すぐに除雪終了、雪上の人となった。先行者の車が1台止まっていた。
200mほど先の左手に杣道が上がっている。このあたりは日当たりがいいのか雪も消え消
えで、ジグザクを切って100mも上がればゆったりとした雪尾根に乗ることができる。
ここから緩やかに高度を上げていく幅広の尾根は自然林に覆われてまったく素晴らしい
の一語に尽きる。
一面の雪原がゆるゆると続く疎林はどこを歩くのもまったく自由である。
木漏れ日が降り注ぐ朝の森に、イカルやシジュウカラの鳴き声がマッチして実に爽やか
だ。
 
 3人3様、好きなトレースを付けて進む。雪質はワカン不要。ツボ足でビブラムのパタ
ーンがうっすらと残る程度の理想的な堅さである。が、あまりにも被写体が多過ぎてペ
ースが上がらない。
 ミズナラ主体の林からブナが目立ち始めた。右の谷側へ向けて大木が数本立ち並ぶと
ころがあり、全員思わずカメラを向ける。

 Ca920mの広い台地で荒島岳の堂々とした姿が目に飛び込んできた。でかい。
眼下の大野盆地の向こうに連なる白い峰々は、越前甲から浄法寺山へと続く山塊であ
る。
高々1000mあまりの浄法寺山もまだ完全に雪に包まれており、さすが福井の山だと思わせ
る。

 今日初めての登りらしい登りをこなすと木立が切れ、一面の雪原となった。
展望は早くも全開である。持篭谷(もっかだに)の向こうに縫ヶ原山の壁のような稜線が
浮かんでいる。
 持篭谷山への最後の登りはやや雪壁状となる。除雪終了地点に止まっていた車の持ち
主のものだろう、アイゼンの跡が現われた。
アイゼンを履くほどでもないので、サイドキックステップで上がって行った。

 1120.1mのこのピークは無木立の雪のドームとなっており、展望は360度。
正面の荒島は言うに及ばず、白山もその神々しい姿を現わした。
来し方を振り返れば銀杏峰が大きい。
 これから進むP1209mへのラインも美しいが、荒島岳から長く尾を引く南稜のダイナミ
ックな稜線に心を奪われた。とっちゃんが荒島へ行こうと提案した。
以前から目を付けていた荒島岳への縦走路が手招きをしているようだが、下山してから
車に戻るのが大変だし、今日はそのつもりもしていないのでピッケルを置いてきた。
今度は配車してじっくりと取り組もう。

 夜間はかなり冷え込んだので雪もいい状態だったが、気温がぐんぐん上昇して早くも
緩み気味である。と言ってもワカンを付けるほどでもない。
 P1209mは荒島岳南稜とのジャンクションにあたるピークである。稜線上の小ピークだ
が展望は抜群。ここで初めて荒島谷側を望むことができる。
心惹かれる南稜を背に、縫ヶ原山への稜線を進む。尾根の左側は崩壊しかけの雪庇が連
続して危ないので、モッカ平寄りにルートを取る。

 頭上にはまさに「抜けるような」青空が広がっている。
青というのは不安の色のはずだが、空の青さはなぜこんなにも心を浮き立たせてくれる
のだろう。

 前方から話し声がする。このルートを行ったのは単独者のはずだが。
休んでいるとふたり連れが現われてしばし話し込む。
ひとりはアイゼン跡の主だったが、もうひとりは我々の下山予定の西尾根経由で来たと
言う。長靴にワカンといういかにもこのあたりを歩きなれた風である。気温が高いとは
言え半袖Tシャツ1枚だ。
いろいろ話すうちに、「登ってみねの福井の山」を発行している福井山歩会のMさんだと
いうことがわかった。越前甲の近くのみつまた山のふもとに山小屋を持っていて、宿泊
は自由でマキも使い放題だから泊まりにおいでと言われた。
アイゼン氏からは明日山の会で越前甲に登るから泊まっていって一緒に登ろうと誘われ
る。
Mさんは降水確率20%以下なら必ず山に入るらしく、年間山行日数はなんと180〜200日だ
というから驚きだ。
数年前のベルグラの瓜生氏といい、本の著者とよく会うものだ。

