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【台高】強風と虹の仙千代ヶ峰を廻る山 (画像サイズ: 1024×768 168kB)

 仙千代ヶ峰はさほどの標高も無い山だが、平頂をもった大きな山容は、台高主脈からは離れてよく目立つ山だ。以前、旧紀伊長島町側から野又古道を使い上がったことがある。
 この山への幾つかあるルートの難点は、ピストン道しかないこと。二つのルートを繋ごうとすれば、長い道路歩きを余儀なくさせられるのだ。
 でっ、以前から暖めていた、仙千代が峰を含めた桑ノ木谷を取り囲むルートを辿ることにした。
 しばらく続いた雨も上がり、眺望もいいだろうと。

【日時・天候】10/07 2006・曇天
【山域・山名】台高東部宮川流域:千丈(p1042)、仙千代ヶ峰(奥千丈)、
       大崩岩(山)(p939)、大河内山
【 コース 】
09:55 倉元橋駐車地− 10:20 尾根− 11:20〜12:00 稜線のコル〜千丈ピストン
12:40〜12:45 奥千丈− 13:30〜14:10 展望大岩(昼食)− 14:40 大崩岩− 15:00
水呑峠− 15:20 桑木谷高(p841.7)− 15:50〜16:00 大河内山−16:30 889P−
17:05 p542付近− 17:40 県道− 18:10 駐車地

 相変わらず、わたしの朝は遅い。宮川ダム湖奥の倉元橋の登山口に着いたのは、9時半を回っていた。
 この倉元橋の道は、大台町(旧宮川村)から水呑峠を介して紀北町(旧海山町)とを繋ぐ県道。一昨年の豪雨によって、この県道はズタズタに切り裂かれ、いまも両町側から復旧工事が行われている。

 この倉元橋の登山道は、仙千代ヶ峰(奥千丈)と北の1042p(千丈)のほぼ中間、970mのピークから西に出ている尾根に乗り、970mの南のコルに出るルートだ。
この間、全て植林の中を黙々と登り、そうして稜線に達すると一挙に展望がバァ〜っ!と広がっちまうという暗から明への一挙展開ルートでもある。
 だがこの日は、植林の中では轟々うなってた風の声が、稜線に達すれば、風に体当たりをぶちかまされるような日だった。

 この稜線の東側斜面は広く伐採され、苗木が植えられている。それは、仙千代ヶ峰の北斜面を越え野又峠付近までに及ぶ。その山腹には、土砂崩れのつめ跡が多々あり、痛ましい。
北西から雲が次々と頭上を流れ、熊野灘の海。伊勢の山々が志摩半島辺りまで見えていそうだ。
 
 旧宮川村久豆の集落から見た場合、仙千代ヶ峰の北に位置する1042pを千丈、1099pの仙千代ヶ峰を奥千丈と云うらしい。このルートをとったならば、奥千丈に登るなら千丈から先に登らなきゃと、ザックを置いて、千丈までピストン。
苗木の食害防止のために張られたネット沿いに行く。途中、カモシカの頭蓋骨とバラバラの骨、もしやネットに絡んで死んだのじゃないだろうか?
千丈の山頂付近は、自然林。二つのピークをもつのだが、展望も無く雑然とした感じで、早々に引き返す。
 仙千代ヶ峰山頂手前の小ピーク、ここは登山道を右に外せば西の展望も見えるところだが、大杉国見もウグイの高も山頂部はガスが掛かり、それゆえ以遠は云うも悲し。
 時雨降る中、山頂。先ほどまで見えていた伊勢の山もガスりはじめ、先を急ぐ。野又峠へ続く稜線を右へ。

 実は、ここから水呑峠に至る道を期待していたのだ。仙千代が峰山頂部の南側は、ツガ・トガサワラが多く、その中にブナやヒメシャラが混じる感じ。いずれも太い木が多いのだ。
山頂から南へ、その樹林帯の中に踏み込む。踏み跡は薄く、樹林に見とれて降りていくと、右(西)の方に振られて降りていっているのに気づいて修正する。
 この稜線は、923pを越えた鞍部辺りまで、何箇所か支尾根に間違って乗ってしまいそうなところがあった。マーキングテープがあるのだが、感覚的に歩いてると支尾根に乗っていたりする。

