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今日も明日も雨。ヒマである。こんな週末は誰も山へ行かないだろう。
ヒマにまかせてニフティ時代の古い記録の再アップでお目汚しを・・・

 先週の芦生に続いて、今度は奥美濃の原始の森で癒されようと、一昨年「屏風山をめ
ぐる山旅」として逍遥した岩ノ子谷を再訪した。

【日 時】2003年6月21日(土)
【山 域】奥美濃 岐阜県根尾東谷川岩ノ子谷源流域
【天 候】晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】岩ノ子ダム7:55---8:32東ノ水谷出合---10:01ムクロ谷出合10:23---
     11:05ゴルジュ引返し地点---11:25西ノ水直登沢出合---12:02二俣12:47
     ---14:31西ノ水14:47---17:11駐車地

 能郷からの極細国道を走り、廃村黒津で根尾川本流と別れてこれも廃村越波(おっぱ)
に向かう。廃村といっても朽ちて荒れ果てた家はなく、窓にきちんと板を打ち付けて、
いつ帰ってきても住めるようにしてあるような印象だ。
 直進する河内谷林道を右に見て、岩ノ子谷林道に入る。かなり雨が降ったのか、路面
は一面水たまり状態。岩ノ子第一ダム下の空き地に駐車。今宵のねぐらとした。
車のオドメーターを見ると、ジャスト12万キロ。5年足らずでよく走ったものだ。

 やっと晴れた。山では久し振りに見る太陽が眩しい。2年前とは変わって雑草が伸び
放題になった林道を行く。西ノ水谷出合を過ぎると道は荒れ放題。
前回は十分車が通れる道だったが、2年ぐらいで様変わりするものだ。

 林道が左へ急カーブするところが入渓点。ここから谷への小径も草ぼうぼうだ。
河原へ下りてみると、ずいぶん水量が多く流れも速い。前回はくるぶしまで水に浸かる
程度ののんびりした沢歩きを楽しめたのだが、やや不安が走る。

 ヒザ高の渡渉を幾度となく繰り返して東ノ水谷出合へ。前回は水量の少なさにやや拍
子抜けしたのだが、今回はちょっと多過ぎるようだ。
 本流の淵も今日は一段と深さを増し、腰まで浸かって辛うじて左から抜けた。

 ゴルジュの手前で一服。人の手の入っていない樹林はやはり美しく、先週とは違って
深く刻まれた谷に差し込む日の光が柔らかい。

 小滝の上は深いトロになっており、泳ぎ以外では突破することは不可能。ここは前回
左岸を大きく巻き過ぎて、予定外の懸垂下降を強いられた所。
小滝手前の右斜面を少し上がると釣り師のものだろうフィックスロープがあった。
ホールドの乏しいズルズルの斜面を慎重にトラバース。今回はあまり上がらずにゴルジ
ュの上へ出ることができた。

 ここからは平流が続く。平凡な河原歩きなのだが、手付かずの森の中の渓流を悠々と
歩く気分の良さは格別のものがある。
 沢の価値を滝の多さやゴルジュの険悪さだけに見出すとしたらまったく価値の低い沢
なのだろうが、こういう沢歩きが奥美濃の沢の持ち味でもある。
揖斐川の金ヶ丸谷にも似た渓相は、各務原山岳会の日比野氏が「命の洗濯効果抜群」と
評した場所でもある。
 
 福井岳人倶楽部の「福井の雪山」で紹介されていた、1120.5mの三角点、点名「西ノ水」
へダイレクトに上がる支谷を見送り、本流を進む。当初は支谷を取ろうかなという気持
ちもあったのだが、本流の林相の素晴らしさに惹かれて迷わず直進した。
 相変わらずの平流が続いたあと、連続するナメが現われた。なにかありそうな予感。
果してその先には両岸切り立ったゴルジュが、深い淵と川床いっぱいに奔流するナメ滝
を伴って立ちはだかった。壁は高く巻くのは難しいだろう。泳いでナメ滝に取り付けた
としても、あのナメ滝を登るのは不可能ではないか。その先で谷は屈折して、まだ何か
隠し玉を秘めている様子。
「やめとこ」無理は禁物だ。単独ならなおさら。引き返して先ほどの支谷を上がること
にする。

 出合で休んでいると、背後でガサッと音がした。続いて荒い鼻息のような音。
クマか。振り返って大きく柏手を打ってサインを送る。結局何も見なかったが、昨秋ふ
たつ隣の谷でクマに遭遇しているだけに実感があった。

 入口はヤブっぽい冴えない谷だが、すぐに連瀑帯が始まる。
まずは4m。右から巻けそうだがややホールドが乏しい。覚悟を決めてカメラをザックに
しまった。ど真ん中を直登。頭から水をかぶる。続く5mも一度濡れてしまえば同じ事。
気合でシャワーを決めた。5mクラスを3本ばかり快適に直登して連瀑帯終了。
しばらくゴーロ歩きの後Ca700m付近の二俣となる。
 二俣の真中にお誂え向きの平たい岩があったので、ここで昼飯とした。
ずぶ濡れのシャツを脱いでビールをあおる。やっぱり沢は晴れた日に限る。
 ガイドではこの上に多段100mもの滝があるらしい。ほんとなら奥美濃最大級の滝だろ
う。それにしては等高線の詰まり方が足りないのだが。

