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【江美国境】静寂のブナ林 音波 (画像サイズ: 750×1000 195kB)

【日 時】2007年3月21日(水)
【山 域】福井・滋賀県境 音波872.6m
【天 候】晴れ
【メンバー】Y夫妻、山日和
【コース】樫尾谷二俣8:53---11:04 P690m尾根合流---
     12:30音波14:02---14:27尾根分岐---16:18
     林道終点---16:28駐車地










 広野ダムへの道を八飯の集落で右折して、樫尾谷の林道に入る。
昨年は雪の大谷のような(ちょっとオーバーか)雪の壁ができていた林道も
今年はカケラを見る程度、難なく二俣まで入ることができた。
前回は二俣正面の中間尾根から八飯の三角点を目指したのだが、今日は左
手に見える690m三角点の先へ出る尾根を辿る計画である。
 水量乏しい左俣をダッシュ渡渉で渡る。しばらくは植林帯の緩い登りだ
が、進むうちに若い植林のヤブとなった。
1月のノロ尾下部のような鬱陶しいヤブ尾根が続く。足元はツボ足ではい
ささか苦しくなってきたのでスノーシューを装着。やはり履くと履かない
とでは雲泥の差で、程好い沈み具合で雪面を捉えてくれる。
 右に見える八飯への尾根、左隣の尾根とも疎林が続く好ましい尾根のよ
うで、「隣の芝生は青い」ならぬ「隣の尾根は素敵」である。

 頭上を送電線が横切る手前で林道と出合った。この林道は地形図には描
かれていないが、「電子国土」の地図には載っている。但し、林道の描写
はかなりいい加減で、谷を直登していたり、等高線を縦横無尽に横切るア
ップダウンがあったりで信頼性に欠ける。

 林道からは明瞭な道形があり、格段に歩きやすくなった。
送電鉄塔からは大きく展望が開けた。人為の最たるものではあるが、なん
の面白みもない植林尾根を歩いてきた身には、この展望はうれしいもので
ある。
 鉄塔を過ぎるといよいよお待ちかねの自然林が始まる。
ひと登りで690mピークからの尾根に合流する。残念ながら尾根の東側は植
林であるが、もうヤブはなく気持ちよく歩いていける。

 緩やかな尾根を辿っていくとブナの森に突入した。
このあたりは昨年クマと遭遇したところだ。
細い木が多いが、申し分なく晴れた青空と白い雪、立ち並ぶブナの黒い影
のコントラストは例えようもなく美しい。

 たおやかな尾根である。入り組んだ複雑な地形の妙を楽しみながら、ブ
ナの森を行く。
 見覚えのあるブナの大木が現われた。2m余りのところから太い枝という
より幹と表現した方がふさわしい枝を分岐させた見事なブナである。県境
稜線まであとわずかだが、早足で通り過ぎるにはあまりにもったいない森
が続く。

 県境稜線のピーク(音波より高い)を右へトラバースして稜線に出る。
見渡す限りのブナの純林。原生林ではなく、若い二次林ではあるが、ここ
まで立ち並ぶさまは壮観。吉野山の桜ではないがまさに一目千本である。
もう生きてはいないが、数十年後が楽しみな森である。

 緩やかに下った鞍部にも素晴らしいブナがあった。低い位置で3本に枝
分かれした内の1本は残念ながら折れてしまっているが、貫録十分である。
このあたりから滋賀県側斜面は伐採跡のブッシュとなる。昨年の雪量だと
気にもならなかったが、今年は歩きづらいので福井県側斜面のブナ林を進む。

 音波の山頂直下には立派なブナが1本、孤高を保つようにスックと立って
いた。いろんなガイドや記録に載っているのに去年は気が付かなかった。
よく考えてみると、去年は余りにも雪が多過ぎて、枝分かれするあたりま
で雪に覆われていたためそんな大木だと思わなかったのだ。
今日改めて見ると実に見事なブナである。