 ブナ林の広がる広大なモッカ平を右に見て、縫ヶ原山への最後の登り。
無木立の急斜面に太陽の光がきらきらと煌めく。あと少し。
これを登りきれば何が待っているかはわかっている。わかってはいても胸の高鳴りを抑
えることができない。
 山頂直下。一部分だけ雪が巨大なスプーンでえぐられたような窪みができていた。
横の雪壁は5mを越えている。その窪みを歩いて「雪の大谷」気分を味わう。

 頂稜に出た。三坂谷側の空間の5mくらい手前に雪面に薄く亀裂が入っている。
何気なく足を踏み入れると腰まで落ち込んでしまった。抜け出して中を覗き込んだら底
なしだ。危ない危ない。ここは無雪期には空中なのだ。
稜線の風下側にできた雪の楼閣の上に立っているのだ。本来の地面はおそらく10m以上下
だろう。

 その亀裂ラインをまたぐようにして山頂に立つ。南側の展望が一気に開け、越美国境
稜線上の山々が万里の長城のように果てることなく連なっている。
銀杏峰の左には先週の桐ヶ平、岳ノ谷が見えて感慨ひとしおである。
 やはり青空はいい。初めてここを訪れた時のレポでは、高曇りの空の下「これ以上何
を望むというのだ。」と書いたが、それ以上のものがここにはあった。
 「歩く登山地図」の本領を発揮して山座道程にいそしむ。
別山から銚子ヶ峰、大日への稜線の向こうに北アルプスがわずかながら顔を出し、乗
鞍、御岳ははっきりと姿を現わしている。

 さあ、メシだ。この天気、この眺望の中で乾杯し、メシを食う喜びに浸る。
3人とも頬が緩みっぱなしである。もう何度も何度も見ている景色なのに、なぜか飽きる
ことがない。 
山に在る喜び。
雪はもっさりした平凡なヤブ山を美しい名山に変えてしまう魔法使いである。
奥越の静かな雪山に佇んで思う。
「山高きが故に尊からず。人少なきを以って尊しとする。」

 あまりにも素晴らしい山頂を満喫し過ぎて、気が付くと2時間も経っていた。
時間的には余裕があるものの、そろそろ行かなくては。
 例の亀裂に注意しながら持篭谷側斜面をトラバースして進む。左の三坂谷側は雪庇の
崩壊跡が凄まじい落ち込みを見せ、近付くことができない。
正面に銀杏峰を見ながら、ほとんど高度を下げないような緩やかな雪尾根を漫歩する。
この尾根を歩いているとモッカ平の大きさが実感できる。南面をそぎ落としたようなこ
の尾根と、対照的にゆったり広がるモッカ平のギャップ。
地形図で初めて見た時に心惹かれてここへ来たいと強く思ったのだ。

 下りは1091m標高点の先から持篭谷側へ下りて、尻セードを楽しもうという算段であ
る。
稜線から一気に滑り、広大なブナ、ミズナラの森に降り立つ。この森も素晴らしい。
さすがにがぼり始めたのでワカン歩行に切り替えた。
 子供のヒップスキー用の遊具は摩擦係数が低く、スピード感満点である。ただしスピ
ードが出過ぎるのでしっかりした制動技術がないと危ない。ワカンを履いた方がスピー
ドをコントロールしやすい。
 何度か林道を横切るが、ハーフパイプ状になったところもあり面白い。
洞吹氏が止まりきれずに林道にジャンプする場面もあった。
何本か超快適な滑りをこなしてやがて林道に到着。
目の前で「ブヒッ」という鼻息が聞こえた。一瞬クマかと思ったが、カモシカが身じろ
ぎもせずにこちらを見つめていた。カメラを構えた瞬間に走り去ってしまった。残念。
残雪の林道を歩き、身も心も満足して車に戻ったのは珍しくまだ5時前だった。

                    山日和

2006/03/27(Mon) 01:50:44  [No.2158]


