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 久しぶりに訪ねた雨乞岳は、いくつもの試練を用意してくれていました。

【月 日】 11月19日(土)
【目的地】 雨乞岳(1238m)
【同行者】 全8名
【行 程】 武平峠8:40→ 沢谷峠9:25 → 七人山コル10:30 →
→ 東雨乞岳10:55……/11:55 → 雨乞岳12:05/13:30 →
→ 東雨乞岳13:45 → 七人山コル14:10 →武平峠16:00


【報告】
 雨乞岳に登ったのはもう20年も前のことである。
 当時の私にとって雨乞岳は、容易には取り付けない奥深い山だった。初めて行ったのも11月で、鮮やかな赤や黄色に染まった葉が印象深い。

 また登ってみたいと思いつつ果たせずにいたが、職場関係の山仲間の誘いを受け喜んで参加を決めた。私が誘った新人1名のほかは概ね50歳台というほぼ中年の8人パーティーである。でもみな気心の知れた人たちなので楽しみだ。昨年登ったばかりという人もいて心強い。
 上々のはずの天気予報にもかかわらず、東名阪から望む鈴鹿の山並みにはどんよりと雲が垂れ込め雨も降っていそうな気配だ。

 山麓から中腹にかけて降りてきた紅葉を眺めながらスカイラインを登り、トンネル出口の広場に車を停めていざ出発。以前どんな道だったのかは全く覚えがない。ポピュラーなコースの割には荒れているように思えたし、沢谷峠まではこれも意外にアップダウンが激しかった。
 振り返ると木の間に鎌ヶ岳が望めたが、誰かが「雪をかぶっている」と言った。まさかと思い「あれは岩じゃないか」と答えたのだが、まんざら見誤りではなかったかもしれない。

 コクイ谷への下りにさしかかりようやくゆったりした雰囲気になった。雑木林は紅葉も終わりに近いがまだまだ色づいている。クラ谷を遡るように進んでいくと、何と雪が降り始めた。雪はみるみる積もってきて、草や木の緑の葉は表面が真っ白になっていった。霰のような雪が落ち葉に当たってさらさらと音がする。天気は回復方向と思っていたのにこの先長い道中が心配になった。
 谷の両側の傾斜が緩んでくると七人山も近く。途中踏み跡を外れたところもあったが、数年前にオフで案内してもらったルートに近いことを思い出しつつ楽しみながら歩いてコースに復帰した。

 七人山のコルから上は紅葉も終わり、木がほとんど葉を落としていて見通しが良かったが、天気は回復はしそうにない。雪を被った笹をかきわけて登るとたちまち軍手が濡れてしまった。そのまま着けていると手がかじかんでしまった。
 登るにつれ笹は高くなってそれも胸から顔の高さにきており、屈んで歩かねばならない苦しい登りだ。笹の背丈が次第に低くなって視界が開けてくるとこんどは冷たい風が強い。笹原から突き出している潅木には何と霧氷がついていた。感動と不安で思いは複雑だ。

 開けた広場になっている東雨乞岳の頂上は、ガスの中で周囲の展望は全く無かった。踏み跡が四方に広がっているような状況で、行き先を示すものはない。風を遮るものもなく突っ立っているのが辛い状況だ。
 道はどちらだろうと考えていると、先頭は既に踏み跡の1つを進んでいっておりそのまま後に続く。笹原の中を緩く下ってゆくと、頂上からの帰りだろうか、何人かの登山者とすれ違った。見えない頂上が近づいて期待が高まる。

 やがて下りがきつくなってきて登り返しが大変だとは感じたが、山頂に向かうにしては下りが長すぎるぞ、と思った頃には既に標高差にして150mは下っていたであろう。さすがにおかしいと感じて地図を出してみると、本峰と東雨乞の標高差はわずかで所要も10分ほどとされているのにもはや15分は歩いており、ここに至って道を誤ったと確信した。先に下っていった先頭の仲間は既に視界から消えていたが、大声で呼び止めた。

 落葉樹の林はなかなか雰囲気が良くて、この状況でなければ昼食をとるには格好の場所のようだった。地図で場所を確認しようにも現在地がわからない。仕方ないのでとりあえずは来た道を戻るしかなく、急傾斜と落胆?でメンバーの足取りも重くなっていた。再び東雨乞に戻るまでに何と1時間も経過していた。

 気をとりなおして道を探すと、先ほどの道よりも北へ振った方角に踏み跡が続いていた。視界が利いていればあり得ない誤りだったろう。今度こそはといつも最後尾を歩く私が先頭で笹を分けて歩いた。笹の中を徐々に登っていくと、今度はガイドにある通り約10分で三角点のある雨乞岳に到着した。
 山頂に着いた頃に雪がさかんに降ってきて、下ろした荷物はたちまち白くなった。