 音波山頂。正面に大黒山が大きい。そしてその奥には妙理山。
昨年は未踏の山々だったが、今年はつい先月結んで歩いた二山。
やはり眺めた時の感慨はまったく異なるものがある。
白いドームだったこの音波もヤブが露出している。
 山頂にワカンの跡があった。Y夫妻と「洞吹さんのと違いますか」と冗談
で話していたのだが、冗談で終わらなかったようである。

 下山は音波北尾根の次に北へ伸びる長い尾根だ。福井県側は相変わらず
若いブナ林が続く。
 ひとつ小ピークを越えたところから右へ入る。
左右から浅い谷が上がってくるゆったりとした尾根は、舟窪地形のコバも
あり素晴らしい佇まいを見せる。
右の谷はすぐ下に雪を割って細い流れが見え、心落ち着く風景である。

 この尾根がいつまでも続けばと思うが、現実は甘くない。
なぜか離れ小島のように植林された地帯を抜けると、登りとはまた違った
ヤブに悩まされた。
普通のブッシュなら強引に進めば活路が開けるものだが、ツタの絡まるチ
ャペルならぬヤブは、突き進んでも蜘蛛の糸に絡め取られる虫のように身
動きがとれなくなる。祈りを捧げるしかない状態である。

 悪戦苦闘の末、やっと谷が見えてきた。右手の植林河原に逃げて二俣と
なった谷を渡渉。林道終点に出た。
 アプローチの良さとヤブの苦しさは常に引換えの山域であるが、直近に
降った雪のおかげで純白の雪山を味わうことができた。
よい山旅だった。

                 山日和

2007/03/25(Sun) 21:38:42  [No.6683]


山日和さん こんばんは
いつもながら、渋いルート取りと必ずとらえて徘徊する山毛欅の森
静かな山旅そのものですね

> 県境稜線のピーク(音波より高い)を右へトラバースして稜線に出る。
>見渡す限りのブナの純林。原生林ではなく、若い二次林ではあるが、ここ
>まで立ち並ぶさまは壮観。吉野山の桜ではないがまさに一目千本である。

オー こんなええところがありますか
私はこの周辺無知ですが、滋賀県側から考えてますので、山行参考させて貰います。

>もう生きてはいないが、数十年後が楽しみな森である。

いやいや それだけ山を歩いて、山毛欅の精気を受け取っていれば、数十年位十分 大丈夫元気バリバリでしょう
まぁ 山まで行けるかどうかは 分かりませんが・・・

> 音波山頂。正面に大黒山が大きい。そしてその奥には妙理山。

それはそれは、エエ眺めでしょう
しかし、この山域 これから冬眠していた熊がアチコチで起き出してくるそうで
チト 怖いですなぁ

では また 安全山行 願かけの雪稜で

SHIGEKI

2007/03/26(Mon) 21:48:38  [No.6691]


Re: 【江美国境】静寂のブナ林 音波 (画像サイズ: 1024×822 491kB)

SHIGEKIさん、どうもです。

> 静かな山旅そのものですね

静けさこそが我が命(^^ゞですわ。

> オー こんなええところがありますか
> 私はこの周辺無知ですが、滋賀県側から考えてますので、山行参考させて貰います。

ええとこです。しかし滋賀県側からだと栃ノ木峠からしかないので福井県側の方が
いろんなルートが組めていいと思いますよ。

> いやいや それだけ山を歩いて、山毛欅の精気を受け取っていれば、数十年位十分 大丈夫元気バリバリでしょう
> まぁ 山まで行けるかどうかは 分かりませんが・・・

ブナ仙人になって雲に乗って現われるか。

> しかし、この山域 これから冬眠していた熊がアチコチで起き出してくるそうで
> チト 怖いですなぁ

去年は100mくらいの距離で遭遇しましたからねえ。
ではまた越美宗願教寺派の大本山で・・・

              山日和

2007/03/26(Mon) 22:44:09  [No.6694]


