一括表示

石徹白。いとしろ。その字面とやさしい響きは私にとってなにか特別な思いを抱かせる。
そして石徹白をめぐる山々もまた、心の故郷とでも言うべき山たちの連なりなのだ。

【日 時】2005年4月16日(土)
【山 域】白山南方 石徹白周辺
【天 候】快晴
【コース】石徹白中居神社6:11---7:40和田山7:53---8:45旧林道跡9:00---10:12薙刀平10:27---10:49稜線
     ---11:08薙刀山12:22---13:41野伏ヶ岳14:22---15:08湿地帯15:25---15:50和田山入口---
     17:05中居神社

今回ばかりは天気の心配をしなかった。前後すべて晴れマークがずらっと並んでいる。
今年はやはり雪がかなり多いようで、石徹白川を渡った林道入口も申し訳程度に除雪されているだけだった。
だが珍しく大杉林道はバリケードもなく通行可能なように見えた。(帰途、対岸から眺めると入口からすぐの
ところで雪が路面を覆っていて通行不能だったが。)
よく締まった雪を踏んですっかりおなじみになった和田山牧場跡への林道をたどる。
陽当たりのいい場所は雪融け水が路面を濡らして遅い春の訪れを感じさせる。
ところどころショートカットしている先行者の踏み跡を追うが、肝心の最後の大迂回地点にはトレースが
なかった。ここが一番ショートカットし甲斐のあるところなのに。林道を外して石徹白川を見下ろす尾根に乗ると、
左側は植林だが谷側の斜面は明るい自然林で気分がいい。
頭上が開けるとそこは広大な和田山牧場跡の大雪原。目に飛び込むのは野伏ヶ岳の堂々たる姿である。
10年前の今日、初めてここを訪れた時の感動は忘れられない。今まで経験したことのない風景に思わず息を
呑んだものだった。

4月も半ばだというのに、右手の池はまだ氷結状態。続く疎林の湿原帯も雪に覆われている。
推高(しったか)谷へ流れ落ちる不思議なほど蛇行した小川もわずかに口を開いている程度だ。しかし照りつける
太陽はもう夏のような、暖かさを通り越して暑ささえ感じるほど強いものだ。
小川を離れて野伏南山腹を走る旧林道跡を目指して斜上する。スキーとツボ足のトレースがあったが、ツボ足は
どんどん上に登っている。ふと見上げると先行者が急登にあえいでいた。どうやら彼は北東尾根から野伏を目指
しているようだ。
等高線沿いに尾根を回り込んで推高谷右岸をトラバース気味に進んでいく。
推高谷を渡って薙刀平へ取り付くポイントが問題だ。両岸切り立った中で、小広い台地から小尾根を伝って
谷へ降り立ち、対岸の比較的傾斜の緩い斜面に取付く。
谷はぎっしりと雪が詰まって、そこここにデブリが見える。

先週に続いて運動不足がたたっているようで体が重い。
何度も立ち止まって呼吸を整えながらの急登、我ながら情けない思いである。
しかし天気は最高。高度を上げるに連れ、背後には大日ヶ岳から芦倉山、丸山と続く石徹白川左岸の稜線が
せり上がってくる。
野伏北面の急斜面では3人のスキーヤーがシュプールを描いている。

薙刀山東面に伸びやかに広がる広大な台地が薙刀平である。
ポツッ、ポツッと立つ疎林の雪原はどこを歩こうとまったく自由。心が開放されるというのはこういう時のことを言うのだろう。
薙刀山頂は近いようでまだまだのようでもある。稜線東側の巨大な雪庇はところどころで崩れ落ちているが、
垂直の雪壁を残している。その弱点を探して稜線に這い上がるのがパズルを解くようで面白い。

ストックで雪を削ってステップを作り越美国境稜線に上がると、今度は越前側の大パノラマが目に飛び込む。
今日は春霞でややぼんやりとしてはいるが、経ヶ岳、赤兎山、大長山の連嶺が見事なスカイラインを見せる。

はやる心を抑えながらの薙刀への最後の登り。何が見えるか分かっているのに何度でも同じような心の弾み方が
できるのは、我が愛する山々に身を置く喜びからか。

薙刀山頂。今まで隠れていた日岸、願教寺、別山が姿を現わす。
大日から続く稜線には丸山、銚子ヶ峰、一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と並ぶ。見慣れた風景のはずだが、この感動は
いつでも新鮮だ。この360度のパノラマを肴に飲むビールは最高である。