 この日の昼食はキムチ鍋。寒い季節にはありがたいメニューだ。そのために大きな鍋をわざわざ持ってくるiさんには頭が下がる。多量の食材を投げ込むが、寒いせいかなかなか沸騰しない。待っているみんなはぶるぶる震えており、まるで直立不動でブリザードを耐え忍ぶ南極のペンギン達を連想してしまった。寒さには比較的強いはずの自分も体の芯から冷えて震えが止まらず、煮えた肉や野菜を箸でなかなか掴めない始末。靴の中も水が浸みて冷たく、手の指もしもやけのように腫れぼったい。

 最近冬にも山に行くようになって雪の中も歩いたりはしているが、この日ほど寒さを辛く感じたことはなかったように思う(実際はわずかな装備の差に過ぎないかもしれないが)。この山行には若い人も何人か誘ったのだが、もし来ていたら山が嫌いになってしまうかもしれない。

 煮えるのに思いのほか時間がかかり食事にだいぶ時間をかけたが、記念写真を撮った後山頂を後にする。このような状況では無事に帰ることが肝心だ。下り始めると周囲のガスが一時晴れて下界も見えたが、すぐまた元通りの視界0状態に戻ってしまった。晴天であれば格好の展望地である東雨乞も相変わらずガスの中で、荷物を降ろすこともなく通過。
 ここでまた先ほどの誤ったコースに進もうとした人もいた。全然懲りてないじゃん。

 山頂では何人かの登山者が私らの後から登ってきていたが、下りは私らが最後のようであった。登りでは鬱陶しく思えた笹薮も、かがんで通ると風を避けることができ何故か安心感を覚えた。
 下りは隊列もかなりばらけてきてそれぞれのペースで歩いた。流れる雲の切れ間に晴れ間も見えたが結局空は雲に覆われたままで、ちょっと陰気な雰囲気のクラ谷を下ったのだった。

 下りには思いの他時間がかかった。心残りも多いが全員ケガもなく下ることができ、良しとしなければならないだろう。山から下りて平野に出ると、下界は山の荒れ様が嘘のように晴れていた。次は天気の良い日にまた来よう。

   *******************
 
 後でどのように迷ったのか地図をよく見てみたが、どうやら東雨乞の南に伸びる尾根を下り、三人山の付近まで下ってしまったらしい。(ずっと赤テープがあった。)
 自分の感覚では西(もしくは北西)に向かっているつもりだったのだが、実際は全く逆の方角だった訳だ。その思い込みがあったせいか、恥ずかしながら取り出した磁針の北と南を反対に見ていたらしい。どうりで見える景色が地図と合わないはずである。
 景色が見えない時はマメに方位を確認しないとだめですね。

2005/11/23(Wed) 20:06:23  [No.993]


たんたんさん、こんばんは。
鈴鹿はえらい天気だったんですね。北の方の悪そうなので、私は台高へ行ってましたが予報と裏腹に曇り空だったものの、素晴らしい初霧氷を見ることができました。

>  やがて下りがきつくなってきて登り返しが大変だとは感じたが、山頂に向かうにしては下りが長すぎるぞ、と思った頃には既に標高差にして150mは下っていたであろう。

郡界尾根へ入ってしまったんですね。思い込みは恐いもんです。ホワイトアウトの時は通い慣れたところでも間違ってしまいますからね。油断禁物です。
でもこの天気なら、いいないいなのコバで鍋食ってそのまま沢谷峠へ下りた方がよかったかも・・・(^_^)

                           山日和

2005/11/23(Wed) 23:27:20  [No.1003]


 山日和さん、こんばんは。


> 鈴鹿はえらい天気だったんですね。北の方の悪そうなので、私は台高へ行ってましたが予報と裏腹に曇り空だったものの、素晴らしい初霧氷を見ることができました。

 皆さん天気が悪いにもかかわらずあちこちへ遠征されているようで敬服いたします。
 台高でも霧氷が見られたようで、悪い日なりにいいことがありますね。


> 郡界尾根へ入ってしまったんですね。思い込みは恐いもんです。ホワイトアウトの時は通い慣れたところでも間違ってしまいますからね。油断禁物です。
> でもこの天気なら、いいないいなのコバで鍋食ってそのまま沢谷峠へ下りた方がよかったかも・・・(^_^)

 そうですねぇ。ピークに執着のない人ばかりならそれもきっと楽しいですね。
 もう少し下っていれば、・・・あれ、来たことがあるような場所だな・・・などと感じたかもしれません。

2005/11/24(Thu) 23:26:03  [No.1019]