山日和さん こんばんは

>  広野ダムへの道を八飯の集落で右折して、樫尾谷の林道に入る。
> 昨年は雪の大谷のような(ちょっとオーバーか)雪の壁ができていた林道も
> 今年はカケラを見る程度、難なく二俣まで入ることができた。

まあ去年とは格段の差でしょうね。

>  右に見える八飯への尾根、左隣の尾根とも疎林が続く好ましい尾根のよ
> うで、「隣の芝生は青い」ならぬ「隣の尾根は素敵」である。

「隣の尾根は白い」というのもありますね。
自分のいる尾根だけがヤブこぎで、両隣の尾根は白い雪がいっぱい……なんて。
実は尾根腹に付いた雪で白くみえるだけで、尾根芯はこことおんなじヤブこぎ。

>  頭上を送電線が横切る手前で林道と出合った。この林道は地形図には描
> かれていないが、「電子国土」の地図には載っている。

「電子国土」ってなんだろう……と、検索してみたら、
これはこれは、素晴らしく、かつ、奥の深いサイト群ではありませぬか。
こんな面白いものがあるなんて、山日和さん、物知りやのう。

>  県境稜線のピーク(音波より高い)を右へトラバースして稜線に出る。
> 見渡す限りのブナの純林。原生林ではなく、若い二次林ではあるが、ここ
> まで立ち並ぶさまは壮観。吉野山の桜ではないがまさに一目千本である。
> もう生きてはいないが、数十年後が楽しみな森である。

いい感じですね。
しかし、「奇跡の人・山日和」などと呼ばれながら、まだ生きてるのとちゃいますか。

>  音波の山頂直下には立派なブナが1本、孤高を保つようにスックと立って
> いた。いろんなガイドや記録に載っているのに去年は気が付かなかった。
> よく考えてみると、去年は余りにも雪が多過ぎて、枝分かれするあたりま
> で雪に覆われていたためそんな大木だと思わなかったのだ。
> 今日改めて見ると実に見事なブナである。

これは、いいブナですね。
でも、積雪も「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのでしょうか。

>  音波山頂。正面に大黒山が大きい。そしてその奥には妙理山。
> 白いドームだったこの音波もヤブが露出している。

去年は白いドームだったんですか。
素晴らしかったのやろうね。

>  山頂にワカンの跡があった。Y夫妻と「洞吹さんのと違いますか」と冗談
> で話していたのだが、冗談で終わらなかったようである。

わはは。
ホンマもんの洞吹拝の足跡ですがな。

> 左右から浅い谷が上がってくるゆったりとした尾根は、舟窪地形のコバも
> あり素晴らしい佇まいを見せる。
> 右の谷はすぐ下に雪を割って細い流れが見え、心落ち着く風景である。

こちらもよさそうですね。

>  この尾根がいつまでも続けばと思うが、現実は甘くない。
> 普通のブッシュなら強引に進めば活路が開けるものだが、ツタの絡まるチ
> ャペルならぬヤブは、突き進んでも蜘蛛の糸に絡め取られる虫のように身
> 動きがとれなくなる。祈りを捧げるしかない状態である。

ありゃりゃ、こんなことになるのですか。

>  アプローチの良さとヤブの苦しさは常に引換えの山域であるが、

自虐的快楽の世界ですな。
癖になりそう。

よい山旅を!
                               洞吹(どうすい)

2007/03/26(Mon) 22:07:32  [No.6692]


Re: 【江美国境】静寂のブナ林 音波 (画像サイズ: 1000×750 208kB)

洞吹さん、どうもです。

> 「隣の尾根は白い」というのもありますね。
> 自分のいる尾根だけがヤブこぎで、両隣の尾根は白い雪がいっぱい……なんて。
> 実は尾根腹に付いた雪で白くみえるだけで、尾根芯はこことおんなじヤブこぎ。

そうですねえ。高丸もそんな感じでしたね。

> 「電子国土」ってなんだろう……と、検索してみたら、
> これはこれは、素晴らしく、かつ、奥の深いサイト群ではありませぬか。
> こんな面白いものがあるなんて、山日和さん、物知りやのう。

高丸で地図あげたやないですか。もう忘れたの? やっぱりア○ツ?