3人のスキーヤーが上がってきた。先ほど野伏の北面を滑っていた人たちだった。ずいぶん早い。
若いこともあるが、この山域ではやはりスキーは強い。いつも羨ましげに見送るばかり。きっかけがあればぜひ始めて
みたいのだが。

続いてスノーシューの単独者、スキーの2人組が来た。野伏はともかくここで人に会うとはと言っていたが、
一昨年のラッシュに比べたらだいぶマシである。

足はやや重いが気合いを入れて野伏へ向かう。稜線の東側に延々と続く雪庇が逆光に強い陰影を帯びている。
野伏へは緩やかに下って推高谷源頭のコルから200mの急な登り返しとなる。
もうそこが頂上だというのを何度繰り返したか。そこに到達する度にその向こうにさらなる高みがある。

スキー板が立っているのが見えた。今度こそ本当の頂上だ。
スキーヤーばかり5人がくつろいでいた。
正面には小白山と枇杷倉、松鞍への雪稜。遠く木無、荒島。こちらも霞んで奥美濃の山々は見えない。
眼下には果てしない広がりを見せる野伏平。この稜線の東面にはこのような疎林の台地がいくつも点在している。
今日の余韻を味わうようにゆっくりとコーヒータイムを楽しんだ。
ここで緑水さんからのメールを受信。
今日は毘沙門と大日のダブルで石徹白泊まりらしい。

下りはダイレクト尾根。東面の谷も魅力的だがあまりにも傾斜がきつい。頂き物のヒップスキーでガンガン滑る。
雨具の下を履いてないのでズボンはビショビショである。
あっという間に和田山の一角の湿地に下りついた。ここもほとんどが雪で覆われ、部分的に割れた様が上から
見下ろした時には蛇行する川のようだった。

朝よりもだいぶ雪融けが進んだように思える林道を朝以上にショートカットして中居神社に着くと、そこには
すでに出来上がりつつある緑水さんの姿があった。

                         山日和

2005/04/18(Mon) 00:04:14  [No.85]


とっちゃんと山さんの残雪レポで出かける気に成りました、出合うとは思わんなかったです。
ホンでもまあ好いお天気でした、山スキーがメッカの場所なんだ。あんな賑やかな足跡いっぱい、シュプールアチコチの所は洞さんは来ないのが納得出来るなあでした。
山さんのレポは勉強に成りますです。

           緑水。

2005/04/18(Mon) 16:57:47  [No.90]


緑水さん、どうもです。
最初は毘沙門というメールが入ってたのに、次は大日から。
びっくりしました。
類は友を呼ぶのでしょうか(^_^)
石徹白を巡る山はほんとにいいところ。卒業なんて言わずにまたお越しください。

                 山日和

2005/04/19(Tue) 22:17:51  [No.102]


山日和さん こんばんは

和田山から薙刀、野伏でしたか。
三国岳あたりとは、また格がひとつ違う、雪たっぷりの山々ですね。

> 薙刀山東面に伸びやかに広がる広大な台地が薙刀平である。
> ポツッ、ポツッと立つ疎林の雪原はどこを歩こうとまったく自由。心が開放されるというのはこういう時のことを言うのだろう。

広々とした平を、右ルート、左ルートと、お互いに思い思いのラインで歩いていたのを思い出します。

> 薙刀山頂は近いようでまだまだのようでもある。稜線東側の巨大な雪庇はところどころで崩れ落ちているが、
> 垂直の雪壁を残している。その弱点を探して稜線に這い上がるのがパズルを解くようで面白い。

雪庇を崩して稜線に上がる瞬間が、なんとも言えない感動ですね。

> 中居神社に着くと、そこにはすでに出来上がりつつある緑水さんの姿があった。

あらら、そうですか。
まあ、いろんなところでの邂逅があるものです。

よい山旅を!
                      洞吹(どうすい)

2005/04/18(Mon) 23:13:29  [No.94]


洞吹さん、どうもです。

> 三国岳あたりとは、また格がひとつ違う、雪たっぷりの山々ですね。

三国もまたいい山。予定外の真ノ谷遡行で行って以来一度も訪れていません。
昔尾羽梨川から狙った時もWパンクで登る前に断念しましたしね(^_^;)

> 広々とした平を、右ルート、左ルートと、お互いに思い思いのラインで歩いていたのを思い出します。

あの頃は名神大山崎付近の4車線化で右ルート、左ルートができた頃でしたね。懐かしー(^_^)

> まあ、いろんなところでの邂逅があるものです。

そう言えば洞吹さんともいろんな(とんでもない)ところでお会いしましたね(^_-)

ではまた残雪の稜線で・・・・

                        山日和

2005/04/19(Tue) 22:24:25  [No.104]


掲示板に戻る