 右俣を取り、すっかり細くなった急傾斜の谷を上がる。流木も多く、すっきりしな
い。
小滝が出てきた所で見上げると、あった。天から降り注ぐような大滝が、逆光の中飛沫
を光らせながら、垂直の岩壁から落ちていた。
100mはちょっとオーバーだろうが、かなり高い。谷が小さいので水量が少ないのが残念
だが、水が多ければ凄い迫力だろう。
 右岸の草付きを慎重に斜上して、左俣との中間尾根に乗るのだが、ここもかなりの急
傾斜。時折現われる岩場を縫うように巻き道とも獣道とも取れるような踏み跡が続いて
いた。
 滝もこれぐらい高いと巻くのも大変だ。青息吐息でやっと落口到着。乱れる呼吸を静
めて落口を覗くが、ブッシュが被さりこの下に大空間が広がっているとは想像もできな
い。この谷を知らずに下降してきたらびっくりすることだろう。

 ここで実質的に沢は終了。あとは水の涸れた溝をひたすら登るだけだ。
いよいよ沢の形がなくなりヤブに突入、と思ったが意外に薄い。激ヤブを覚悟していた
ので些か拍子抜けだ。
ヤブこぎらしいヤブこぎのないままに尾根に到達。尾根上の方がヤブがきつい。
さて頂上はどこだ。右にヤブが少し切れた所があるので行ってみると、そこから下って
いる。向こうに見えるのは北西にあるP1093か。尾根上にはうっすらと踏み跡らしきもの
があった。
反対側へ進んで潅木を分けると畳2枚分ぐらい切り開かれた「西ノ水」の山頂だった。
当然の如く展望はゼロ。お決まりの山名標識もなく、三角点が鎮座するのみ。いかにも
奥美濃らしい頂上だ。
 ほとんど人が来ないであろうのにハエがうるさく、蚊取線香が威力を発揮した。

 ここから西ノ水谷の出合に向けて南東に伸びる尾根に踏み跡があるらしい。
しゃがみこんでよく見るとそれなりに地面は踏まれた跡がある。しかし上は潅木が伸び
放題で、まさにヤブこぎ無しでは前進できない。
 赤いテープが進むべき方向を指し示してくれて心強い。

 上半身を駆使しながらの前進は、下山といえども息が上がる。
展望が開けた崩土状の斜面に出た。下には岩ノ子谷の駐車地付近が見えている。
左の頂稜付近に林道が走っている山はドウノ天井だろう。行く手の尾根上にはP815が頭
をもたげている。

 はっきりしない急斜面を転げるように下りると、一転してヤセ尾根が続いた。
この付近の山に多い山稜上の巨大スギやヒノキがポツポツと現われる。
根が2本に分かれた間をくぐり抜ける面白いスギもあった。

 P815を過ぎてやっとブナやミズナラの気持ちのいい樹林に変わる。下生えの少ない道
はペースも上がるが、それも長くは続かない。
 最後は植林帯を急降下。西ノ水谷出合よりやや本流寄りに入った所に下り立った。
 この尾根は踏み跡はあるものの、総体的に篤志家向けと言えるだろう。
いわゆる「道」があると思ってはいけないルートだ。

 さすがに疲れて重い足を引きずるように林道を歩いた。
「残された奥美濃」にどっぷりと浸かった一日だった。


                山日和

2006/04/15(Sat) 18:58:27  [No.2293]


> 今日も明日も雨。ヒマである。こんな週末は誰も山へ行かないだろう。

そうなんです。暇なんです。今週は晴れたら上谷山へと考えてましたがもう家でウダウダする事に決めました。

そしたら山日和さんのこんなレポート…むっちゃ気になってしょうがない。
西の水は大垣山岳協会の「美濃の山」では尾根歩きが紹介されている。大変そうな山だなあと思っていた。そこを山日和さんはたった一人、しかも沢から行ったなんて…。

地形図を見て山日和さんの歩きを追ってみました。西ノ水は直登する支谷ってどこだ、どこを辿って尾根に出たんだ。想像が頭の中を駆けめぐって離れなくなっていく。いかん、これはいかん。西ノ水に囚われていく。

行けるかなあ、西ノ水。沢は経験がほとんどないので尾根歩きになるけど行きたいなあ。と思ってきてしまっています。

2006/04/15(Sat) 21:18:13  [No.2294]


Re: 【奥美濃】岩ノ子谷から西ノ水 (画像サイズ: 1024×824 510kB)