> しかし、「奇跡の人・山日和」などと呼ばれながら、まだ生きてるのとちゃいますか。

ヘレンケラーみたいですねえ。あんまり長生きはしたくないけど。

> これは、いいブナですね。
> でも、積雪も「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのでしょうか。

どこにそんな立派なブナがあるんやと思ってましたが、すぐそばにありました。

> 去年は白いドームだったんですか。
> 素晴らしかったのやろうね。

見事でした。雪しか見えなかったですからね。

> わはは。
> ホンマもんの洞吹拝の足跡ですがな。

期待を裏切りませんなあ。

> 自虐的快楽の世界ですな。
> 癖になりそう。

私ゃ洞吹さんと違ってMの気はありませんで・・・(^^ゞ

            山日和

2007/03/26(Mon) 22:50:30  [No.6695]


Re: 【江美国境】静寂のブナ林 音波 (画像サイズ: 1024×768 253kB)

山日和 さんおはようサンです

最近文字の長いのは読むのに疲れます。書くのはもっと疲れるの、根気が薄れてきてるんだ。
このコースは前にも読んでおり、今庄の帰りにはみやげにと思っておりました。

地図を同一画面に出してレポ読むとよくわかりますね。コースガイドばっちしですね。

>  林道からは明瞭な道形があり、格段に歩きやすくなった。
> 送電鉄塔からは大きく展望が開けた。人為の最たるものではあるが、なんの面白みもない植林尾根を歩いてきた身には、この展望はうれしいものである。

展望は嬉しいですね、どんな素晴らしい樹林をさ迷っても見晴らしが開けると立ち止まっちゃいますね。

> 県境稜線のピーク(音波より高い)を右へトラバースして稜線に出る。
> 見渡す限りのブナの純林。原生林ではなく、若い二次林ではあるが、ここまで立ち並ぶさまは壮観。吉野山の桜ではないがまさに一目千本である。

音波からの先にブナ林が続くのですね、見たいものです。

>  この尾根がいつまでも続けばと思うが、現実は甘くない。
> なぜか離れ小島のように植林された地帯を抜けると、登りとはまた違ったヤブに悩まされた。
> 普通のブッシュなら強引に進めば活路が開けるものだが、ツタの絡まるチャペルならぬヤブは、突き進んでも蜘蛛の糸に絡め取られる虫のように身動きがとれなくなる。祈りを捧げるしかない状態である。

送電線巡視路があるのでは??
春浅いときに確認して使えるなあ思っておりました、花がさきますね。

                          緑水。

2007/03/27(Tue) 04:02:47  [No.6697]


Re: 【江美国境】静寂のブナ林 音波 (画像サイズ: 1000×750 184kB)

緑水さん、どうもです。

> 地図を同一画面に出してレポ読むとよくわかりますね。コースガイドばっちしですね。

ガイドしているつもりはないのですが、あまり分かりやすくても却ってよくないかも
しれませんね。いろんな意味で。

> 展望は嬉しいですね、どんな素晴らしい樹林をさ迷っても見晴らしが開けると立ち止まっちゃいますね。

「晴れ」と「展望」はやはり大きな要素です。

> 音波からの先にブナ林が続くのですね、見たいものです。

音波の西から東のピークにかけては広大なブナ林ですね。細い木が多いですが。

> 送電線巡視路があるのでは??

あちこちにあります。今回は使いませんでしたが、巡視路をうまく利用すれば無雪期
でも登れそうな感じです。
湖北・湖西は奥が深いです。

               山日和

2007/03/27(Tue) 22:32:16  [No.6703]


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