 923pを越えて行き、鞍部に下りる途中に大岩に乗る。正面に大崩岩(939p)その右にウグイの高の山並、左にはガスに包まれた大台ケ原から熊野灘に落ちる山並に尾鷲から紀伊長島の海が真近に見える。
ここは眺望良い上に、風がうまい具合に遮られていて、絶好のランチ場所だ。
ザックを降ろし、まずはビール。湯を沸かしながら、ぼーっとする至福の時間・・・。
 雲は、相変わらず頭上を勢いよく連綿と北西から熊野灘に向かって走ってゆく、また低く垂れ込みながらも、雲の向こうには青空が広がり、水平線は僅かに曲線を描きながら海の藍と空の青を別けている。陽の光の加減か、波の影響だろうか、海の色は、刻々と藍の濃淡を変え模様をつくる。

 大岩を降り、幾つかの小ピークや岩場を越えて木立の中の大崩岩(山)の山頂を踏む。名前のわりに展望も無い平凡な山頂。この名の由来は、南西山腹の崩壊地に散在する岩から来ているのだろう。
 この辺りの稜線は、尾根心に木は無く、歩きやすい道となっており、しばらく歩いて水呑峠。水呑峠の左右両側から上がる道は、いまも現役の道のようだが、トンネルができる前、人々が通った往時を偲ばせるものはないかと見るが、何も見つけることができなかった。

 水呑峠からは、鉄塔方向に向かい、鉄塔裏から踏み跡薄い斜面を登っていく。
この鉄塔から889pの鉄塔までの稜線は、もしかしたら鉄塔巡視路ではないかと思っていたが、そうではないようだ。889pへの巡視路は、県道から直接巡視路が続いているようだった。
 三等三角点の置かれた桑ノ木谷高。山頂に上がると樹木に囲まれた中、左右に道が伸びている。左のしっかりした道は、旧町界尾根を辿る道なのだろう。マーキングテープの付く右の道に入って降下する。
 やがて、右側斜面は伐採地となり、展望はいいが風を遮るものは何も無く、谷から強風が巻き上がる。たくさんの木の葉が、谷からくるくると舞い上がってくるのだ。
木を掴み、伐採地を囲んだネットを掴み歩かないと吹き飛ばされそうなほどだ。
 この辺りの伐採地上部には、墓標のようなものが密にあり不思議な光景。よく見ると杉・檜では無くカシやケヤキといった自然木の苗木が植えられ、緑のビニールでコーティングされた支柱と、苗木を食害から守る為の、縦長の立方体の白いプラスティックが苗木にすっぽりと被さられているのだ。これが延々と続き、伐採地の墓標のように見えるのだ。
しかしながら、こんな広範囲に直接金にならない自然木が植樹されているのを見るのは初めてだ。世の中変われるものである。

 大河内山の山頂部分も伐採され、ブナの木が一本、頼りなげに立っている。
風を避け、山頂南の樹林帯に入って一服し、改めて山頂に戻ると、大きな虹が仙千代ヶ峰にかかっているではないか。ちょっと幸せが空から降りてきた感じ(^^)

 大河内山を西へ、樹林帯に入りほっと一息。この辺りに水越、千尋、花抜峠と大台へ続く稜線分岐があるはずなのだが、はっきりしないまま通り過ぎ、平坦な北東に向かう尾根に乗る。その尾根は、大杉谷支流キヨラ谷源頭部になると岩尾根となり、左手の展望が広がり、ガスの掛かる大台の左に加茂助谷ノ頭や沖見高、ここからはきれいな尖った花ノ木、それに加えて山腹に大きな白瀑、千尋滝が見渡せた。
千尋滝が今回の山行で見えるとは、予想外でちょっと得した気分。
 889p山頂は樹林の中、こんなピークにも「イセ愛山会」さんのプレートが掛けられている。ここからは、北に方向を変え、鉄塔巡視路を辿って行く。