Tsutomuさん、どうもです。

> そうなんです。暇なんです。今週は晴れたら上谷山へと考えてましたがもう家でウダ
ウダする事に決めました。

こういう時はあきらめんとしょうがないですね(;_:)

> 西の水は大垣山岳協会の「美濃の山」では尾根歩きが紹介されている。大変そうな山だなあと思っていた。そこを山日和さんはたった一人、しかも沢から行ったなんて…。

福井岳人倶楽部の「福井の雪山」になぜか西ノ水谷を上がってこの直登谷を下降するル
ートが紹介されていました。また、各務原山岳会の日比野和美氏の「百山百溪」には中
ノ水谷本谷を遡行して西ノ水へ上がるルートがありました。中ノ水谷源頭部は原生林に
覆われていそうな雰囲気で、こちらへ行くつもりだったのですがレポにあったように
ゴルジュが突破できず、あきらめて直登谷へ転進したというわけです。

> 地形図を見て山日和さんの歩きを追ってみました。西ノ水は直登する支谷ってどこ
だ、どこを辿って尾根に出たんだ。想像が頭の中を駆けめぐって離れなくなっていく。いかん、これはいかん。西ノ水に囚われていく。

>添付の地図はだいたいのルート図です。 こんな感じです。(^_^)

> 行けるかなあ、西ノ水。沢は経験がほとんどないので尾根歩きになるけど行きたいな
あ。と思ってきてしまっています。

尾根は一本で分かりやすいですが、結構ヤブが出てました。Tsutomuさんなら問題ないで
しょう。バリハイルートとしては面白いと思いますよ。
私が登ったルートは沢慣れしてないとおすすめできません。

                  山日和

2006/04/15(Sat) 21:58:43  [No.2295]


どうもです。

> >添付の地図はだいたいのルート図です。 こんな感じです。(^_^)

わあ、思っていたとおりでびっくりです。引き返してきた地点まで想像通りでした。

> 尾根は一本で分かりやすいですが、結構ヤブが出てました。Tsutomuさんなら問題ないで
> しょう。バリハイルートとしては面白いと思いますよ。

山日和さんに言われると何だかだんだんその気になってきました。さっきまで全然予定になかった山でしたが新たな目標になりました。ありがとうございます。

Tsutomu

2006/04/15(Sat) 22:21:31  [No.2296]


  Re: 【奥美濃】岩ノ子谷から西ノ水 投稿者:とっちゃん(こと)

山さん、こんばんわ〜。

> 今日も明日も雨。ヒマである。こんな週末は誰も山へ行かないだろう。
> ヒマにまかせてニフティ時代の古い記録の再アップでお目汚しを・・・

お天気が悪くて残念ですね。でも、おかげで、山さんの昔?のレポもこうして読めて嬉しいです。

土を一日踏んだだけで、もう、沢恋しくなってきちゃいましたか?

奥美濃の沢は、まだ知らないので、レポを読んでも地理感がまったくありあせんが興味があります。また、色々教えてくださいね〜。

2006/04/16(Sun) 21:57:44  [No.2304]


とっちゃん、どうもです。

> 土を一日踏んだだけで、もう、沢恋しくなってきちゃいましたか?

今日は十数年振りに家の近所の箕面の滝への道を歩いてきましたが、あんな川でも
やっぱり水の流れるのはいいなあと思ってしまいましたよ。(^_^)
>
> 奥美濃の沢は、まだ知らないので、レポを読んでも地理感がまったくありあせんが興
味があります。また、色々教えてくださいね〜。

奥美濃にはもう残り少ないですが、原始のままの森が残されている谷があります。
そういう谷へ入ることを「命の洗濯」と呼ぶ人もいます。
岩ノ子谷はそういう谷のひとつ。いつまでもこのままの姿でいてほしいですね。

                山日和

2006/04/16(Sun) 23:13:38  [No.2308]


山日和さん こんばんは

雨が降っているのに、残雪の岩ノ子谷へ行ったのかと驚いたが、
あらら、昔のやつだったのね。
なつかしいですね。

> 今日も明日も雨。ヒマである。こんな週末は誰も山へ行かないだろう。
> ヒマにまかせてニフティ時代の古い記録の再アップでお目汚しを・・・

ワシは本日午後から、近所の箕面の山へ、
GPSルートナビゲーションと軌跡ログ採取テストに行ってまいりました。
だんだん使い方がわかってきましたが……

よい山旅を!
                                洞吹(どうすい)

2006/04/16(Sun) 23:46:19  [No.2309]


洞吹さん、どうもです。

> ワシは本日午後から、近所の箕面の山へ、
> GPSルートナビゲーションと軌跡ログ採取テストに行ってまいりました。
> だんだん使い方がわかってきましたが……

おやおやそうでしたか。私は滝道を歩いてましたよ。GPSは持って行きませんでした
が・・・(^^ゞ
最後の……は何を意味するのでしょうか?

                  山日和

2006/04/17(Mon) 19:26:27  [No.2314]


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