山日和さん お早うさん

またまた好い遊びを堪能なされましたですね
モッカ平 何年か前にレポに惹かれて 取付きを探索したところ
思い返しました 

> 越前甲の近くのみつまた山のふもとに山小屋を持っていて、宿泊は自由でマキも使い放題だから泊まりにおいでと言われた。

これも好い情報です 隅に入れておこうです

> さあ、メシだ。この天気、この眺望の中で乾杯し、メシを食う喜びに浸る。
3人とも頬が緩みっぱなしである。もう何度も何度も見ている景色なのに、なぜか飽きることがない。

真から好きなんですね 疑う事を知らない 疑問を感じる事もない 幸せの一時ですね
 
> 子供のヒップスキー用の遊具は摩擦係数が低く、スピード感満点である。ただしスピードが出過ぎるのでしっかりした制動技術がないと危ない。

(^^)おもちゃ持参でしたか 楽しみは工夫により広がりますね

25日は身延山、七面山に偵察でした
しだれ桜は3分咲き しだれ柳も芽を覚まして微笑んでた
26日はイベントで 長年の思い一区切りつきましたです
レポ刺激を受けて サア出かけよう残雪の青き稜線へです

                   緑水。

2006/03/27(Mon) 08:22:43  [No.2159]


Re: 【奥越】煌めきの縫ヶ原山 (画像サイズ: 1000×750 263kB)

緑水さん、どうもです。
いいところは何度行ってもいいものですね。3度目にして初の快晴で新たな感激
がありました。

> > 越前甲の近くのみつまた山のふもとに山小屋を持っていて、宿泊は自由で
マキも使い放題だから泊まりにおいでと言われた。
>
> これも好い情報です 隅に入れておこうです

カギをかけてあるので事前に連絡を入れて下さいということでした。
必要ならば連絡先教えますよ。(^_^)

> (^^)おもちゃ持参でしたか 楽しみは工夫により広がりますね

スキーのできない身としてはこれが雪山最大の楽しみと言えるでしょう。(^^ゞ

> 25日は身延山、七面山に偵察でした
> しだれ桜は3分咲き しだれ柳も芽を覚まして微笑んでた

遠征づいてますねー。

> レポ刺激を受けて サア出かけよう残雪の青き稜線へです

まだまだ楽しめますよ。(^_^)

                     山日和

2006/03/27(Mon) 23:20:13  [No.2165]


山日和さん お疲れさま

雲ひとつ無い、文字通りの無風快晴。
最高の日和でしたね。
堂々と聳える荒島岳を筆頭に、周りを取り巻く越美国境、加越国境、奥越の山々、
それに加えて、白山、御岳、乗鞍、北ア、中アの大展望。
もう頭の中がトロトロです。

>  頂稜に出た。三坂谷側の空間の5mくらい手前に雪面に薄く亀裂が入っている。
> 何気なく足を踏み入れると腰まで落ち込んでしまった。抜け出して中を覗き込んだら> 底なしだ。危ない危ない。ここは無雪期には空中なのだ。

この亀裂は不気味でしたね。
表面が雪に隠されているヒドンクレバス状で、はまり込んだら背丈を超えて落ちていく。
単独行でこいつに落ちたら、おしまいですね。

> 山に在る喜び。
> 雪はもっさりした平凡なヤブ山を美しい名山に変えてしまう魔法使いである。
> 奥越の静かな雪山に佇んで思う。
> 「山高きが故に尊からず。人少なきを以って尊しとする。」

その通り!
「3000mの喧騒より、1000mの静寂を愛す。」

>  あまりにも素晴らしい山頂を満喫し過ぎて、気が付くと2時間も経っていた。

2時間なんて、あっという間でした。
いつまでも、ここにいたかったです。

>  何度か林道を横切るが、ハーフパイプ状になったところもあり面白い。
> 洞吹氏が止まりきれずに林道にジャンプする場面もあった。

尻セードは雪山イベントの華ですなあ。
これが楽しみなんですわ。
このときは、「あっ、斜面が切れてる」と思った瞬間、ジャンプして林道に着地していました。
ちょっとしたスリルでしたね。

> 残雪の林道を歩き、身も心も満足して車に戻ったのは珍しくまだ5時前だった。

わたしゃ、ゲップが出そうに充分満足でした。
よい山旅を!