 どこでこの尾根を降りるのかが問題だった。尾根を降りすぎては、桑ノ木谷の渡渉ができない。まして今日は、谷の水量が多いだろう。
 鉄塔巡視路は、ダム湖に沈む尾根の末端まで続いて、船で取り付いて巡視路を巡るのじゃないだろうか?尾根下部で巡視路が県道に続いてるとは思えない。
しかしこの尾根には、東側から植林地が尾根に上がってきているだろうから、植林地に入れば桑ノ木谷に降りる杣道もあるだろうという魂胆だった。
 しかし、当てが外れてこの尾根は自然林が続く。ヒメシャラの林なんぞも出てくる始末。685pを過ぎても自然林だ。
そろそろ尾根を降りなくてはならない限界、二重山稜の尾根になって、やっと植林。二重山稜の谷部分も植林だ。
自然林と植林境界を降りて行くが、植林地は間伐材が倒され明らかに、道を探すのも苦労するハズレ植林地。
間伐材としばらく格闘し、ふと脇を見るとプラスチックの階段!救われた、巡視路があったのだった。
どうも尾根の542p辺りから続いているようだ。

 植林地の中巡視路を快調に下りていく。ここにも錆びた熊の檻。
 対岸が見渡せるようになって谷は近い。土砂で埋まった広い川原と家屋が見え、足が止まる。
・・・自分が立っているのは、崖の上だ。水流で抉り取られた5m程の崖。木にロープが結わえてあり、谷に下りているようだが、そもそもこの下の谷は、見るからに水流強く渡渉困難だ。
仕方なく岩崖を上流に沿って、水深浅く、その上崖の降り易い所を探すしかない。
 そうこうしていると、杉の木が倒れているのが目に留まる。斜めに倒れこんで谷と崖を繋ぎ、枝も付いている。梯子代わりにするのに、お誂え向きなのだ!
枝を折らないようようそーっと足を掛け、谷へ。今度は谷幅広いところを選んで渡渉する、膝までジャブジャブ。
 後は、土砂で埋まった広い川原を横切り、家屋近くから直接県道に上がる道を通り、夕闇迫ったアスファルトの県道を、スパイクの音を立てて駐車地へ。
 やっぱり、朝は早く出ないと・・・。

 *画像は、右から大河内山、大崩岩(山)、仙千代ヶ峰(奥千丈)、千丈。

2006/10/12(Thu) 00:04:43  [No.4353]


zippさん、こんばんは。
古ヶ丸から見ても仙千代ヶ峰は堂々とした姿をしてますね。まだ行ったことないんです。
何故かどうも植林の山という先入観があって足が向かなかったのと、往復では面白くな
いし物足りない感じがしていたのですが、このルートはいいですね。

>  923pを越えて行き、鞍部に下りる途中に大岩に乗る。正面に大崩岩(939p)その右にウグイの高の山並、左にはガスに包まれた大台ケ原から熊野灘に落ちる山並に尾鷲から紀伊長島の海が真近に見える。
> ここは眺望良い上に、風がうまい具合に遮られていて、絶好のランチ場所だ。

これはなかなかよさそうなとこですね。

>  雲は、相変わらず頭上を勢いよく連綿と北西から熊野灘に向かって走ってゆく、また低く垂れ込みながらも、雲の向こうには青空が広がり、水平線は僅かに曲線を描きながら海の藍と空の青を別けている。陽の光の加減か、波の影響だろうか、海の色は、刻々と藍の濃淡を変え模様をつくる。

美しい描写、景色が目に浮かぶようです。

> 千尋滝が今回の山行で見えるとは、予想外でちょっと得した気分。

千尋は読み方は違えど私の娘の名前のネタ元。稜線から眺められたら感慨ひとしおでしょうね。

> ・・・自分が立っているのは、崖の上だ。水流で抉り取られた5m程の崖。木にロープが結わえてあり、谷に下りているようだが、そもそもこの下の谷は、見るからに水流強く渡渉困難だ。

最後の最後に出ましたね。(^^ゞ

> 枝を折らないようようそーっと足を掛け、谷へ。今度は谷幅広いところを選んで渡渉する、膝までジャブジャブ。

ホッとしました。

>  やっぱり、朝は早く出ないと・・・。

でしょ。でも朝早く出たからと言って明るい内に下りられるとは限りませんが・・・(^_^;)