たんたんさん こんばんは

20年ぶりの雨乞岳ですか。
天気予報はまずまずだったのに、山間部はもひとつでしたね。
私は美濃のほうへ行ってましたが、朝は一時、吹雪状態でしたし。

>  道はどちらだろうと考えていると、先頭は既に踏み跡の1つを進んでいっておりそのまま後に続く。

三人山のほうへ降りる斜面ですね。
以前はこの道は、「道」になってなくて、笹薮こぎの踏み跡程度だったのですが、
何年か前から幅広に笹を刈って、道にされてしまいました。

>  山頂に着いた頃に雪がさかんに降ってきて、下ろした荷物はたちまち白くなった。
>  待っているみんなはぶるぶる震えており、まるで直立不動でブリザードを耐え忍ぶ南極のペンギン達を連想してしまった。

なかなか大変だったでしょうが、
ペンギンの光景を想像すると、なんだか笑ってしまいますね。
おっと失礼。(^^;

>  景色が見えない時はマメに方位を確認しないとだめですね。

教訓その1……ですね。
私も、気をつけます。

よい山旅を!
                               洞吹(どうすい)

2005/11/24(Thu) 00:03:13  [No.1006]


 洞吹さん、こんばんは。
 道迷いをネタにしてしまい全くお恥ずかしいかぎりです。


> 三人山のほうへ降りる斜面ですね。
> 以前はこの道は、「道」になってなくて、笹薮こぎの踏み跡程度だったのですが、
> 何年か前から幅広に笹を刈って、道にされてしまいました。

 あまりにそれらしい道だったので、迷いもせず進んでしまいました。 
 三人山に向かっているとはつゆ知らず・・・。
 林の向こうに見えるのはイブネかな?などと思ってました。全く方向が逆でした。


> なかなか大変だったでしょうが、
> ペンギンの光景を想像すると、なんだか笑ってしまいますね。
> おっと失礼。(^^;

 ペンギンの気持ちが少しわかったような気がします(笑)。
 その後、あったかい鍋に群がる様子もまた動物的でした。

2005/11/24(Thu) 23:39:46  [No.1021]


たんたんさん、こんにちは。

>  当時の私にとって雨乞岳は、容易には取り付けない奥深い山だった。

そうでしょうね、その頃はテープも少なかったと思われますし。
好展望の雨乞だけに、今回はお天気が悪くて残念でしたね。

>  また登ってみたいと思いつつ果たせずにいたが、職場関係の山仲間の誘いを受け

職場でパーティが組めていいですね。私はほとんど単独です。
秋から春までハンターな夫とは、夏場は一緒に山にも登るのですが、
夏場ヒルのいない山はかなり遠いですし、それに猪みたいな人で、
ペースが合わず苦しい登山になります。地図なんて読まないですし、
太陽で方向を定めて下りてきます。超原始的。一緒に迷わされて
暗くなるまで歩かされる事もしばしば。(ーー;

そんなこんなで、やっぱり独り歩きをしております。
誰かと登って良いところは、感動を分かち合えることですよね。
時には会話も鬱陶しいけど、会話の無い人生ってつまらないと思う。

これからどんどん歳をとっていきますし、一つくらいはどこかに属して、
楽しい老後のために、本当の友人を5人くらい作りたいと思っています。

東雨乞では稲ヶ谷に下りて苦労しただけに、楽しく拝見させていただきました。
深い笹も悪天候には優しいんですね。
この日は手も足も凍えて、足先の感覚が無くなりました。
こういう山行は忘れないんですよね。

どんなに強い風の日も、真っ白で何も見えない雪の日も、
正しく生きていれば、見えないものに守られていると思っています。

2005/11/24(Thu) 10:38:37  [No.1011]


 コダマさん、こんばんは。

 以前の稲ヶ谷レポートが印象に残っていて、雨乞といえば何故かコダマさんを連想してしまいます(笑)。


> そんなこんなで、やっぱり独り歩きをしております。
> 誰かと登って良いところは、感動を分かち合えることですよね。
> 時には会話も鬱陶しいけど、会話の無い人生ってつまらないと思う。

 最近は私も単独が多くなりました。気がねなく歩けるのがいいですし、まずは山に誘うところから気がねしてしまいますからね。
 まあ、昔のスタイルに戻ったとも言えますが、多ければ多いなりに、一人なら一人なりに楽しめるのでどちらもいいと思っています。

 同行した仲間はけっこうあちこちの山に行っているようですが、細かく記憶している人、山の名前も覚えていない人、さまざまで面白いです。いつも山頂でビールの後昼寝をする人も、今回はさすがに寝られなかったようです。


> どんなに強い風の日も、真っ白で何も見えない雪の日も、
> 正しく生きていれば、見えないものに守られていると思っています。

 でも、くれぐれも無茶なさらぬようにね。謙虚に自然と向き合いましょう。

 

2005/11/24(Thu) 23:58:45  [No.1025]