                                洞吹(どうすい)

2006/03/27(Mon) 22:18:54  [No.2161]


Re: 【奥越】煌めきの縫ヶ原山 (画像サイズ: 1000×750 148kB)

洞吹さん、どうもです。お疲れさまでした。

> 雲ひとつ無い、文字通りの無風快晴。
> 最高の日和でしたね。

雲ひとつないと言いながら、たいていはひとつふたつ浮かんでいるものですが、
この日はまったくの青空でしたね。今年一番の快晴でした。

> 堂々と聳える荒島岳を筆頭に、周りを取り巻く越美国境、加越国境、奥越の山々、
> それに加えて、白山、御岳、乗鞍、北ア、中アの大展望。
> もう頭の中がトロトロです。

何度見ても見飽きることのない眺めですね。(^_^)

> この亀裂は不気味でしたね。
> 表面が雪に隠されているヒドンクレバス状で、はまり込んだら背丈を超えて落ちていく。
> 単独行でこいつに落ちたら、おしまいですね。

びっくりしました。(@_@;)のぞき込んだら底が見えなかったんで・・・

> その通り!
> 「3000mの喧騒より、1000mの静寂を愛す。」

「静けさ」こそ最上の喜び。「人に遭う恐れのない」山にますますのめり込みそうです。(^_^;)

> 2時間なんて、あっという間でした。
> いつまでも、ここにいたかったです。

そうでしたね。時間が止まっていたようでした。

> 尻セードは雪山イベントの華ですなあ。
> これが楽しみなんですわ。
> このときは、「あっ、斜面が切れてる」と思った瞬間、ジャンプして林道に着地していました。
> ちょっとしたスリルでしたね。

私も前回3m近く空中に飛び出しました。(^_^)

> わたしゃ、ゲップが出そうに充分満足でした。

上に同じですわ。(^^ゞ

                    山日和

2006/03/27(Mon) 23:28:32  [No.2166]


  Re: 【奥越】煌めきの縫ヶ原山 投稿者:とっちゃん(こと)

山さん、洞吹さん、ご一緒ありがとうございました。

憧れの縫ケ原山、やっと行くことができました。

そして無類の晴天になるなんて、ほんと幸運でした。

>  3度目の縫ヶ原山である。前2回は天気が悪いというわけではなかったが、パノラマ全
> 開の青空の下でランチタイムとはいかなかった。

山さんは三回目ということで、新鮮味がないのではと心配してましたが、三回目にして満足度の高い、いいお天気でなによりでした。

すばらしい展望と、モッカ平の優しい景色と、誘われそうな荒島の頂上へのライン、忘れられない山となりました。

一山登るたびに、登りたい山が増えてばかり、こんなにも展望がいいと、行きたい山が一気に増えます〜。
             

2006/03/27(Mon) 22:54:11  [No.2162]


Re: 【奥越】煌めきの縫ヶ原山 (画像サイズ: 750×1000 267kB)

とっちゃん、どうもです。お疲れさまでした。

> 山さんは三回目ということで、新鮮味がないのではと心配してましたが、三回目にして満足度の高い、いいお天気でなによりでした。

あんないい天気はなかなかおまへんで。1回目であの好天に恵まれるなんてラッキーすぎる。(^^ゞ

> すばらしい展望と、モッカ平の優しい景色と、誘われそうな荒島の頂上へのライン、忘れられない山となりました。

忘れられない山が増えすぎて頭がパンクするのでは・・・(^_-)

> 一山登るたびに、登りたい山が増えてばかり、こんなにも展望がいいと、行きたい山が一気に増えます〜。

そうやねー。一山登るたびに二山増えていったら今年が終わる頃には何山になっている
でしょう?(^^ゞ

                                  山日和             

2006/03/27(Mon) 23:34:13  [No.2167]


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