              山日和

2006/10/12(Thu) 23:13:43  [No.4375]


Re: 【台高】強風と虹の仙千代ヶ峰を廻る山 (画像サイズ: 1024×768 167kB)

 こんばんは、山日和さん。

> 何故かどうも植林の山という先入観があって足が向かなかったのと、往復では面白くな
> いし物足りない感じがしていたのですが、このルートはいいですね。
 そうなんですよね。仙千代が峰は遠くから見ても存在感のある山だけど、足が向かない
のは、「植林の山」「往復ルート」、この二つに加えて「遠い」というのがあるでしょう
ね。
 このルートの植林は、最初の登りと水呑峠付近、最後の下り程度で、思っていたより少
なかったです(伐採地を加えれば多くなりますが)。
 なんといってもこのルートは、展望が素晴らしい!伐採地と要所要所にある岩尾根、鉄
塔までありますし。東南部台高と熊野灘の展望ルートです。
この時は、山の遠景は雲が掛かってダメでしたが(^^;


> 千尋は読み方は違えど私の娘の名前のネタ元。稜線から眺められたら感慨ひとしおでしょうね。
 千尋滝のように豪快シャバク(?)な娘さんになられたことでしょう(^^)。


> >  やっぱり、朝は早く出ないと・・・。
>
> でしょ。でも朝早く出たからと言って明るい内に下りられるとは限りませんが・・・(^_^;)
 確かに、タシカニです(^Q^)

2006/10/13(Fri) 22:45:27  [No.4384]


  Re: 【台高】強風と虹の仙千代ヶ峰を廻る山 投稿者:とっちゃん(こと)

zipさん、こんばんは〜。

>  仙千代ヶ峰はさほどの標高も無い山だが、平頂をもった大きな山容は、台高主脈からは離れてよく目立つ山だ。

台高や大峰は、名前を聞いてもピンとこなくて、知っている所は限られています。

確か、この山は、洞吹さんと山さんと三人で大熊の頭〜白倉岳〜野江又の頭を周遊した時、稜線上から見えていた山だったと思います。

>  でっ、以前から暖めていた、仙千代が峰を含めた桑ノ木谷を取り囲むルートを辿ることにした。

台高に詳しいから、あれやこれやとルートを考え、実行に移す、嬉しい時間ですね〜。


> ・・・自分が立っているのは、崖の上だ。水流で抉り取られた5m程の崖。木にロープが結わえてあり、谷に下りているようだが、そもそもこの下の谷は、見るからに水流強く渡渉困難だ。

台高は、そんなことが、ままある山域だと聞いていますが、機転きかせての行動が必要なんですね。単独行やし気をつけてね。

>  そうこうしていると、杉の木が倒れているのが目に留まる。斜めに倒れこんで谷と崖を繋ぎ、枝も付いている。梯子代わりにするのに、お誂え向きなのだ!

うまいぐあいに倒木を使っての、お猿さんも負ける下山やったんやね。
シャッターチャンスやったかな?単独では写してくれる人がないからちょっと残念かも。

また、ハラハラどきどきの山レポ待ってます〜。

2006/10/15(Sun) 19:49:47  [No.4395]


Re: 【台高】強風と虹の仙千代ヶ峰を廻る山 (画像サイズ: 800×600 74kB)

 こんばんは、とっちゃん。

> 確か、この山は、洞吹さんと山さんと三人で大熊の頭〜白倉岳〜野江又の頭を周遊した時、稜線上から見えていた山だったと思います。
 よく覚えてました〜。白倉〜野江股の稜線からは、存在感あってよく見えますね。そこからだと、その仙千代ヶ峰の右奥に、ミニ仙千代みたいな平頂をもった山が見えるはずです。それが大崩岩(山)なんです。
桧塚奥峰からもよく見えます。今度行った時、見てみてくださいね。

 このルートはいいですよ(^^)。

2006/10/15(Sun) 21:38:47  [No.4402]


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