たんたん様

>  以前の稲ヶ谷レポートが印象に残っていて、雨乞といえば何故かコダマさんを連想してしまいます(笑)。

稲ヶ谷で検索すると、強烈なレポートばかりなので笑えますよ。

>  最近は私も単独が多くなりました。気がねなく歩けるのがいいですし、

最近のコダマは準備してる時に人がいると、逃げきるか遅らすかします。
山頂でゼーハーしながら「早いですねー!」と言われます。
私もヤブコギタイに入りそうで怖いです。

>  でも、くれぐれも無茶なさらぬようにね。謙虚に自然と向き合いましょう。

ありがとうございます。たんたんさん優しいですね。アップしてから
山をナメルナと怒られそうな発言をしてしまったと反省していました。
謙虚っていう言葉、好きです。単独、怖いですからね〜。

今日もお昼から、鈴鹿の仙ヶ岳で遭難騒動がありましたが、仕事から帰って
無事下山のニュースを見てホッとしました。ここの皆さんは大丈夫ですけど、
私はテレビに出そうなので気をつけます。

2005/11/25(Fri) 01:03:34  [No.1029]


  Re: 【鈴鹿】晩秋に風雪の雨乞岳 投稿者:とっちゃん(こと)

たんたんさん、こんばんわ〜。

久しぶりの山で、ひどい天気にみまわれましたね。

三人山への道が広く刈り払いされているので、一般登山の方も間違えて入ってしまわれるのではないかと、心配ですし、風情もない。

あそこまでしなくてもいいのにって思ってしまいます。

ホワイトアウトの山は怖いですね。霊仙で、一寸先も見えない時は、びっくりしました。熟達の方と一緒だったのでよかったですが。一歩先も見えなかったです。こんなに何もみえないのかと思いました。
地図読み真剣に勉強しなくっちゃと思うこのごろです。

2005/11/24(Thu) 21:52:49  [No.1013]


とっちゃんさん、こんばんは。


> 久しぶりの山で、ひどい天気にみまわれましたね。

 たまにはこのように気を引き締めさせるアクシデントも必要かもしれませんね。
 せっかく霧氷まで見られたのに、寒くてデジカメの調子が悪かったです。


> ホワイトアウトの山は怖いですね。霊仙で、一寸先も見えない時は、びっくりしました。熟達の方と一緒だったのでよかったですが。一歩先も見えなかったです。こんなに何もみえないのかと思いました。

 霊仙もそのような状況で迷いそうな山ですね。
 東雨乞ではあまりに見えないので、着いた時に霧の中に立つ立木を帰りの目印にしました。それで帰りの方向は迷いませんでしたが、山頂の向きを間違えるとは・・・。


> 地図読み真剣に勉強しなくっちゃと思うこのごろです。

 同じくです。地図と磁石持ってても役に立てられませんでしたからね。

2005/11/25(Fri) 00:06:21  [No.1026]


こんばんは ヒンヤリ過ぎた良き日が続きますね
その間の19日は生憎の冬日和 雪降りでした

我らも山毛欅清水で酔っぱらって盛り上がってました
焚き火ボンボン お鍋グツグツ 食欲モリモリ 会話ニギニギ
今年の冬始まりは暖秋の後遺症でしょうか 冬ホンバンは暖かく成るかな??

> 開けた広場になっている東雨乞岳の頂上は、ガスの中で周囲の展望は全く無かった。踏み跡が四方に広がっているような状況で、行き先を示すものはない

ガスで見晴らし無いと間違うね 人は左カーブに行ってしまう右足が強いのだろう

> 本峰と東雨乞の標高差はわずかで所要も10分ほどとされているのにもはや15分は歩いており、ここに至って道を誤ったと確信した。先に下っていった先頭の仲間は既に視界から消えていたが、大声で呼び止めた。
> 再び東雨乞に戻るまでに何と1時間も経過していた。

結構下ったんだ やりないこで
> 三角点のある雨乞岳に到着した。
なんかさあ 大勢で行くと「止めとこ」言う勇気っているんだよね
緑なら 下れ!七人コルで焚き火しながらナベしてプシューだろうな
身体温まって元気出たら山頂アタックでヨシだろう


> 景色が見えない時はマメに方位を確認しないとだめですね。

迷ってOKなら迷うのもヨシ 迷ってアサッテ向いていく場所なら止めるべきだな また来ればいいのだ

ご安全にです          緑水。

2005/11/25(Fri) 21:17:00  [No.1040]


 緑水さんこんばんは。

 寒い中山中で宴会でしたか。それもなかなかいいですね。
 吹雪の中のキムチ鍋はちょっと辛かったっす。 


> 迷ってOKなら迷うのもヨシ 迷ってアサッテ向いていく場所なら止めるべきだな また来ればいいのだ

 迷った先もきわめてみたいものです。またいつか機会があるでしょう。

2005/11/26(Sat) 19:30:08  [No.1045]


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